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幕臣たちの明治維新

2011-06-10 | Interested | By: sorakuma

明治維新で江戸幕府が滅んだ後、旧幕臣たちには大きく三つの選択肢が有った。
1.新政府で役人になる
2.農業や商業を行う
3.大幅な減給を飲んで静岡(駿府)について行く

結果論から言うと、一番有利だったのは1の選択肢。新政府も人材が不足していたので、幕臣でも新政府にほぼ元通りの役職で就職できたらしい。しかし、この選択肢は裏切りのようで一番人気がなかったようだ。
逆に、一番厳しかったのが3の選択肢。それでも、この選択肢が一番人気で今までの惰性から徳川家に使える人が多かったとのこと。
2の選択肢は才能が必要なために難しく、ほとんどの人は失敗して駿府で徳川家に復帰し、3に合流する結末が多かったとのこと。

ここで興味深いのは、有力な旗本ほど1を選んだ人が多く、位が低い者の多くは一番不利な3を選ぶ人が多かったとのこと。世襲制の世の中でも、有力な人のほうが先を正確に見通せていたのは興味深い。ただの保身の可能性も高いが、それでも現状がうまく言っている人のほうが正解に近づけたのは非常に皮肉だ。
この結論からすると、「若者を見殺しにする国」で言われているように、現状をリセットするような戦争等の大異変が万一起こった場合でも、現状いい位置にいる人のほうがリセット後もいい位置につける可能性が高くなるのだろうか、などと考えてしまう。

http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-05-10

幕臣たちの明治維新 (講談社現代新書)

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