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甲状腺被ばくにおける影響を考える

2012-06-27 | 震災・原発 | By: sorakuma

大飯原発で、もし事故がおこってしまったら。
そんな情報がGreenpeaceのサイトで公開されていました。

初公開、大飯原発事故で、京都観光地も汚染の可能性
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/40637/

京都府の大部分が汚染される可能性が示されています。
そのときの地域別の被ばく線量は、下記の表でまとめられています。

甲状腺被ばく等価線量で最大500mSv。大部分は100mSv以上。
500mSvというと途方も無い数値なのですが、甲状腺被ばく等価線量とはどんな評価なのでしょうか?

甲状腺被ばく等価線量は、係数(0.04)をかけることによって、全身での被ばく線量(実効線量)に置き換えることができます。

ですが、ここでわかるのは、甲状腺を基準とした場合、生殖腺は2倍、骨髄や肺などは3倍の影響がある、といった目安くらいであるかもしれません。
甲状腺被ばく等価線量のリスクは、下記サイトでわかりやすく紹介されていました。

カーディス論文の信頼区間と発症予想ラインについて
http://togetter.com/li/304266

1986年4月のチェルノブイリ原発事故後、汚染地域で子供の甲状腺ガンが大幅に増加しました。これを受け、国際ガン研究機関は、ベラルーシとロシア連邦で、子供の時に放射性ヨウ素を被曝したことによる甲状腺ガンのリスクをカーディス論文としてまとめています。
結論は次のような内容です。

子供の時に甲状腺が受けた被曝量と甲状腺ガンには、量に比例する強い関係。
1グレイの被曝で甲状腺ガンは5.5倍から8.4倍。
1.5グレイから2グレイまでは、比例してガンが増加。
ヨード不足の地域では、リスクが3倍。
ヨウ素剤の投与で、リスクは1/3に。

下記のグラフでは、横軸に甲状腺被ばく等価線量、縦軸に人数をとっています。
甲状腺がんを発症させた人、させなかった人全てを含めた全体の人数です。

そのうち、甲状腺がんを発症させた人の人数はこのように。

最も人数の多い、16mSv~199mSv帯の579人のうち、実に76人が甲状腺がんを発症させています。

リスクをグラフにすると、このような曲線を描きます。

※クリックすると拡大します。

この統計は、比較的海藻類などでヨウ素を摂取できているわたしたち日本人にはあてはまるものではないかもしれません。
それでも、最悪の事故が起こってしまった場合、こんな事態が引き起こされる可能性があることを、私たちは知らなければなりません。

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