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ECRR リスクモデルから見る10年後のリスクを考える

2011-04-06 | Interested, 震災・原発 | By: sorakuma


ECRRリスクモデルとは、まさに現在の日本の状況のような場合に2010年に発表された、ガンや健康被害のリスクの指針となる指標です。

ECRR リスクモデルと福島からの放射線

例題1:福島産の放射性ミルクへの曝露による線量は低いので、そのミルクを1年間飲んでもCTスキャンの線量と同等であると当局は言う。CTスキャン線量は約10ミリシーベルト(mSv)である。1日に500ミリリットル(ml)飲むと仮定すると、年間摂取量は180リットルなので、1リットル当りの線量は 0.055mSv となる。1リットル当りの ECRR 線量は、最大0.055 x 600 = 33mSvである。したがって、そのような汚染ミルクを1リットル飲むとガンの生涯リスクは0.0033 または 0.33%である。したがって、1000人がそれぞれ1リットルのミルクを飲んむと50年後には3.3件のガンを発症する。
 チェルノブイリ後、スウェーデンやその他の場所の結果から見ると、これらのガンは恐らく曝露10年後に現れるであろう。

例題2:ガイガー計数管により測定された外部線量が、100nSv/h から 500nSv/h に増加した。1週間の曝露でのリスクはどのくらいか? 外部線量は単なる内部線量の印(flag)なので、我々はこれは放射性ヨウ素、放射性セシウム、プルトニウム、ウラン、トリチウムなどの放射性核種から放出される内部 ICRP 線量であると仮定する。したがって、1週間の曝露は、400 x 10-9 x 24 x 7days 又は 6.72 x 10-5 Sv である。600倍すると0.04Sv という ECRR 線量となり、それに0.1をかけると0.4% となる。したがって、この場合には1000人の人がこのレベルで1週間曝露すれば、この曝露で4人がガンを発症するであろう。東京の人口が3,000万人なら(訳注:実際は1,300万人)、今後50年で120,000件のガン発症となる。ICRP リスクモデルで同じ曝露の場合、100件のガン発症が予想される。ここでも曝露10年後にガン発症の増加を見ることになると予想すべきである。これは、前ガン状態ゲノムの早期発現のためである。

このモデルに基づいて試算した場合、従来のモデルと比較して、チェルノブイリ事故による放射性降下物に曝露した北部スウェーデンの集団の事例で、また1960年代の核兵器実験による放射性降下物による北半球諸国におけるガン発症の増加で、正確であることが実証されているそうです。

この例では汚染ミルクですが、さらに、汚染水、汚染された大気、汚染された野菜、汚染された肉、汚染された魚と、あらゆるものが汚染されている状況を考えた場合、リスクはどれだけ跳ね上がるかわかりません。ICRPレベルで、『ただちに健康に問題がない』とされていたとしても、それだけで、有意にガンの発生率が上がるとしたら。

ICRPモデル(旧モデル)での1945年から1989年まで(つまり45年間)の原子力のためにガンで死亡した人数は117万人ですが、ECRRモデルでは6160万人に及ぶとされています。

ICRPモデルにより、『ただちに健康に問題がない』とされていたとしても、ECRRモデルでは明らかな死のリスクを負うことになります。風評被害が叫ばれていますが、安全と言える基準が本当に正しいのか、安易な規制の緩和が何をもたらすかの議論があまりにもなされていないことに懸念を感じます。

さらに悪いことに、原子力安全委員会は、放射線の被曝限度量を1~20mSvまで引き上げようとしています。これは、最新の統計から導きだされたECRRモデルに逆行するものです。

年間の被曝限度量、引き上げを検討 原子力安全委

2004年にこのECRRモデルを翻訳した京都大学のECRR2003翻訳委員会では、次の指針を提唱しています。

ECRR2003報告における新しい低線量被曝評価の考え方

公衆の構成員の被曝限度を0.1 mSv以下に引き下げること。原子力産業労働者の被曝限度を5 mSvに引き下げること。

健康の安全を守るための基準でないとしたら、何のために基準を定めるのでしょうか。今定められている基準は、国の基準が~であるので、対処の必要はない、責任はない、というための規則なのでしょうか…。

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