10mSvごとに3%づつ発ガンリスクが増加する[転載]
Peace Philosophy Centre にて、北海道深川病院の内科医、松崎道幸さんの翻訳・解説による重要論文が紹介されていました。
転載元ページの指定の通り、転載元ページへのリンク及び全文転載、英語論文へのリンクを併記します。
CMAJ/JAMC
Cancer risk related to low-dose ionizing radiation from cardiac imaging in patients after acute myocardial infarction
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3050947/?tool=pubmed
松崎医師:
この資料は、低線量被ばくでも有意にガンのリスクが増加することが示された論文を説明したものです。
ご承知のように、日本政府は20mSvどころか、100mSvの被ばくでもガン(死亡率)を有意に増やすという証拠はないと主張して、被ばく限度を緩和することに何ら問題はないという態度をとってきました。
このモントリオールの学者チームの論文は、急性心筋梗塞で入院した10万人近くの方々が受けたエックス線検査の被ばく量と、その後5年間のガンの新規発病率を解析し、2011年3月にカナダ医師会雑誌に発表されたものです。
添付ファイルのグラフから一目瞭然のように、10mSvの被ばくでガンの発病率が有意に3%増加していました。20,30,40mSvでもそれぞれ6,9,12%有意に増加していました。
100mSv以下の低線量被ばくでガンのリスクが有意に増えることは、様々な疫学調査で証明されてきましたが、この論文も、新たな証拠を付け加えるものと思います。
これまで松崎医師に翻訳・執筆等協力いただいた他の重要記事も併せてご覧ください。
・IPPNW「チェルノブイリ健康被害」新報告と、首相官邸資料「チェルノブイリ事故との比較」との驚くべき相違
・福島とチェルノブイリの原発事故の比較に関する首相官邸ホームページ専門家グループ解説の医学的疑問点