『直ちに』とは何だったのか
原発事故が発生してから度々政治家が発言していた、『直ちに』健康に問題はない、という言葉についてですが、どういうことかまとめられていたので紹介。
「直ちには、急性影響がでないという意味で、一時的不妊の発現は、3-9週、造血系の機能低下は、3-7日、皮膚障害や一時的脱毛は、2-3週間であるので、遅くとも9週以内に発症する。よって数ヶ月と考えれば良い。」
この解釈に従うならば、「ただちに」とは、数カ月の期間を想定したものと理解してよさそうだ。
逆に言えば、もし100,000マイクロシーベルトを超える放射線量ならば、わずか2~3カ月以内に影響が出る危険性もあるということだ。「被ばくした放射線量が100,000マイクロシーベルト以下」ならば、というのは、体外被曝を想定しているのだろうか。それとも、体内被曝を、あるいは両方を含めた合計の数値と考えてよいのか。この点については、以下の回答があった。
「放射線量が実効線量であれば、体外被ばくでも体内被ばくでも足し算することが出来る。両方を含めた値である。」
大気、水、土壌、食物。あらゆるものが汚染されているなか、人間だけが汚染されないなどありえません。仮にひとつひとつの『ただちに』が影響が無いレベルだったとしても、大気も、水も、食物も汚染されてしまっては、深刻な被曝に直面するのは時間の問題です。
現在の東京(0.1μSv/h)で1年間過ごすと、876μSv被爆します。
一般人が1年間に浴びても良い基準は1000μSvなので、水や食料からの被曝は、124μSv以下である必要があります。
基準ぎりぎりの300ベクレルで、毎日1リットルの水道水を飲むと2410μSv被爆します。
基準の1/10の30ベクレルで、毎日1リットルの水道水を飲むと241μSv被爆します。
基準の1/20の15ベクレルで、毎日1リットルの水道水を飲むと120μSv被爆します。
水だけでも相当アウトですが、これをギリギリに納める場合、水道水は15ベクレル以下に収める必要があります。
その場合でも、食物で一切の放射性物質をとってしまってはアウトです。
ちなみに、水と食物の汚染レベルが等しい(300ベクレル/Kg)と仮定すると、東京基準(0.1μSv/h)で1年間過ごした場合、およそ5900μSvの被曝となります。これは一般人基準の6倍です。子どもの場合は10倍、乳幼児の場合は100倍危険度が高まるという考えに基づくと、子供は60倍、乳幼児は600倍のリスクがあります。
少なくとも、0.1μSv/hの東京ですら、どう考えても詰んでいます。
明らかな健康被害が出始めたとき、真の混乱、崩壊が始まるのかもしれません…。