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そらくま。

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放射性核種を排出するための三つの方法

2012-06-30 | 震災・原発 | By: sorakuma

チェルノブイリ被害実態レポートに、体内に取り込んでしまった放射性物質をの排出を促すための方法が記載されています。
レポートからポイントを抜粋してみました。

1.食品中の安定的な元素量を増やすことで、リスクのある放射性核種が体内に取り込まれるのを防ぐ。
セシウムに対する防御:カリウムやルビジウムの摂取
ストロンチウムに対する防御:カルシウムの摂
※ただし、カルシウムの摂取は、心筋梗塞のリスクを高めるという話もあります。
プルトニウムに対する防御:三価鉄の摂取

2.放射性核種を吸着する様々な栄養補助食品を用いる。
アップルペクチンの摂取

3.放射性核種を「洗い流す」ために、煎じた飲料やジュースその他の液体、および食物繊維を強化した食品の摂取を増やす。

効果的な方法は、汚染されていない土地で過ごすこと、汚染されていない食物を摂取すること。
そしてここで語られる方法の一つが、アップルペクチンを摂取すること。

アップルペクチンを継続的に摂取することで、体内のセシウムを吸着し、排出する効果があります。
※ただし、その弊害として、血液中のカリウム、亜鉛、銅、鉄もあわせて排出してしまうようです。
あわせてこれらの栄養素をバランスよくとることを覚えておきましょう。

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放射性核種の除去(あるいは体内除染)とは、大便や尿などの排泄を介して、体内に取り込んだ放射性核種の除去を促進するために調整された薬剤を用いることである。放射性核種による極端な汚染に対する治療には、効果の高い特定の方法がいくつか知られている。たとえば、セシウムの除去には鉄化合物ストロンチウム(Sr)にはアルギネート類や硫酸バリウムプルトニウムにはイオン交換樹脂などである。これらの方法は、短時間で急激に汚染された場合には効果がある。

しかし、ベラルーシ、ウクライナ、ヨーロッパ側ロシアのような、ひどく汚染された地域については事情が異なる。汚染地域では微量の放射性核種(そのほとんどがセシウム137)による日々の被曝を避けることは事実上不可能であり、食物を介して(最高で94%)、飲み水によって(最高で5%)、呼吸によって空気から(約1%)体内に取り込まれる。

地元の農産物に高レベルのセシウム137が含まれているため、第一に子どもたちにとって、また汚染地域に住むすべての人々にとって、放射性核種の体内への蓄積はたいへん危険だ。体内に取り込まれた放射性核種は、現在、汚染地域における公衆衛生を悪化させる第一の要因になっており、被曝の影響を減らす可能性のある方法はすべて用いるべきである。

子どもの体内に蓄積されるセシウム137が、体重1キログラムあたり50ベクレルに達すると、生命維持に必須の諸器官(循環器系、神経系、内分泌系、免疫系)、ならびに、腎臓、肝臓、眼、その他の臓器に病理的変化があらわれることが明らかになっている(Bandazhevskaya et al., 2004)。
ベラルーシ、ウクライナ、ヨーロッパ側ロシアの、チェルノブイリ事故で汚染された地域では、この程度の放射性同位体の体内への蓄積は今日でも珍しくない。
そのため、可能なあらゆる手段を用いて、これらの地域に住む人々の放射線核種の体内蓄積レベルを低下させる必要がある。子どもと大人の食事内容が同じである場合、子どもは体重が軽く、また新陳代謝が活発なので、地元で生産された食材から受ける被曝線量は大人の5倍に達する農村に暮らす子どもが受ける被曝線量は、都市部の同年齢の子どもより5倍から6倍も高い。
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チェルノブイリ被害実態レポートでは、ペクチンによる放射性核種除去の結果について、次のようにまとめられています。

1.世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家会議は、2年間の臨床試験にもとづいて、ペクチン性腸内吸着物質の日常的な使用は効果的であり、かつ無害であると発表した。
2.ウクライナとベラルーシでは、体内に蓄積した放射性核種の排泄を促す物質として、ペクチンをベースとする様々な製剤が研究されている。
4.ペクチンを継続的に摂取することで、子どもの体内のセシウム137による放射能レベルが低下する

