福島の子供たちに突きつけられた 健康管理調査という名の『被曝』管理調査
先日、NGOの調査により福島の子供たち130人のうち、10人に、甲状腺の影響が見られた、というエントリを記載しました。
その子供たちに送られているのは、健康管理調査という名目で実施されている、『被曝』管理調査です。
福島県のホームページに掲載されている『問診票』をご確認下さい。
福島県 県民健康管理調査について
「問診票(見本)」(PDF:769KB)
そこに記載するよう設定されている項目は、一日のうち何時間外に出ていたか、自家栽培の食品をどれだけ食べたか、牛乳をどれだけ飲んだか、そういった内容です。
これは言い換えれば、外部放射線をどれだけ浴びたか、内部被曝をどれだけしていたか、そのための調査です。
その背景には、山下教授の『実験』があると報じているメディアもあります。
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「200万人の福島県民すべてが被験者です。科学界に記録を打ち立てる大事業になるでしょう」
原発事故後「放射線の影響は、ニコニコ笑っている人には来ません。クヨクヨしている人に来ます」
と発言し大顰蹙を買った、「ミスター大丈夫」こと山下俊一・長崎大教授。
現在、福島県立医科大学の副学長を兼務し、全県民の健康調査を取りまとめる彼が、
発行部数100万部を誇るドイツの週刊誌『デア・シュピーゲル』8月15日号で、
冒頭のような仰天発言をまたしても連発している。
「逃げるか残るか、決めるのはその人自身です」
「福島の子供たち36万人の甲状腺を調べる。チェルノブイリの調査では、
被曝から発がんまで5年かかることがわかった」(同誌)
これまで「福島の放射線量は全く心配ない」「子供たちも外でどんどん遊んでいい」
と安心・安全を主張してきたのが一転、「福島はチェルノブイリのようになる」と言わんばかりだ。
過去の講演会では「年間100ミリシーベルトまで安全」という持論を展開してきたが、
最近は「100ミリシーベルト以下は何とも言えない」に変わっている。
本誌が真意を尋ねても「調査は低線量被曝の被害を調べるためではなく、
県民の健康管理のため」と、教授の答えは当を得ない。
その山下教授が1日、がん征圧の功労者に贈られる「朝日がん大賞」を受賞したから驚きだ。
賞を運営する日本対がん協会は「放射線医療の中心として、成果を世界に発信することが期待された」と称賛するが、
「本当に山下教授でいいのか」と訝る声も多い。
科学界に記録を打ち立てるために、福島県民は被曝したのではない。
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/19050
http://www.spiegel.de/spiegel/print/d-79974035.html
NGOの調査で、130人中のうち10人が甲状腺に影響が確認されたことが明らかになりました。
福島の36万人の子供たちが同じ割合に影響が出ているとすると、27000人以上もの子供たちに影響が出ている可能性があるのです。
山下教授を、『Murderer Yamashita Shunichi』として報道しているメディアもあります。
福島の子供たちの健康、生命、あるいは未来は、彼の『研究』のためのものではありません…。
子供たちに必要なのは、線量計ではなく、放射能の影響の薄い地域への移住と、放射性物質を含まない食事だけのはずです。
たった半年間での影響が、既に福島の子どもたちの7%に影響しているなら、5年先、10年先にはどれだけの子供たちが、あるいは福島を超えてどこまでの範囲で影響が発生するのか、今は見当もつきません。
安全を主張する山下教授の家族は九州にいるといいます。それが、あるいは山下教授の答えなのかもしれません。