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配布されなかったヨウ素剤 どうしても被曝させたかった政府

2011-10-02 | 震災・原発 | By: sorakuma



WSJの日本版の記事で、こんなニュースが報告されていました。

配布されなかった安定ヨウ素剤―福島原発事故後の混乱で

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東京電力福島第1原子力発電所の3月11日の事故による放射線のリスクを最小限に抑えることができた可能性のある錠剤が数千人の地域住民に配布されていなかったことが、政府の関連文書で明らかになった。

『そんなものを飲まなければいけないなんて、殆んど誰も知らなかった。16日に役場に届いたときには、もうみんな避難した後だった』
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安定ヨウ素剤を用意されていたものの、錠剤が必要な数千人の地域住民に配布されなかったというのです。

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国際医療福祉大学クリニック院長で原子力安全委員会の緊急技術助言組織のメンバーである鈴木元氏は、「我々のような専門家にとって、一番防御しなくてはいけないのは、小児甲状腺ガンのリスクだということは明らかだった」と述べた。さらに、「肝心な住民は安定ヨウ素剤を当然飲んでいるはずだと思っていた」と続けた。
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本来配布が必要な13000cpmを超える被曝を受けた住民に配られたのは、安定ヨウ素剤ではなく、ウェットティッシュだったといいます。

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今回の災害前に作成された公式の防災マニュアルによると、1万3000cpm(cpm=1分当たりの放射線計測回数:カウント・パー・ミニット)の水準が示された場合には、シャワーや衣服の着替えなどの除染および安定ヨウ素剤の配布が必要とされていた。

3月14日には福島県はこの基準値を10万cpmに引き上げた。レベルが引き上げられると、1万3000~10万cpmを示した住民には衣服の表面を拭うためにウェットティッシュが配られた。錠剤は与えられなかった。
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ここでも、基準を突然変え、住民の健康・生命を無視した対応を政府は行っているのです。
こういった記事が日本の報道機関から報道されず、海外からの報道によって明らかになることは最早慣例となりました。
震災以降政府が行っているのは、事態が悪化するたびに基準値を引き上げ、適切な対応をとらず国民の健康・生命を蔑ろにすること。それだけです。
暫定基準値と国民を偽り、放射性物質を国中に撒き散らすことが、今の政府の命題であるのは自明です。

安定ヨード剤の配布についてはもうひとつ今でも続くもう一つの欺瞞があります。
イソジンなどのうがい薬の摂取についてです。

放射線医学研究所では、当時から今でも下記のように述べています。

http://www.nirs.go.jp/data/pdf/youso-3.pdf

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ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません
-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意-

平成23 年3 月14 日(月)
独立行政法人 放射線医学総合研究所
放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合の健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。
市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。これらを内服薬である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。
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しかし、それこそが誤りです。

「財団法人 日本中毒情報センター」 の情報によると、平時は飲用すべきではないとありますが、緊急時には、薄めて飲用することにより、ヨード過敏症でなければ問題は起こらないともあります。

http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70024.pdf

副作用: 成分と症状、体内動態の内容より、ヨード過敏症の人以外は問題は起こらない
有効性: 成分、体内動態より、ヨウ素の吸収がある

また、札幌医科大学教授 高田純著『世界の放射線被爆地調査』の記述でも、緊急時の対策として次のように記されています。
『コンブが自宅にない場合、うがい薬のルゴール、ヨードチンキなどを薄めて飲んでもよい。これはヨウ素をアルコールに溶かした液である。市販品には、その濃度が記されているので、空きのペットボトルに移し、アルコールを薄めるためにも飲みやすいくらいに水を加えた希釈液を用意する。』

イソジンに含まれるポピドンヨードはポリビニルピロリドンとヨウ素の複合体ですが、ポドピンヨードはヨウ化物となり、体内に吸収された後、尿として排出、ポリビニルピロリドンは吸収されずに排泄されます。
問題になるのは若干のアルコール分だけで、ヨード過敏症やバセドウ病の人以外にはほとんど副作用は無く、ヨウ素の体内吸収もあったというのです。

これは、医療関係者であれば比較的よく知られていた事実であったといいます。

この時この情報が配布されていれば、放射性ヨウ素で被曝し、数年後に甲状腺がんを発症させるくらいであれば、うがい薬からヨウ素の摂取を行い、放射性ヨウ素による被曝をブロックできた方は大勢いたことでしょう。

政府は国民をどうしても被曝させたかったとしか思えません。
事態を政府がどう過小評価しようが、現地の住民の被曝は小さくはなりません。
取るべき対応を取らず、『ただちに健康に問題ない』としたせいで、どれだけの人々が今後健康被害を発症するか想像もつきません。

今、ストロンチウムやプルトニウムが舞うような福島の一部地域で帰宅制限が解除されようとしています。
『死の街』になったという事実を明らかにすることより、『死の街』を安全、として住民を送り返すことのほうがどれだけ悪魔じみているかわかりません。

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