5.ペクチンを与えたグループとペクチンを与えなかったグループを比較して、セシウム137のレベルを低減させる効果が50%高くなった
6.ペクチンを16日間摂取し続けることで、、セシウム137の体内蓄積量において有意な減少がみられ、心電図も著しく改善した
8.ペクチン性腸内吸着物質は、セシウム137だけでなく、生命維持に必要な微量元素まで除去してしまうのではないかと懸念されていた。
試験での結果、子どもたちの血液中のカリウム、亜鉛、銅、鉄の良好なバランスを損ねないことがわかった。
10.ペクチンを摂取したグループにおけるセシウム137の相対的な減少は、それぞれ平均値で32.4%、中央値で33.6%だった。
これに対し、プラセボを与えられたグループにおける減少はそれぞれ14.2%(平均値)および13.1%(中央値)にとどまった。

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Amazonなどでは錠剤としても販売していますが、可能なら日々、自然のりんごで取りたいものです。

継続的にアップルペクチンを摂取するのは難しい場合もあるかもしれません。
そんな時は、こんなキャンディも。

原子力は答えではない

2012-06-30 | 震災・原発 | By: sorakuma

「放射線1ミリシーベルトでも死ぬ、原発は平常時でも放射能をばらまき労働者を殺し温暖化を促進する」
ヘレン・カルディコット医師は、著書『原子力が答えではない』でそのように述べています。
カルディコット医師は、ノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議に関与し、個人としてもノーベル平和賞にノミネートされています。

特に重要な論点が、中鬼と大鬼のふたりごとにて以下のようにまとめられていました。

1 「原発は地球温暖化防止のためにCO2削減の救世主」は完全に嘘
2 原発を稼働させる為のウラン採掘は労働者の命を削っておこなわれている
3 ウラン精製も一つ間違えると大変なことになる、というかすでになった地域がある
4 原発から放射性物質が定期的に排出されるのはとても当たり前のこと
5 放射線で細胞の突然変異が引き起こされる
6 「安全基準」には科学的根拠がない:1ミリシーベルトでも人は死ぬ
7 プルトニウムはやっぱり猛毒
8 平常運転時でも原発から漏れている猛毒トリチウム

通常運転していても放射性物質ををまき散らしていること。
原子力産業における労働者が被曝のリスクを背負っていること。
わずかな放射線被ばくにおいても、死のリスクを抱えていること。

日本政府が言う安全な原子力、原子力発電の安全性とは、何の根拠もありません。
『ただ、事故など起こるはずがない』という前提を元にした、何の根拠もない空論に過ぎないのです。

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『原子力が答えではない』要点翻訳(1)放射線1ミリシーベルトでも死ぬ、原発は平常時でも放射能をばらまき労働者を殺し温暖化を促進する
http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-52.html

1 「原発地球温暖化防止のためにCO2削減の救世主」は完全に嘘
→ 原子力を稼働させる為に必要なウランを採掘して精製するのに莫大な量の化石燃料が必要
しかも、地球上のウラン鉱には限りがあって、ウランの質が近年どんどん悪くなってきている。
それを精製するのに更に多くの化石燃料が必要になってきている
→ 原発のコンクリ建屋を作るのに化石燃料が必要
→ 有害な使用済み核燃料を保管したり移動させたりするのに化石燃料が必要
→ このような事実を全く考慮せずに「原発はCO2を排出しないクリーンなもの」と原子力村は言っている

そもそも、CO2削減は地球温暖化の原因ではなく、結果である可能性もあります。
(温暖化した結果、海に溶け込んでいた膨大な量のCO2が大気中に排出された)
CO2削減を根拠に原子力を推進していくことは何の解決にもならない可能性があります。
また、原子力発電所は海水温より数度高い温排水を海中に廃棄し、それによって周辺の海域は温度が上昇しています。
海域の温度があがれば、海中のCO2を大気中に放出させることにも繋がります。

2 原発を稼働させる為のウラン採掘は労働者の命を削っておこなわれている
→ 例えばアメリカにおけるウラン採掘は、先住民のナバホやプエブロ族の居住地区でおこなわれている。
その結果先住民の人達がウラン採掘の仕事につくのだけれど、地下での採掘は気体化したラドン220を大量に吸ってしまう。
そのため、彼らの20~50%が肺がんで命を落としている。
調査によると、ドイツ、ナミビア、そしてロシアのウラン採掘労働者も同じように高い肺がん率で亡くなっている。

