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原発の止まった海で海水温が低下している?

2012-06-09 | 震災・原発 | By: sorakuma


原発の温排水を利用していた養殖魚が冬を越せなかった、というニュースが報じられていました。

(2012.6.6) 原発温排水利用の養殖魚冬越せず 高浜、運転停止での低水温が要因
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/35074.html

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原発の温排水は通常の海水に比べ、温度が7度前後高い。内浦湾内には高浜原発から出る温排水が拡散する形となるため、地元ではシマアジ、カンパチといった本来は九州や四国が本場の暖海性の魚を1989年ごろから養殖してきた。

高浜原発は、最後まで稼働していた3号機が2月20日に定期検査に入り、全4基が運転停止した。県の調べでは、内浦湾の表面海水温は運転停止後の2月下旬から3月中旬までは9・7~9・9度で推移。過去3年平均の11・8度より約2度低かった。

同原発は昨年12月に2号機が定検入りし、3基全てが運転停止。同課によると、取水が止まって海流がなくなれば、特に夏場には海水中に溶ける酸素が少なくなる恐れがあるという。地元業者は養殖への影響を考慮し、5月のトラフグ稚魚の入荷を見合わせた。
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高浜原発の2月からの停止で、2度の水温の低下。
海水温が低下した…というのは正確ではなく、原発によって暖められていた海水温が『元に戻った』というのが正しいのかもしれません。
ここでは、排熱による温度の変化の他に、海流への影響、それから海水中の酸素への影響が示唆されています。
つまりは、海洋の生態系に少なからぬ影響を与えているということです。

つい先日も、イワシ100トンが漁港に打ち上げられるというニュースがありました。

イワシ100トン、漁港に打ち上げられる
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120605-OYT1T00338.htm
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4日朝、潮が引いた漁港に漁協関係者らが行ってみると、大量のイワシの死骸が打ち上げられ、足の踏み場もない状態になっていた。漁業関係者や市職員らはイワシの死骸をスコップですくい上げて集めたり、重機で運び出したりする作業に追われた。集めた死骸は漁港の敷地内に埋める予定。地元の漁業の女性(60)は「長年漁業をやって来てこんなことは初めて。海で何が起きたのかしら」と不安げな様子で海を見つめた。

同漁協は「はっきりしたことはわからない」としながらも、イワシを捕食するイナダ(ブリの幼魚)が取れ始めていることなどから、天敵に追われて漁港に来た可能性があるとしている。また、今回打ち上げられた中にハゼやカニ、ウナギなども交じっていたことから、大量のイワシが一気に漁港内に入り込み、一時的に酸素が大量に消費されて酸欠状態が引き起こされ、ほかの魚類も影響を受けた可能性があるという。
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海面水温・海流の月概況(北海道周辺・日本東方海域)では、各月毎に、平年より海水温の低い傾向が続いていることが示唆されていますが、統計としてはっきり有意なレベルであるかは判別できません。
※気象については、変動要因が多く、原発の温排水がどの程度の影響をもたらしているかはわかりません。

2011年12月:12月の北海道周辺・日本東方海域の海面水温は、本州東方では平年より低くなりました。
2012年1月:1月の北海道周辺・日本東方海域の海面水温は、本州東方では、平年より低い状態が続いていました。
2012年2月:2月の北海道周辺・日本東方海域の海面水温は、本州東方では平年より低い状態が続いていました。
2012年3月:3月の北海道周辺・日本東方海域の海面水温は、おおむね平年より低い状態でした。
2012年4月:4月の北海道周辺・日本東方海域の海面水温は、おおむね平年より低い状態でした。
※5月次の報告は、6月20日頃公開されるようです。

…原発の温排水の影響について、様々な視点から取り上げられている報告がありました。

「川内原発周辺海域の漁業被害と温排水」
http://www.synapse.ne.jp/peace/onhaisui%20sendaigenpatsu.pdf

この報告では、要点として次のようなことがまとめられています。
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1. 温排水による漁業被害
1) 回遊性魚類の忌避行動(アジ類、バショウカジキ類の漁業不振)
2) 南方系魚類の冬季集中(南方系魚類ギンガメアジ等の集中による生態系かく乱)
3) 温排水で進む磯焼け
2.漁業被害を加速させる「取水口からの温排水の取り込み」
1)高温化した温排水、平均8度、最高10度
2)取水口の海水温は周辺海域より概ね2-3 度高温化
3)「取水口からの温排水の取り込み」を九電自ら準備書で証明
*取水口温度を基準にする九電の温排水1 度上昇範囲は、実態は3 度上昇範囲と読み替えねばならない
4)冬季、南側5-15kmの海水温2度近く高温化
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数年、数十年にわたり、海洋を温め続けている影響はいかばかりでしょうか。
今回もたらされているような影響が一過性のものか、原発の温排水が停止していることによるものか、見極めが必要なのではないでしょうか。
海洋の生態系に与える影響がどの程度のものか、原発が停止している今だからこそ、あらためて着目すべきなのではないでしょうか。

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