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そらくま。

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放射線被曝の影響は、ガンや白血病だけではない

2012-06-13 | 震災・原発 | By: sorakuma

すでに感覚が麻痺してしまっているかもしれません。

10万ベクレル、20万ベクレルという数値は、『チェルノブイリ』や、『ベラルーシ』といった地域と同レベルの水準にあるのです。
国民皆汚染とでも言うような放射能汚染拡大政策はいまだ継続されていますが、放射能は何年もかけて、私たち、あるいは子どもたちの体や遺伝子を蝕んでいきます。

生活地や飲食物の汚染に気を遣うのは勿論のことですが、子ども達の体調、身体の些細な変化も見落とさぬよう目を配りましょう。
子どもを守る最優先の対策は、「早く汚染された地域から非難すること」。それだけであることを忘れずにおきましょう。

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松井氏は「食品や呼吸による内部被ばくが恐ろしいのは、時を経て疾患が出てくる『晩発障害』の危険性が高いこと。チェルノブイリでは白血病や小児甲状腺がんの増加が知られているが、たくさんの症例が報告されている」と警鐘を鳴らす。

 児童らが通学する7つの小中学校周辺の測定地点19ヵ所では、土壌中の放射性セシウム137(半減期30年)の平均値が1平方メートル当たり18万9800ベクレル。このうちチェルノブイリ管理基準で「移住権利地域」となるのが9ヵ所もある。

 松井氏は、ほぼ同程度に汚染されたベラルーシの地域での健康被害の事例を紹介。「事故から数年後、目の水晶体の混濁や白内障、糖尿病と診断される子どもが増えた。先天的な障害を背負って生まれてくるケースも倍になった」

 福島では健康被害を避けるために除染が進められているが「安全管理が不十分な現状の除染作業では、かえって住民の健康被害を広げてしまいかねない。放射性物質がなくなるわけではなく、『移染』しているにすぎない」と注意を促した。

 そして子どもを守る最優先の対策について、「早く汚染された地域から非難すること」と続ける。

 「幼稚園や保育園、小中学校が集団疎開できる権利を国や自治体が保障することしかない。健康被害が出たときにはもう遅い。子どもたちが安心して暮らし、勉強できる環境を整えるべきだ」
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チェルノブイリでは水晶体混濁や白内障、糖尿病・・・ 子ども保護 最優先に
http://yokohama-konan.info/cherno2.html

福島原発から海洋に放出されたセシウムは20~30年で日本沿岸に戻る

2012-06-13 | 震災・原発 | By: sorakuma

過去の大気圏内核実験で放出されたセシウム。
しかし、海洋に流出した放射性セシウムは、2000年から2010年にかけても検出され続けています。

海洋に流れて、それで終わり、ではないということです…。
海洋に放出された放射性セシウムは3500兆ベクレル。30年かけて1750兆ベクレル、60年かけて875兆ベクレル…。
それはどれだけの影響をあたえるのでしょうか。

そして、おそらくある程度以下には『ならない』のでしょう。
この報告は、『そういうこと』を意味しているのです。

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大気圏内核実験以降も検出され続けるセシウム

核爆発で成層圏に上った後ジェット気流などに乗り、日本列島の太平洋側とアメリカ東海岸に最も多く降下し、中国が最後に大気圏内核実験を実施した1980年以降は、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故を除き、新たに発生する原因はありません。

ところが、海水を採取したところ2000年から2010年にかけて、日本列島の近くでは、黒潮に沿った深さ約400メートルの海中で海水1立方メートル当たり2.0~2.5ベクレルのセシウム137が検出され続けました。

過去の核実験で日本列島の太平洋側に降下したセシウム137は海中に沈み、太平洋を東に移動します。途中で西に方向を変えた後、フィリピン沖で折り返し赤道に沿って東方向に進んでいるのですが、この折り返し地点で一部が黒潮に乗っていることが判明したのです。

福島原発のセシウム137は20~30年で太平洋を循環し日本沿岸に戻ってくる

気象研究所は、福島原発事故で大気中に放出された放射性セシウムは、3万~4万テラベクレル(テラは1兆)に上ると2月29日時点で試算。大気中に放出されたセシウムは10日間で地球一周し4月までに海に7~8割、陸に2~3割降下。これまでに福島原発事故で海に流出されたセシウム137は、黒潮に乗って東へ拡散した後、北太平洋を時計回りに循環し、20~30年かけて日本沿岸に戻ると気象研究所は予測しています。

海に直接出たセシウム137は、5月末までに3,500テラベクレル(テラは1兆)と試算し、ほかに大気中へ放出された後に海に落ちた量が1万2,000~1万5,000テラベクレル程度あるとみており、総量は1万5,500~1万8,500テラベクレルで、過去の核実験で北太平洋に残留している量の十数%に当たります。