3 ウラン精製も一つ間違えると大変なことになる、というか既になった地域がある
→ コロラド州であった本当の話。60年代半ばに、ウラン精製の際にできた大量の残りかすを放射能で汚染されていると知らずにコンクリートに混ぜて使ってしまった会社があった。そのコンクリは学校、病院、個人の家、道路、空港、そしてショッピングモールなんかに使われた。
70年代になってから地元の小児科医達が新生児に口唇裂、口蓋裂やその他の先天異常が増えたことに気づき始めた。
米政府はそれについてコロラド大学に放射能コンクリートと新生児の先天異常の関わりについて研究を委託した。
しかし、その1年後に突如研究を打ち止めにし、その後原因究明はされていない。

日本でも既に放射性廃棄物をコンクリートに混ぜて建築し、放射線を放つマンションなどが話題になっていました。
これは今後日本でも発生しうるリスクとなっています。

4 原発から意図的または「注意に値しない小さな事故」によって放射性物質が排出されることはごくごく当たり前のこと
→ 原発内で人工的にウランを核分裂させる過程で200以上もの放射性物質が作られて放射線濃度を何十億倍も強くする。例えば、1000メガワットの普通の原子炉一基には広島原爆の1000倍もの放射線が内蔵されることになる。この高濃度の放射線は定期的に外に出す以外方法はない構造になっている。
→ 1974年にアメリカが保有していた全部の原子炉から放出された放射性ガスは648万キューリー。これは総量約2400億ベクレル(!)の放射性ガスが放出されていたことになる。全て「平常運転」でこの結果です。
→ 汚染された冷却水も同じように意図的または事故によって外に出される。
→ このように意図的、もしくは小さな事故によって排出される放射性物質についての研究はほとんどされてきていない。

意図的に行われる放射能排出についてはベントが知られていますが、日本で稼働している原発の半数は、このベントに構造的欠陥があることが指摘されています。

5 放射線で細胞の突然変異が引き起こされる
→ 放射線で引き起こされる突然変異は優生、劣性、または伴性突然変異。劣性変異で代表するものは糖尿病、嚢胞性繊維症、筋ジストロフィー、そして精神遅滞。典型的な伴性突然変異は色盲と血友病。
→ 確認されている遺伝子病は16,604種類もある(2006年当時)
→ 放射能によって破壊された染色体は、生まれてくる赤ちゃんにダウン症などの深刻な精神・身体の病気を起こさせる。
→ 奇形生成(teratogenesis)は体外からの放射線や胎盤から吸収され胎児に届いてしまい起こる。

6 「安全基準」には科学的根拠がない:1ミリシーベルトでも人は死ぬ
→ 私たちは年間約100ミリレム(1ミリシーベルト)の自然放射能を大地や太陽から浴びている。しかしこの年間100ミリレム(1ミリシーベルト)という値は7年間その量を浴び続けると125人中1人が癌を発病する値である。
→ Nuclear Regulatory Commission(米原子力規制委員会)は何の科学的根拠もなく、一般人は自然放射能100ミリレム(1mSv)に加えて人工放射能も100ミリレム(1mSv)までは浴びられるといった限界値を作った。要するに年間200ミリレム(2mSv)まで安全だと言えるようにした。
→ 原発労働者の基準はそこから更に引き上がって5000ミリレム(50mSv)。年間に50mSvを浴び続けると、50年後に5人に1人が発癌する。
→ 安全基準は健康な70kgくらいの体重の成人男性を目安に作られている。
→ 放射性物質と化学物質は相互に発がん性を助長する場合がある。
→ National Academy of Science (米国科学アカデミー)の報告によると、大きな事故のない通常時で私たちの年間被ばく量の18%は人工放射能から起きている。ちなみにその人工放射能被ばくの内訳の79%がレントゲンや核医学から起きて、5%が汚染されたタバコや飲み水、そして原発からの放射能になる。しかし、これは通常時の計算であって、定期的に放射性物質をベントする原発が増えたり、核廃棄物が増えることでこの18%がどんどん増えていくことになる。

