福島沖に世界初の浮体式洋上風力発電所が建設予定
昨年9月、政府の復興支援の目玉政策の一つとして取り上げられていた、福島沖の洋上風力発電の内容がまとまって来ました。
福島沖に世界初の浮体式洋上風力発電所
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丸紅を統括社とする11の企業・大学合同チームが、福島県沖20~40キロの海上に総出力1万6000キロワットの浮体式風力発電基地を建設することになった。
経済産業省の委託事業として実施するもので、今年度中にスタートする第1期実証研究事業として出力2000キロワットのダウンウインド型風力発電設備1基と、浮体式サブステーション、海底ケーブルを設置する。さらに2013-15年度の第2期実証研究事業では、出力7000キロワットの大型油圧式風力発電設備を2基(1基はダウンウインド型になる可能性も)建設する。
浮体式洋上風力発電基地は世界でも例がない。東日本大震災で大きな被害を受けた福島県で新たな産業の集積・雇用の創出を目指すだけでなく、漁業と共存できる浮体式洋上風力発電設備を主要な輸出産業に育成したいと、事業に参加する企業・大学は意欲を示している。
実証研究事業に参加する企業、大学は次の通り: 丸紅、東京大学、三菱商事、三菱重工業、アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド、三井造船、新日本製鉄、日立製作所、古河電気工業、清水建設、みずほ情報総研。
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9月時計画の3万キロワットからは減少しているものの、福島県での新たな産業の集積と雇用の創出、そして漁業と共存できる浮体式洋上風力発電設備の実証実験としても期待が持てるものとなっています。
この浮体式洋上風力発電は世界初の技術としての導入とのことですが、風力発電全体の規模としての世界の中での日本の位置づけはどうでしょうか。
世界の風力発電量、2.38億KWに
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世界の風力発電の総容量は昨年末時点で2億3800万キロワットに達し、10年間で10倍になったことが分かった。
世界風力エネルギー会議(Global Wind Energy Council:GWEC)が公開したリポート「Global Wind Statistics 2011」によると、世界の風力発電の設備容量は昨年1年間だけで約21%(4123万6000キロワット)増加した。2001年末の時点では2390万キロワットの総容量だった。
世界一の風力発電大国は中国で、昨年だけで1800万キロワットを新規増量し、総容量は6273万キロワットとなった。総容量の2位は米国の4691万キロワット、3位はドイツの2991万キロワット。日本は約16万キロワット増の250万キロワットで13位にとどまった。
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中国はエネルギー分野においても非常に関心が高く、風力発電で昨年1800万キロワットの設備を追加しているといいます。
一方、日本はわずか16万キロワット増のトータル250万キロワット。中国の増加分の1パーセントにも足りていません。
日本が本気になって投資すれば、北海道日本海岸だけで原発26基分となる2600万キロワットのポテンシャルを秘めているといいます。
もちろんそのためには送電網の整備と、発送電分離、国の補助が必須となるのですが、少なくとも風力発電そのものに国のエネルギー政策に大きく貢献できるための潜在能力があるのです。さらにそれは地元の産業を活性化させ、雇用の創出にも繋がるでしょう。
日本の高い技術は素晴らしく、いくつかの分野で世界トップレベルといっても過言ではありません。
しかし、旧産業の既得権益の縛りや、それに伴う法整備の遅れ、最新技術に対する政府の理解のなさが、技術の足を止めてしまっているように思います。
そのためには何をすればよいでしょうか?
私たち自身が、こうした問題、課題について興味関心を持ち、そういった活動を行う政治家を支援していくことが方法の一つにあると思います。
発送電分離のために働きかけを行なっている政治家は誰か?あるいは、発送電分離を妨害している政治家は誰か?
エネルギー政策に対しての取り組みを積極的に行なっている政治家は誰か?あるいは、原子力推進を固持している政治家は誰か?
投票した政治家が、自分たちの思いとは全く反対の政策を行った…などということの無いよう、少なくとも自分の選挙区の政治家の政策くらいは把握しておく。
それはある意味、選挙権を持つ私たちの義務であるといえるのかもしれません。そうした個人一人ひとりの理解が今の世の中を変える第一歩になるかもしれません。
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Comments
Comment from sorakuma
Time 2012年3月14日 at 9:29 AM
厳しいコメントありがとうございます。
しかし、そういった問題に気づき、問題提起や運動として行動するには、まずは誰がどんな意図で、どんな発言をしているか知る必要があると思っています。
発送電分離を妨げようとしているのは誰か?
遺伝子組換え食品(今もちょうど認可されようとしていますが)を進めようとしているのは誰か?
洋上風力発電が世界的な異常気象の原因の一端…というのも、誰がどんな意図で発言しているのか?可能性としては、洋上風力発電を推し進められると損害を被る別の産業が仕掛けたものかもしれません。
原子力産業のように、一度導入され、国の方針が打ち出されたものでも、異議を唱える事で方向性を変えられるものもあると思います。
個人としても、既得権益の支配を受け入れてしまう前に、できることがあるのではないか、と考えています…。夢を見過ぎwと笑われてしまいそうですが…。
Comment from 匿名
Time 2012年3月14日 at 7:17 AM
選挙なんて意味ないでしょw
どうせ出所が同じなサクラしかいないんだからw
帝王ファミリー独裁隠蔽の建前w
竪穴式住居に還るのが一番w
どうせ科学の成果はここに列挙した帝王のフロント機関(商社)の連中が独り占めして私物化、そして、悪用するのが目に見えているわけだしw
すでにそれは食品業界において顕著w
ゲノム解析なんてやば過ぎる、安心して子孫を残せなくなるねw
ちなみに、ヨーロッパでは海上風力発電が世界的な異常気象の原因であるとも言われている
バイオマスなんて何よ?あんなもん、普通に口に放り込めば、エネルギー取り出せるっしょw
というわけで、個々人が自然界の恵みを必要なだけ引き出す、そういう社会の構築が万民、万物、地球を幸せにする、ってことでw