福島県が除染により伐採した間伐材を積極利用の方針
間伐で森林除染 復興建築資材に活用
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県は平成24年度から、間伐など森林生産活動を通じた森林除染に着手する。国の除染ガイドラインにも盛り込むよう強く働き掛ける。太田議員の質問に鈴木義仁農林水産部長が答えた。
県の計画では、伐採した木を復興建築資材に回し、残材を木質バイオマス燃料に活用する。除染計画を策定する市町村を対象に、県森林整備加速化基金の約30億円や通常の間伐予算などを使って除染する。
現行のガイドラインには、間伐による森林除染は盛り込まれておらず、財政支援の対象外となっている。
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ところが、樹木は既に大量の放射性物質を含んでいる可能性があるのです。
樹木にセシウム浸透 数千ベクレル「基準値必要」 東農大調査
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樹木が吸収した放射性セシウムが徐々に木の内部に移ることが、東京農業大学(東京都)の調査で分かった。同大が採取した福島県南相馬市の木材の内部から1キロ当たり数千ベクレルと比較的高い放射線量が計測された。同県では放射能に汚染された石が使用された建築物が明らかになっている。調査を行った同大の林隆久教授(遺伝子工学)は「木材についても暫定基準値の設定が必要になるだろう」と話している。
東京農大の調査には、近隣に複数の製材工場を抱える相馬地方森林組合が協力した。林教授の調査チームは昨年9月から12月にかけ、同市内などでスギやヒノキなど30本を伐採。木材を年輪ごとに削って放射線量を測定した。
その結果、同市原町区大原で採取したスギ1本から、外樹皮で4万2260ベクレル、平成23年に成長した部分からも5430ベクレルを検出した。木の中心部に近い平成16年分からは930ベクレルだった。
林教授はこれらの結果から、「高濃度のセシウムがたまることも考えられ、(出荷する際の)基準値を作ることや、放置した木材からセシウムが放出されないかを調べる必要がある」としている。林教授はセシウムが樹木内部に入り込む詳しい仕組みについて今後、研究を進めるという。
林野庁によると、木材出荷時の放射線に関する基準値はない。除染を必要とする基準値(10万cpm)を超えた際に表面を拭いたり洗い流すことを勧めている。
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東京農大の調査から、既に福島の木々は高濃度の放射性物質が蓄積する可能性を指摘され、林野庁からも、木材出荷時の放射線の基準値の必要性が認識されているのです。
この福島の間伐材は、どういった用途で使用されるのでしょうか。
平成23年度の間伐材の用途は次のようなものでした。
平成23年度 森林環境交付金事業(重点枠)採択事業一覧
http://www.pref.fukushima.jp/forest_c/shinrinkankyouzei/H23/h23_koufukin_jyuutenwaku.pdf
郡山市:小中学校に県産間伐材を使用した教卓を導入し、環境に対する子供達の意識醸成を図る。
古殿町:平成23年開校予定の小学校に県産材を使用した机を導入し、子供達へ森林整備及び森林資源の重要性に対する意識醸成を図る。
鮫川村:鮫川小学校の音楽室に、県産材を使用したイスを導入し、子供達に森林整備及び森林資源の重要性に対する意識醸成を図る。
…そのうちの用途のいくつかは、子供たちが利用する机やイスに利用されています。
また、南相馬市をはじめとするいくつかの地域では、ペレットストーブを設置や、木質バイオマスの普及に使用されていました。
子どもたちや、そこに住む人々のためを思って作られたものが、放射能で汚染されているということがなければいいのですが…。