7 プルトニウムはやっぱり猛毒
→ 100万分の1グラムのプルトニウムを肺に吸い込むだけで高い確率で癌が引き起こされる。プルトニウムは短いが強烈なα線ですぐに細胞を死滅させる。すこし威力が弱まると今度は周りの細胞を破壊してそれが変異体となっていく。
→ チェルノブイリ事故のメルトダウンでは0.5トンのプルトニウムが放出させられた。プルトニウム0.5トンという量は、もしもこれが全世界の1人1人に平等に配布されて被ばくしたとすると、私たちが肺がんで死亡する確率が1100倍増加するという値である。
→ プルトニウムが4.5kgあれば原爆が一つ作れる。

8 平常運転時でも原発から漏れている猛毒トリチウム
→ トリチウムはどんなフィルターでも濾過できないので、気体や水と一緒になり流出されやすい。
→ 年間に少なくとも1360キューリー(5000万ベクレル)のトリチウムが平常運転している原子炉一基から放出されているという研究結果がある。
→ トリチウムの出すβ線は遠くまで貫通しないが、逆にそれは付近の細胞に吸収されやすいという事を意味していて突然変異誘発性がとても高い。
→ 動物実験の結果、トリチウムの被ばくにあった動物の子孫の卵巣に腫瘍が発生する確率が5倍増加した。さらに精巣萎縮や卵巣の縮みなどの生殖器の異常、脳の縮小、精神遅滞、脳腫瘍、周産期死亡率の上昇、そして発育阻害や奇形の胎児が観察された。
→ トリチウムは食品に組み込まれ、体内のDNAに組み込まれてしまう。
→ 通常運転中の原子炉からトリチウムは放出されていて、付近で霧が発生した時や汚染された森林から放出される気体によって人々は被ばくをしてしまう。

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原発事故がもたらすもの

2012-06-30 | 震災・原発 | By: sorakuma

原発の危険から子供を守る北陸医師の会より、『チェルノブイリの健康被害』の翻訳が進められています。
その研究要約を紹介させて頂きます。

チェルノブイリの健康被害 概要
http://isinokai.blogspot.jp/2012/03/1986-iaea.html

特に気になったのはこのあたり。

1.100mSv以下の被ばく線量でも奇形の発生は起こりうる
2.放射線被曝を直接受けなかった細胞の遺伝子にも異常が起こりうる
3.被ばく線量が少ないほど、ガンの潜伏期間が長くなる
→低線量被曝も十分なリスクがある

4.染色体異常は世代ごとに急速に増大していく
5.がん以外の疾患も増加している
→心血管疾患、胃、精神系疾患など
6.汚染作業員の90%以上が何らかの疾患
→老化、がん、白血病、精神病疾患、白内障
11.男女比の割合にも変化、男児の割合の増加
18.がん以外の病気は、数倍から数十倍増加
19.ここ数年で子どもの糖尿病が増加

日本では、去年の熱中症や、呼吸器系の病気の増加、心筋梗塞などの増加が報告されています。
白内障や、子どもの糖尿病の増加についても、因果関係はわかりませんが増加していると言われています。

チェルノブイリで起きた事故が日本でそのまま起こっているわけではありませんが、低線量被曝の影響が続けば、世代を重ねる毎に如実にその影響があらわれるといいます。

恐ろしいことに、これらは原発事故がもたらすもののほんの一部に過ぎないのです。

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研究(要約)

1. 低線量被ばく(0-500 mSv)の影響が体系的にモニタ-され、研究された。実は、遺伝子への影響はチェルノブイリ事故前にはよくわかっていなかった。現在、この研究は細胞レベルから、さらには細胞内の分子構造にまで及んでいる。ICRP(国際放射線防護委員会)は、催奇性のしきい値(訳注:ある値以上で効果が現れ、それ以下では効果が現れないことをいう。閾値ともいう)を100 mSvと主張し続けている。しかし、多くの研究はそれが間違っていることを証明している

2. “遺伝的不安定性” や“バイスタンダ-効果”-すなわち放射線を直接照射されていない細胞の遺伝子にも異常が現れる現象が発見されている

(訳注1:遺伝的不安定性とは、放射線被ばくによって生じた損傷を乗り越え、生き残った細胞集団がその後被ばくしなくても長期間にわたって遺伝子障害を起こす状態)
(訳注2:バイスタンダ-効果とは、細胞を照射してDNA二重鎖の切断などの変異を起こさせると、照射を受けていない隣接する細胞にも変異が起こる。何らかの液性因子が関与していると考えられている)
(訳注3:これらの現象が本当であれば低線量被ばくによる健康リスクは考えられている以上に高いということになる)

