心筋梗塞を発症した場合の応急処置について
読売新聞で心筋梗塞に関する記事が取り上げられていました。
発覚遅れる女性の心筋梗塞…病院到着に2時間差
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調査は2008~09年に、発症から3日以内に入院した1826人(男性1366人、女性460人)を対象に実施。発症から来院までの時間は、男性が平均7・5時間だったのに対し、女性は同9・4時間だった。女性患者の発症年齢が男性より平均で10歳高く、女性の死亡率(13%)は男性(6・4%)の2倍以上になっていることも判明した。
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読売新聞 10月23日(日)17時45分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111023-00000076-yom-sci
心筋梗塞を発症した場合、まず行うのは119番ですが、それと同時に応急処置が必要となります。
セシウムの内部被曝による心筋梗塞の発生を心配するのは杞憂かもしれません。ですが、こういった事態がいつ発生するかわからないので、知識として応急処置の方法を紹介させて頂きます。
第2回 家族、友人が心筋梗塞を起こしてしまったら?|ドクターズコラム|ハートケア情報委員会
http://heartinfo.jp/column/article/2_1.php
●家族や知人が心筋梗塞を起こした場合の応急処置について、教えてください。
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まず最初することは119番で救急車を呼ぶことです。
次に心肺蘇生を行います。
もし身近に、先ほどお話しした自動体外式除細動器(AED)があれば、それを使って除細動を行います。AEDは、最近では空港やホテルなど公共の施設に整備され始めています。AEDによる除細動後、救急車で病院での治療にたどり着くというのが大きな流れです。
まず居合わせた人は本人に意識があるかの確認をします。
意識がない状態なら、すぐに救急車を呼びます。
次に呼吸と脈の確認をしますが、脈は腕ではほとんど振れなくなっていますので、 頸動脈(首の左右両側にある血管)でとるといいでしょう。
呼吸をしていない場合は、マウス・トゥ・マウスの人工呼吸を2回行います。あごを上げて舌のつけねを開かせ、気道を確保してから行います。
この人工呼吸で息を吹き返すことが結構多いので、この時点で呼吸と脈を再度確認してください。そこで脈が振れていなければ、心臓マッサージをします。心臓マッサージは以下のような手順で行います。
① 患者さんを固い床面の上にあおむけに寝かせます。
② 救助者は、傷病者の片側、胸のあたりに膝をつきます。
③ 胸部の一番下の肋骨を人差指と中指の2本の指で触れます。
④ そのまま2本の指を肋骨の縁に沿って胸の真ん中まで、すべるように移動させます。
⑤ 胸骨の真ん中のヤマ形の頂点のところで指を止め、それに並べるように、片方の手の付け根を置きます。置かれた手の付け根の位置が圧迫する部分になります。
⑥ 両ひじをのばし、脊柱に向かって垂直に体重をかけて、胸骨を3.5~5cm(成人の場合)押し下げます。
⑦ 押し下げたら、手を骨から離さずに、すみやかに力をゆるめます。この動作を1分間に100回の速さのリズムで行います。
心臓マッサージは、相当強くしても問題ありません。現在は心臓マッサージ15回、呼吸2回を交互に行うのが手順となっていますが、回数不足が指摘されていて近い将来心臓マッサージ30回、呼吸2回という手順に変わる動きがあります。
AEDは完全に心臓が止まっている時には、有効ではありません。
そのような時は、まず心臓マッサージで心臓を動かしてから、心室細動に対して除細動を行います。ただ心筋梗塞で倒れた場合はほとんど心室細動の状態ですので、除細動器が有効であることが多いです。
AEDは心臓を挟むように胸の2箇所(左の胸部と右のわき腹)にシールを貼り、スイッチを入れるだけですから、説明書通りに使用すれば、誰にとっても簡単な操作です。装置が自動的に診断・作動し、必要がなければ「摘要ありません」と表示されし、自動的に停止します。ですので、AEDをかけたからといって、リスクになることはありません。
突然の心停止から1分ごとに、生存率は7~10%ずつ減少していくことが報告されています。10分経つと生存の可能性は、ほぼゼロになってしまいます。もし隣にいる人が突然倒れたら、上記の流れにそって応急処置をしながら、救急車を待っていただきたいと思います。
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訓練の上では心肺停止を想定した心臓マッサージを行った経験はありますが、実際に突然心筋梗塞を発症するような事態が起こった時、冷静に対応できるかどうかは正直わかりません。
もしもの時に備えて、頭の中でシミュレートしておくといいかもしれません…。