福島原発2号機、温度計400度を超えて振り切れる
2号機原子炉温度計「確実に故障」…回路に異常
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120213-OYT1T00878.htm
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東京電力は13日、温度上昇を示していた福島第一原子力発電所2号機の原子炉圧力容器底部の温度計が同日午後の点検後、記録上限の400度を超えて振り切れるなど、異常な数値を示したと発表した。
東電は「ほぼ確実に故障している」とみている。温度計は炉心溶融で高温にさらされた後、湿度の高い環境に置かれていた。
東電は同日午後2時頃から、中央制御室内で温度計の電気回路の点検を実施。回路の電気抵抗が通常より大きく、温度計の指示値が高く出やすいことが判明した。検査直後、回路を元に戻した際には342度を示し、一時振り切れるまで数値が上昇した。
温度計は、2種類の金属を接合したセンサー(熱電対ねつでんつい)で温度を検知する。センサーが熱を受けると電流が流れる仕組みで、回路に異常が生じたために電圧が変化し、極端な値が表示された可能性がある。
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13時30時点での報道では、次のように報じられていました。
福島第一原発2号機、温度計故障の可能性高まる
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120213-OYT1T00236.htm
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東京電力福島第一原子力発電所2号機で13日正午、上昇傾向を示していた圧力容器底部の温度が94・9度に達した。
政府が昨年12月に宣言した「冷温停止状態」は、測定誤差を考慮すると80度以下が条件。12日午後にこれを超えたため、東電は原子炉に注入する冷却水を毎時約3トン増やして計17・4トンにしていた。
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冷温停止の条件、80度を上回る状態となったことを受け、政府や保安院は計器の故障であるとしています。
しかし、温度の上昇は突発的に始まったことではありません。
1月より継続的に上昇し、今月に入り、注水量の増加、再臨界を警戒してのホウ酸水の投入を行なっても上昇傾向は止まらずにいます。
2号機の原子炉温度、再び上昇 福島第1原発
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120212/trd12021212400006-n1.htm
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2号機の圧力容器下部の温度は11日午後5時の時点で69・5度だったが、12日午前5時に75・4度、午前9時に77・1度と上昇。午前11時は74・9度だった。一方、ほかの2つの温度計は35度前後で推移。
東電は11日夜に注水量を毎時約1トン増やしたが温度が下がらないため、12日にも、2号機の原子炉に約1トンのホウ酸を溶かした水を注入したうえで、注水量をさらに同3トン増やす方針。
また、格納容器内の気体を調べたところ、放射性キセノン135は検出されず、東電は「再臨界はない」としている。
同原発の保安規定では、温度計の誤差が最大20度あるとして80度を超えないよう定めている。
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報道では、再臨界を示すキセノンの検出はないとしています。
しかし、Twitterではジャーナリストの田中稔氏がこんな発言をしています。
http://mobile.twitter.com/minorucchu
キセノンが検出されていないのが、微量なため有意な数値ではないのか、それとも深刻な状況を伝えていないのか定かではありません。ですが、温度の上昇に際しての対応、再臨界を防ぐためのホウ酸水、注水の大量投入は、予断を許さぬ状況にあること、そしておそらく政府・東電としては再臨界を防ぐための持ちうる手段を尽くしていることが予想できます。
しかし、1月以降、福島県の定時降下物からセシウムが検出されない日はありません。
温度計の故障。
それだけであれば、定時降下物の放射能量が前日の20倍以上に増加することがあるのでしょうか。
原子炉の熱電対方式の温度計は、故障であれば最高値と最低値が交互に表示されるといいます。
緩やかな温度上昇の計測は果たして温度計の故障でしょうか。
東電は「ほぼ確実に故障している」と発言しています。
それが、私には原発が、ほぼ確実に故障している、というようにしか聞こえないのです。
仮に、400度を超えた部分「だけ」が故障だった場合、こんな温度上昇の継続は、何をもたらすのでしょうか…