3. 被ばく線量が少なければ少ないほど、がん発生の潜伏期間が長くなる(ピア-スとプレストン; RERF-放射線影響研究所、2000年)。

4. “遺伝的不安定性”は遺伝子内で継承され、世代ごとに急速に増大する。汚染除去作業員と被ばくを受けていない母親とのあいだに生まれた子どもに染色体異常が認められるという研究報告が多数あり、3つの共和国のリサ-チセンタ-(モスクワ、ミンスク、キエフ)で閲覧することができる。累積効果の最初の兆候は、被ばくを受けた両親から生まれた子どもたちの甲状腺がんであろう。しかしながら、このことはまだ確証がえられていない。

5. がん以外の疾患が増えていることもわかった。主に心血管疾患と胃の病気、そして精神神経疾患などは低線量被ばくの身体への影響であることがわかってきた。精神神経疾患は、おもに汚染除去作業員とその子どもたちの研究で解明された。

6. ロシア当局の発表によれば、汚染除去作業員の90%以上が何らかの病気を抱えている;すなわち、少なく見積もっても740,000人が重篤な疾患をわずらっている。彼らは老化が早く進み、一般人の平均以上にさまざまながんや白血病、精神的身体的疾患などにかかっている。また白内障を病(や)んでいる人もかなり多い。がんについては潜伏期間が長いため、これから著明な増加が予想される。

7. 独自の研究(訳注:政府やWHOなどのバイアスのかかった研究ではないという意味と思われる)によれば、2005年までに112,000から125,000人の汚染除去作業員が死亡するであろうと推定されている。

8. 入手できた複数の研究によれば、チェルノブイリ事故の結果として、およそ5,000人の乳幼児が死亡した推定されている。

9.   遺伝性および催奇性障害(奇形)は、直接被害を受けた3国(ロシア、ベラル-シ、ウクライナ)だけでなく多くのヨ-ロッパ諸国で、明らかに増加した。ドイツのバイエルン州ではチェルノブイリ事故以来先天性異常が1,000人から3,000人も増加した。私たちは、ヨ-ロッパでの10,000人以上にのぼる重篤な奇形は放射線によってもたらされたのではないかと危惧している。人工中絶は未報告例が多いと思われるが、あのIAEA(国際原子力機関)でさえ、チェルノブイリ事故によって西ヨ-ロッパで100,000人~200,000人の人工中絶があったという結論に達した。

10. UNSCEAR(放射線の影響に関する国連科学委員会)のデータをもとに計算すると、チェルノブイリ地域で12,000人から83,000人の子どもが奇形を持って生まれ、全世界では30,000人から207,500人の子どもが遺伝子の障害を受けると予想されている。第一世代ではみられる障害者数は、予想されるすべての障害者数のわずか10%にすぎないことも銘記しておかなければならない。

11. チェルノブイリ事故の余波はヨ-ロッパで死産や奇形が増えただけでなく、男女比の割合にまで影響を及ぼした;1986年以降明らかに女児の出産が減少したのである。クリスチ-ナ・フォイクトとハ-ゲン・シェルブの論文によれば、1986年以降、チェルノブイリの影響でヨ-ロッパでの子どもの出産数は、予想より80万人も少なかった。シェルブは、この論文ではすべての国をカバ-することができなかったが、これも入れるとチェルノブイリ事故後、失われた子どもの総数はおよそ100万人に達するであろうと推定した。出産数の減少は、地上核実験後にも観察された。

12. ベラル-シだけでも、事故以来12,000人以上が甲状腺がんになった(パベル・ベスパルチュク、2007年)。 WHOの予測によると、ベラル-シのホメリ(ゴメリ)地域だけで今後50,000人以上の子どもたちが甲状腺がんになるだろう。 この予測にすべての年齢層分を追加すると、その数はおよそ10万人に達すると計算される。

