黒澤明の予見した世界
黒澤明の『夢』という作品を記憶している方もいるかもしれません。
『こんな夢をみた』という字幕ではじまり、様々な場面、情景がオムニバス形式で映しだされる映画です。この中の情景のひとつに、今の世界を写しているとしか思えないような世界があります。8話形式のうちの6話目、『赤富士』、です。
こののち、放射能汚染により、人間が鬼と化す『鬼哭』、そして『水車のある村』へと続きます。この映画が描かれた時代は、原子力が未来のエネルギーとして礼賛されていた時代でありました。その頃から、彼はやがて訪れる未来を予見していたのかもしれません…。