あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上)のプチレビュー
『あの花』がいつの間にかに文庫化されていたので、衝動買い。
ストーリーについては、ほぼアニメの筋道をなぞっていく形です。アニメの方では窺い知るのみであったじんたんたちの心理描写が丁寧に描かれます。少年時代、主人公たちが心に負ってしまった古傷、『めんま』という存在から、目を背けずに向き合っていくことで、バラバラになってしまった少年時代の仲間たちに少しずつ影響を与えていく…。
自分の心を閉ざしてしまったじんたんが、『めんま』のために行動をはじめること。『めんま』と触れ合うことで、じんたんたちは少しずつ過去の自分達を思い出し、自分を取り戻していきます。じんたんのもつ責任感や行動力、あなるのじんたんにたいする憧れ。ぽっぽのじんたんに対する信頼と敬意。それから、ねじれてしまったゆきあつのじんたんに対する嫉妬。そして、そんなゆきあつを見つめるつるこの思い。
アニメの完成度や情景描写も素晴らしかったですが、小説として、文章で読み上げると(頭の中ではじんたんやめんまの声で再生される)、主人公たちの心の内が浮かび上がってくるかのようです。
分類的にはライトノベルに属するのかもしれませんが、一般文芸書としても十分通用する内容です。この本を読む対象は、もともとこのアニメを知っている人がほとんどになるかと思いますが、もしこの本から『あの花』を知った人がいれば、ぜひアニメの方も見てもらいたいと思います。下巻が出るのはちょっと先になりそうですが、小説ではどんな結末を迎えるか、今から楽しみです。
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