13. ベラル-シとウクライナにおける甲状腺がんの実際数をもとに、マルコ(2007)は予測される将来の発生数を計算した。それによれば1986年から2056年のあいだに92,627人が甲状腺がんになるという。この数字には、汚染除去作業員の甲状腺がんは含まれていない。

14. チェルノブイリ事故後スウェ-デンおよびフィンランド、ノルウェ-では乳児死亡率が、1976年~2006年の予測死亡率と比較すると15.8パ-セント有意に増加していた。アルフレ-ト・ケルブラインの計算では、1987年から1992年の6年間に1,209人の乳児が余分に死亡していた (95%信頼区間:875人から1,556人)。
(訳注:95%信頼区間とは、真の値がその区間に含まれる確率が 95%ということである)。

15. ドイツの科学者たちが次のことを発見した。チェルノブイリ事故の9ヶ月後に生まれた子どものあいだで21トリソミ-(訳注:ダウン症)が有意に増加していた。この傾向は、特に西ベルリンと南ドイツで著しかった。

16. オルロフとシャヴェルスキ-は、ウクライナの3歳未満の子どもで脳腫瘍が188例あったと報告した。その内訳はチェルノブイリ事故前(1981年~1985年)には5年間で9例であった-1年あたり2例以下。ところが事故後(1986年~2002年)の16年間では、脳腫瘍と診断された子どもは179人に達した-1年あたり10人以上。

17. 南ドイツのより多く汚染された地域では、小児腫瘍の中でも比較的少ないタイプ-神経芽細胞腫-が有意に増えていた。

18. ウクライナのチェルノブイリ省によって発行された資料によると、各疾患が以下のごとく大幅に増加していた。1987年から 1992年の6年間で、内分泌系(25倍)、中枢神経系(6倍)、循環器系(44倍)、消化器系(60倍)、皮膚と皮下組織(50倍以上)、筋肉・骨格系と精神的障害がともに(53倍)であった。1987年から1996年の10年間で、避難者のうち健康な人々の割合は59%から18%へと減少した汚染地域に住む人々では52%から21%と変化した。特に悲惨なのは、両親が高レベル放射能にさらされた子どもたちで、自らは放射性降下物の被ばくを免れたにもかかわらず、健康な子どもの割合が81%から1996年には30%に減少した。

19. ここ数年間、小児および青少年のあいだでI型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)が急激に増えていると報告されている。

20. 白血病やがんなどの悪性疾患よりもがん以外の病気がはるかに多い。

チェルノブイリ地域において被災者全体でいかに健康状態に異変が起きたのか、残念ながらその全貌は現在に至るまで結論が出ていない。そして、北半球の人々にとってこの大惨事の全容は何であったのかも述べられていない。この報告書で述べられた数字は一方でひどく高く、他方ではかなり低いと思われるかもしれない。しかし、ここに集められたほぼすべての研究は人口の比較的小さな集団を対象にしていることを考慮する必要がある。得られた数字を大規模な人口集団に当てはめた時に、病気の発症率が推定上わずかな変化であっても、深刻な健康被害と大規模な人的被害となって現れるのである。

結論

大規模で独立した(訳注:WHOなどの権威から独立した)長期的研究が不足しているため、現在の全体の状況を正確に表すことはできないが、いくつかの概要を示すことができる;高レベル放射線にさらされた人々(たとえば汚染除去作業員)の死亡率は高く、罹患率はほぼ100%である。原子炉事故から25年後、がんやその他の疾患が長い潜伏期間を経て事故直後には想像もつかなかった規模で現れてきた。

がん以外の病気の数はかつて想像されていたよりもはるかに劇的なものだ。しかし、汚染除去作業員の早期老化のような “新規”の症状について、研究はいまだなにも答えることができない。

2050年までにさらに数千人以上の患者が、チェルノブイリ原子力事故が原因であると診断されるだろう。原因から身体的症状が現れるまでに長い時間差があるため油断ができない。チェルノブイリは決して終わってはいないのである。

特に悲劇的なのは何千人もの子どもたちの運命である。あるものは死産、乳児期の死亡、奇形や遺伝性疾患を持って生まれ、あるいは通常の状況下では起きないような病気とともに暮らすことを強いられている。

