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世界で最も危険な水道水が誕生する

2011-03-27 | 震災・原発 | By: sorakuma

3月16日時点での日本の放射性物質許容量は10ベクレルでしたが、このほど、300ベクレルに引き上げられました。(ベクレル=Bq/L換算)

30倍とかなりエキセントリックな数値の設定ですが、一応WHOでの放射能災害時の緊急値…として提唱されている値ではあるようです。

厚生労働省 - 放射能汚染された食品の取り扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e.html

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf

WHO/FHO基準(230ページ)
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

しかし、近代に入って、これと全く同じことを行った国が一つだけあります。ソ連です。

ソ連保健省は,住民の放射線被曝許容基準の新基準値,すなわち従来値の10倍引上げを承認した
こうした基準値は妊婦にまで適用された
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Yr95-J.html

汚染されたミルクを人間が飲み被爆するという負の連鎖が始まっていた。
ソ連は、放射線の基準値を引き上げて検査を行い、汚染食品を売った。
http://www.ntv.co.jp/gyoten/0709gyoten/oa/070620/01.html

今回の日本政府の対応との違いがどこにあるのでしょうか。
そして周知のとおり、(原因は他にあるにせよ)ソ連は崩壊しました。

今回、ウランやプルトニウムの値も設定しているところが非常に気になりますが、この値も、日本政府が勝手に決めた値ではなく、WHOの基準に則った値を使用しているようです。しかし、裏をかえせば、ウランやプルトニウムの基準値を設定せざるを得ない状況になっている=17日以前の段階で、はっきりウランやプルトニウムの流出が判明していたということになります。

政府は、基準値以下であれば健康に影響はなく、基準値以上の水や食料が市場に出回ることはないと言っていますが、その基準そのものの上限が変えられてしまったら、元も子もありません。基準とは何か?安全を守るためのものではないのか?安全を守るためのものでないなら、何のための基準なのか?

フランスで放射能に関する独立調査を行う団体、クリラッド研究所が現状の日本の放射能汚染の危険性について、次のように分析しています。
非常にわかり易い文章で日本語訳されています。

Synthèse du communiqué criirad du 20/03/2011 sur la contamination des aliments au Japon
コミュニケ    2011 年 3 月20 日 9 時
3月20 日(日)に フランスのメディアでも「福島第一原発近辺でとれた農作物に微量の放
射能が検出された」と話題になりました。汚染のレベルは人体に影響のある量ではないと
言っていますが、

Communiqué CRIIRAD contamination radioactive des aliments 20 03 2011 – Traduction 2
クリラッド : 声明文「日本での食品放射能汚染について」2011年3月20日 日本語訳 2

Communiqué du 17 mars :RADIOACTIVITE DE L’AIR : Les quelques résultats enfin disponibles sont très inquiétants !
大気中の放射線物質 入手できうるデータの結果から非常に懸念される状況である!

もうひとつ、統計データとして、ベラルーシの都市、クラスノポーリエの保健局のデータがあります。
http://cnic.jp/files/che20_20060304imfr.pdf

この資料では、当時の放射能測定データが記載されています。

資料46ページを見ると、2004年時点では、水も農作物も基準以下である7.4ベクレル以下となっています。
しかし、53ページの資料を見ると、子供たちの罹患率に明らかな差異が発生しています。

チェルノブイリ発生から4年後には、子供たちの罹患率は1.5倍になり、8年後には4倍、放射能の影響が少なくなった2004年の段階でも子供たちの罹患率は4倍前後を推移しています。
政府のいう、ただちに健康に影響はない、というのはおそらく正しいのでしょう。しかし、放射能の影響を受け易い乳幼児、新陳代謝が活発な子どもほど、放射能の影響を致命的に受けます。

また、今回、国際放射線防護委員会(ICRP)の提案により、一般人の被曝許容量を現在の20倍に引き上げるように日本に提案したそうです。
許容量が上がったので、大丈夫です。という報道が今後も続くのでしょうか。

許容量が上がることで、国民の命は守られるのでしょうか。
この国はどこに向かっているのでしょうか。
誰か教えてください…。

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