英外務省、東京以北からの退避検討を勧告
アメリカに続き、イギリスからも、東京以北(東京を含む)の退避を検討するよう勧告が出ました。
英外務省、東京以北からの退避検討を勧告(日経)2011/3/17 4:20
退避勧告ではないものの、事実上、それに最も準じるものです。
もともとイギリスは昨日まで、日本政府の対応に近い見解を示していました。
Japan nuclear alert at Fukushima – Q&A(BBC) 16 March 2011 Last updated at 17:50 GMT
BCCJ Members Update on Japan’s Nuclear Power station situation(BBC)3月15日
Japan nuclear leak – health risks(BBC)19:57 UK time, Tuesday, 15 March 2011
いままでの見解では、主に次のような見解が述べられているそうです。
- 1つの原子炉がメルトダウンしても、被害が出るのは50キロ圏内。2つ以上の原子炉がメルトダウンしても、被害はあまり変わらない。
- 現在の20キロ圏内の避難勧告は、妥当な判断。
- 専門家は、東京在住者への健康被害の可能性はないと見ている。
- 専門家は、風向き云々ではなく、東京は距離的に離れているから健康には影響ないと見ている。
- 原子炉が冷やされるにつれて、10日程度で状況はかなり改善する。
- 日本の当局から出される情報は、多くの機関から監視されており、現在まで正しい情報を流していると見られている。
- チェルノブイリとはかなり状況が違う。チェルノブイリの時は、原子炉がメルトダウンし、ケースが爆破し、何週間も炎上していた。チェルノブイリの時でさえ、30マイル(50キロ)離れていれば、健康を守るのに十分だった。一番問題となったのは、被災した食料・飲料を食べて病気になったこと。当時、食料の放射線レベルを測定したり、危険を知らせる試みは、全くなかった。
- ブリティッシュスクールの校長は、学校を閉鎖し続けるか質問してきたが、原発を恐れ、閉鎖する必要はないと回答した。
- ヨウ素に関して、専門家は、多量の放射線や被災した食料・飲料を取り込んだ際に限り必要となるもので、長期にわたり、ヨウ素を体内に取り込むのは、どんな場合であっても、不健康。
しかし、今回のイギリス外務省の発表で、事実上記の対応では足りない可能性が高いことが裏付けられたことになります。
もともと、現状のまま推移すれば、原子炉の冷却が成功し、事態が収束に向かうのではないか、というのがイギリスの見解でしたが、悪化に向かう現状から、イギリスも見解を改めています。
日本政府の指示する、退避20キロ、屋内待機30キロは本当に妥当なのでしょうか。