チェルノブイリ事故によって引き起こされた遺伝的欠陥は全世界を長期にわたって苦しめ続けるだろう-影響のほとんどは、2代目または3代目の世代まで明らかにならない。

健康被害の程度はまだ明らかでないとしても、福島の原子力災禍によってもたらされた苦難は同等の規模であり、将来同じような展開になるだろうと予想される
(訳注:フクシマ原発事故がどのように進展するか不透明な段階(2011年4月)での予想である。現時点(2012年3月)で考えれば、この予想よりも被害は少ないと思われる)。

原発危険度ランキング 原発は毎年1回以上事故を起こしている

2012-06-30 | 震災・原発 | By: sorakuma

原発危険度ランキング。
その第1位となるのは、大飯原発1号機、2号機です。

政府が再稼働を目論んでいる大飯原発3号機も12位に含まれます。

これが、そのランキング、原発危険度ランキングです。

原発ゼロの会、服部氏はその危険性を語ります。

運転年数、事故の頻度、活断層、地震の危険性、周辺の人口。
・・・恐ろしいことに、原発は年に1回以上事故を起こしているのです。

即時廃炉にすべき原発。その第一位となるのは、敦賀原発1号機。
年に1~2回は事故を起こしているといいます。

ここで挙げられている原発は、即時廃炉にすべき危険な原発であるといいます。

日本は地震大国。原発は、その地震に耐えることはできません。

原発を国土に抱える限り、いつかは国土を、誰かの故郷を失うリスクを負っているのです。

6.29 大飯原発再稼働反対デモ 野田総理、人々の『声』を聴け

2012-06-30 | 震災・原発 | By: sorakuma


明後日に控えた原発再稼働予定。今週もいっそう大規模に再稼働反対デモが行われました。


毎週金曜日、再稼働に抗議する人々が集います。


集まる人、人、人。


人々の長蛇の列となり、総理官邸、内閣府を超え、国会議事堂付近まで続きます。


大飯原発3号機の再稼働を阻止するため、人々は集まりました。


はじめて参加する母子。


政治家もいち国民として参加。


戦後、これだけの人々が集まったことはあったでしょうか。


手に持つのは手製のビラ。組合でも団体でもありません。国民一人ひとりが集まったのです。


遠く茨城から駆けつけた人も。


集まっているのは、声をあげているのは、一般市民ひとりひとりです。


野田総理の耳には、『声』として届かないのでしょうか。


日本を守るため、原発の再稼働を止めるため、人々は自分たちの意志であつまりました。
『1960年安保以来、52年絶えて久しかった、市民によるデモである』鳥越氏はそのように語ります。

生粋の市民によるデモ。それこそが、日本に住む人々ひとりひとりの声であるはずです。
この声が『音』としか聞こえないのであれば、それはもはや政治家ですらありません。

食品関連企業の放射能検査体制

2012-06-29 | 震災・原発 | By: sorakuma

※画像をクリックすると拡大します。
穴だらけの食品放射能検査体制
http://diamond.jp/articles/-/15870

今年4月からの食品に含まれる放射性セシウムの基準は、従来より厳しくなるとはいえ、それでも全く十分なものであるとは言えません。

これに対し、各食品関連企業では独自の検査体制を置いていますが、その検査体制や力のかけ具合、つまりは放射性物質に対する意識の違いは各社でかなりの差があります。

『産地』だけでは限界があります。食品を選ぶ時、そんな基準をひとつ加えてみるといいかもしれません。

消費税増税、増税政策を考える

2012-06-28 | News | By: sorakuma


2014年4月に8%、15年10月に消費税が10%に引き上げられることになってしまいました。

さらにそれだけではありません。
住民税の控除額の減少、厚生年金の保険料増など、さらに私たちの生活を圧迫する税が次々と盛り込まれることになりました。

一般的なよくある4人家族の場合、世帯収入が300万の場合はおよそ8.3パーセント、800万円の場合はおよそ5.6%程家計が圧迫されることになります。
これは、非常に大きな負担増です。

上記の説明とは別の出典になりますが、世帯年収別の消費税率が10%になったときの負担増額はこのようになるといいます。

増税は、消費税だけではありません。税率の増加、各種控除の撤廃など、ありとあらゆる角度から国民の負担額は増加することになります。

復興と銘打てば国民が納得すると考えているのでしょうか?

