ユーロ負債と金相場の変動
画像は、2009年12月31日時点のヨーロッパの負債相関図。
元々は2010年5月のNYT紙の記事に掲載されていた相関図が日本語化されたものです。
Europe’s Web of Debt|New York Times
最近、特にユーロ崩壊の危機が話題になっていますが、その背景にはこうした『返済しなければならない負債の存在』があります。
EU諸国がどういった形でこの負債を処理するかはわかりませんが、最近の金相場の変動には、EU諸国の債権を巡る動きが影響しているとのことでした。
ユーロ圏の経済不安を受けて、金価格が一層高騰すると予想していましたが、先週大きく価格を下げました。
* * * *
その背景には、銀行の存在があるようです。市場から直接ドルを調達できない金融機関が『金売り』でのドル調達を活発化していること。
また、金価格が下がり続けるのは、金が『資金の逃避先』から『資金調達の手段』へと化けたことを示している。
…
金を使った資金調達はしばらく止まりそうにない。金融機関にとって代表的な資金の融通手段であるロンドン銀行間取引市場では、資金を調達しづらくなっている金融機関がでているとされる。
* * * *
記事によると、この動きはリーマン・ショックの動きをなぞるかのようだ、といいます。
資金の動きは、もっとも効率の高いところに流れるといいます。最適化された結果、過去に起こったことがリーマン・ショックであれば、今回も同じことが起きることは十分あるかもしれません。
EUの金融機関が金を手放した後はどうなるでしょうか。
経済の専門家たちによると、金相場は今後大きく上昇すると見られています。
【今日のチャート】金価格:1万ドルに上昇も-米通貨量との比較で
ブルームバーグの記事です。
ソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジスト、ディラン・グライス氏によると、米経済における通貨量の急増に金価格が追い付こうとしていることを理由に、金相場は1オンス10000ドル以上に上昇すると見られています。
金相場、2013年までに2500ドル到達も-米ニューモントCEO
米最大の産金会社ニューモント・マイニングのリチャード・オブライエン最高経営責任者(CEO)は14日、金相場が2013年までに36%上昇し、1オンス=2500ドルに達する可能性があるとの見通しを示しています。
EU圏銀行の債権処理が落ち着いた後の資金の動きが、金相場の変換点となるとして、それがいつになるのか。ここ数日金は相場を下げましたが、数日で銀行の金による資金調達が完了したとも思えません。最終的な上昇局面がいつになるかはわかりませんが、EU債権の処理の動きがその趨勢の鍵を握っているのかもしれません。