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甲状腺被曝87ミリシーベルトの意味を考える

2012-03-10 | 震災・原発 | By: sorakuma


甲状腺被ばく87ミリシーベルトも

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東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、青森県の弘前大学の調査チームが福島県内の住民65人の甲状腺を調べたところ、およそ80%の人から放射性ヨウ素が検出され、甲状腺への被ばく量は最も多い人で87ミリシーベルトだったことが分かりました。

弘前大学被ばく医療総合研究所の調査チームは、去年4月、福島県浪江町の住民や、福島県浜通りから福島市に避難していた、合わせて65人を対象に甲状腺の検査を行いました。 その結果、およそ80%に当たる50人から放射性ヨウ素が検出されたということです。 そして、事故直後の3月12日に放射性ヨウ素を吸い込んだと仮定して、甲状腺への被ばく量を計算したところ、5人が、健康への影響を考慮し予防策をとる必要があるとされる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えていたということです。 甲状腺への被ばく量が最も多かったのは、原発事故のあとも浪江町津島地区で2週間以上生活していた成人で、87ミリシーベルトでした。 一方、住民のおよそ半数は10ミリシーベルト以下でした。 調査チームでは、今後、検査を行った住民に対し結果を報告することにしています。 今回の結果について、調査チームの床次眞司教授は「事故の規模からすると住民の被ばくの程度は低いと言えるが、潜在的なリスクを抱えた住民もいると考えられるので、今後も継続的な健康調査を確実に行う必要がある」と話しています。
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87ミリシーベルト、というと多くの人が驚かれる数値となると思います。
この87ミリシーベルトという数値は甲状腺被曝の等価線量を意味しています。一般に使用されている線量とは実効線量であり、意味合いが大きく異なります。

等価線量と実効線量の違いについては、こちらに詳しく記載されていました。

「内部被ばく量」「実効線量」「等価線量」という用語の関係を整理してみた。

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2.等価線量および実効線量とは

内部被ばく量には

a 等価線量=人体組織への影響を表す量
b 実効線量=全身の健康影響を評価するための量*5

という2種類の値があり*2,3、
それらの関係は次のように定義される*3。

『生殖腺における a 等価線量』 x 0.2
+ 『骨髄における a 等価線量』 x 0.12
+ 『胃における a 等価線量』 x 0.12
+ 『肺における a 等価線量』 x 0.12
+ 『結腸における a 等価線量』 x 0.12
+ 『膀胱における a 等価線量』 x 0.05
+ 『乳房における a 等価線量』 x 0.05
+ 『肝臓における a 等価線量』 x 0.05
+ 『食道における a 等価線量』 x 0.05
+ 『甲状腺における a 等価線量』 x 0.05
+ 『皮膚における a 等価線量』 x 0.01
+ 『骨表面における a 等価線量』 x 0.01
+ 『残りの組織における a 等価線量』 x 0.05

= 『b 実効線量』
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等価線量87ミリシーベルトとは、甲状腺等価線量87ミリシーベルト×0.05実効線量4.35ミリシーベルトを意味していることになります。

今回の87ミリシーベルトの対象は成人であったといいます。もしこれが1歳児であったらどうだったでしょうか?
一歳児の甲状腺等価線量 100mSv に相当するのは 実効線量 0.2μSv/h であるとされています。
小児甲状腺被ばく調査結果に対する評価について

…成人で甲状腺等価線量87ミリシーベルトだったということは、1歳児はおそらくはいなかったのでしょう。もしその場に1歳児がいた場合、数Svレベルの甲状腺被曝をしていた可能性さえあります。

甲状腺への等価線量が50ミリシーベルトを超えると、健康への影響があると言われています。

そして、福島の子供たちは確実に放射能の影響を受けていることが懸念されています。
1月時点で検査を行った福島の子どもたちの30%に、何らかの変化が起こっていることが報じられています。

2012年1月26日 福島県の子どもたちの甲状腺調査結果
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福島県は25日、東京電力福島第一原発事故に関連して、昨年10月から18歳以下の全県民約36万人(県外避難者含む)を対象に行っている甲状腺超音波検査のうち、原発周辺の子どもたちを対象とした先行検査の結果を公表した。検査した3765人のうち1143人に小さな結節(しこり)や「のう胞」があったが、通常の検査でもよく見られる所見であり、想定される有所見率を超えるものではないことから、「現時点では原発事故の影響は考えにくい」としている。

先行検査は計画的避難区域に指定されている南相馬市、川俣町山木屋地区、浪江町、飯館村の1万4442人を対象に行い、このうち福島県立医科大学で検査した3町村3765人の結果について今回分析した。その結果、(1)結節やのう胞が認められなかった人は2622人(69.6%)(2)5.0mm以下の結節か20.0mm以下ののう胞が認められた人は1117人(29.7%:結節56人、のう胞1086人)(3)5.1mm以上の結節や20.1mm以上ののう胞が認められた人は26人(0.7%:結節26人、のう胞0人)、(4)甲状腺の状態などから判断して、直ちに2次検査の必要な人はいなかった。

(2)については、通常でもそれなりに多く認められる良性所見とされ、こうした小結節や小のう胞は治療対象とならずに経過観察とされる。超音波検査のみの診断で十分であり、追加検査は必要ないという。(3)の26人は2次検査の必要があるが、大部分は良性の結節であることが予想され、以前から存在していた可能性が高いという。

甲状腺がんは進行が比較的ゆっくりだ。福島県は現状把握のための今回の先行検査を、さらに全県に広げて2014年3月まで行う。その後は本格調査として対象者全員が20歳になるまでは2年ごとに行い、20歳をすぎたら5年ごとに調査を継続する予定だ。
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一方で、以前子供たちの甲状腺等価線量は、35ミリシーベルトが最高だった、という検査結果が報じられました。

甲状腺被曝、最高35ミリシーベルト いわきの子ども

この記事で最も懸念されるのは、検査が行われたのは3月下旬であった、というところにあります。
仮に、検査が3月28日に行われたとしましょう。そして、子供たちが3月12日に被曝したと仮定します。
ヨウ素(I-131)の半減期は8日間、つまり、すでに子供たちから計測される放射線量は1/4になっているのです。

検査が3月28日時点の甲状腺線量からの算出であった場合、この4倍の数値が実際の子供たちの甲状腺等価線量である可能性があります。
※真偽の程はわかりませんが、子供たちの甲状腺等価線量の数値を低くするために、事故直後に検査を行わなかった、という説も囁かれています。

子どもたちの未来を損なうことが無いよう、私たちは行動しなければなりません。

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