増税してかき集めた税金の行き先はどこになるのでしょうか?
少なくともそれは社会保障ではありえません。社会保障は、現状より改悪されてしまうからです。

消費税の行き先は、単純に法人税減税の穴埋めです。
グラフで見ると、その関係は非常にわかりやすいものになります。

景気を後退させるリスクをもった増税を行い、大企業にテコ入れを行う、というのが大きなお金の流れになります。
そこには、少なくとも復興の二文字は出てこないでしょう。

そもそも、現状日本は、社会保障を打ち切ってまで国民から税金を搾り取ることが必要な状態だったでしょうか?

国と地方の債務は2009年末時点で1000兆円を超えています。ですが、日本には970兆円もの資産があります。
また、国債の引受先はほとんどが日本国民自身であり、海外の資本に大きく依存してもいないことから、実質的には財政は非常に健全な状態なのです。

消費税増税の問題は、それだけではありません。
冒頭の家計年収ごとの負担増額を見て気づかれた方も多いと思いますが、消費税増税には低所得層ほど負担が大きいという性質があるのです。

 

これは、富裕層の負担をより大きなものとする諸外国の流れとは全く逆行するものです。

国民の生活が第一、と公言していた政党がありました。
その政党がもたらしたもの、成し遂げたことについて、今一度思い起こす必要があります。

それから、野田政権が海外に対して支援した金額はこれだけあるといいます。
もちろん財源は、税金です。使えばお金がなくなるのは当然です…。

増税は家計を大きく圧迫します。
できる範囲でやりくりをするため、当然支出を減らしていきます。
そう考える人が増えれば、より景気は後退するでしょう。
ますます少子化に拍車はかかり…。

政府は国民に背を向けたまま。
日本は、いったいどこに向かっているのでしょうか。

甲状腺被ばくにおける影響を考える

2012-06-27 | 震災・原発 | By: sorakuma

大飯原発で、もし事故がおこってしまったら。
そんな情報がGreenpeaceのサイトで公開されていました。

初公開、大飯原発事故で、京都観光地も汚染の可能性
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/40637/

京都府の大部分が汚染される可能性が示されています。
そのときの地域別の被ばく線量は、下記の表でまとめられています。

甲状腺被ばく等価線量で最大500mSv。大部分は100mSv以上。
500mSvというと途方も無い数値なのですが、甲状腺被ばく等価線量とはどんな評価なのでしょうか?

甲状腺被ばく等価線量は、係数(0.04)をかけることによって、全身での被ばく線量(実効線量)に置き換えることができます。

ですが、ここでわかるのは、甲状腺を基準とした場合、生殖腺は2倍、骨髄や肺などは3倍の影響がある、といった目安くらいであるかもしれません。
甲状腺被ばく等価線量のリスクは、下記サイトでわかりやすく紹介されていました。

カーディス論文の信頼区間と発症予想ラインについて
http://togetter.com/li/304266

1986年4月のチェルノブイリ原発事故後、汚染地域で子供の甲状腺ガンが大幅に増加しました。これを受け、国際ガン研究機関は、ベラルーシとロシア連邦で、子供の時に放射性ヨウ素を被曝したことによる甲状腺ガンのリスクをカーディス論文としてまとめています。
結論は次のような内容です。

子供の時に甲状腺が受けた被曝量と甲状腺ガンには、量に比例する強い関係。
1グレイの被曝で甲状腺ガンは5.5倍から8.4倍。
1.5グレイから2グレイまでは、比例してガンが増加。
ヨード不足の地域では、リスクが3倍。
ヨウ素剤の投与で、リスクは1/3に。

下記のグラフでは、横軸に甲状腺被ばく等価線量、縦軸に人数をとっています。
甲状腺がんを発症させた人、させなかった人全てを含めた全体の人数です。

そのうち、甲状腺がんを発症させた人の人数はこのように。

最も人数の多い、16mSv~199mSv帯の579人のうち、実に76人が甲状腺がんを発症させています。

リスクをグラフにすると、このような曲線を描きます。

※クリックすると拡大します。

この統計は、比較的海藻類などでヨウ素を摂取できているわたしたち日本人にはあてはまるものではないかもしれません。
それでも、最悪の事故が起こってしまった場合、こんな事態が引き起こされる可能性があることを、私たちは知らなければなりません。