気象研究所は、核実験後に検出された放射性物質のデータなどを基に、今回の事故で出たセシウム137の海洋での拡散状況を分析しました。福島県沖から北太平洋へ水深200メートル以下の比較的浅い部分で東へ流れ、日付変更線の東側から南西方向に水深400メートルで運ばれることになります。フィリピン付近から一部は黒潮に乗って北上し日本沿岸に戻ります。

フィリピン付近からはインドネシアを通過してインド洋、さらに40年後には大西洋に到達する流れのほか、赤道に沿って東に進み太平洋の東端で赤道を越えた後、赤道南側で西向きに流れるルートもあります。

海への流出量は、東京電力が作業用の穴の割れ目などから約1,000テラベクレルが出たと当初発表していましたが、海水で検出された濃度などから流出量を試算したところ、東電発表の3倍以上となっています。

福島原発事故で放出されたセシウム137の全体像を把握するには、太平洋全域での高精度の測定が必要になっているのです。

気象研究所の研究者らは東海村臨界事故のときに、当時放射線医学総合研究所にいた木村真三氏と共同で放射能汚染調査を実施しています。その木村真三氏は、NHKETV特集取材班著『ホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図』(講談社)の中で次のように語っています。

「本来は住民のためにあるはずの汚染地図が、政府や行政の都合で見捨てられることがあってはならないのです」
「マクロの調査、ミクロの調査にはそれぞれ異なる意味があり、住民の対応が異なるのです。そしてそれを住民にきちんと提示することこそが、住民を放射能汚染から守ることになります。それが、国への信頼へとつながっていくのです」
「この国で起きていることは、国や行政だけが悪いのではなく、研究者が政府の言いなりになることを条件に論文として発表することで、自己の地位や名誉を研究業績という形で評価されるシステムに甘んじていることが問題なんです。研究者である前に人としてあるべき姿を見誤ってきたシステムを金科玉条とする習わしが招いた人災なんです。あまりにも愚かな行為です。多くの研究者がその過ちにすら気づいていないか、気づいていても、その呪縛を自己の意志で断ち切ることができないでいるのが問題なんです」
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福島原発から海洋に放出されたセシウムは20~30年で日本沿岸に戻る-放射能汚染は長期観測が不可欠
http://ameblo.jp/kokkoippan/theme2-10035721463.html#main

関電労組「署名撤回しろ」 原発再稼働で民主党議員を脅す

2012-06-12 | 震災・原発 | By: sorakuma


関西電力の労働組合「大飯原発再稼働問題で政府に慎重な判断を求める署名」に名を連ねた民主党議員に対して「署名を撤回するように」と求め「さもなくば次の選挙は推薦しない」と脅していたことがわかった。

中川おさむ衆院議員(大阪18区)が今夕開かれた、「脱原発」院内集会で明らかにした。再稼働をめぐる労働組合からの圧力は、一部週刊誌などで報じられていたが、超党派の国会議員も含めて約200人もが集まった場所で公にされるのは初めて。

中川議員によれば、関電労組から11日、同議員の地元事務所に問合わせの電話があった。中川氏は地元秘書を関電労組に説明に行かせ「信念で行ったことなので署名は撤回しない」と答えた。すると関電労組から「次の選挙は推薦しない」と通告されたという。

同じく署名した辻恵議員(大阪17区)もこの日の院内集会で「私も(関電労組から)応援しないと言われています」と明かした。

中川氏は「(脅されて)署名を撤回した議員がいる」と筆者に語った。同氏は「民主党の議員で同様に脅された議員は他に何人もいる」とぶちまけた。

関電労組「署名撤回しろ」 原発再稼働で民主党議員を脅す(6/16 田中龍作ジャーナル)
http://tanakaryusaku.jp/2012/06/0004475

ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図(6)川で何がおきているのか」

2012-06-11 | 震災・原発 | By: sorakuma


ETV特集
2012年6月10日(日) 夜10時
2012年6月17日(日) 午前0時50分 再放送
ネットワークでつくる放射能汚染地図6
川で何がおきているのか
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0610.html

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福島第一原発事故により、大気中にはおよそ90京ベクレルという、大量の放射性物質が放出された。原発事故から1年あまりたった今、事故直後には汚染がみられなかった場所で次々に新たな汚染スポットが見つかり、汚染地図の更新が必要になっている。その原因と考えられているのが、水による放射性物質の移動である。河川を介して放射性物質はどのように広がっているのか。
番組では川が放射性物質を拡散するメカニズムを明らかにするため、福島県を水源とする阿武隈川、阿賀野川という二つの一級河川の上流から下流まで400か所以上で専門家とともに独自の調査を行った。

福島県中通り地方を縦断し宮城県沖に流れ出る阿武隈川。文部科学省の報告書によると阿武隈川には一日当たり1700億ベクレルの放射性物質が阿武隈川を移動している。私たちの調査では水そのものからはほとんど汚染は検出されなかった。しかし、川底の土からは場所によっては6万ベクレルを超える高濃度の汚染が検出された。

一方、福島県から新潟県へ流れ日本海に注ぐ阿賀野川の河口付近でも川底の土から汚染が見つかった。ここでもやはり川底の粘土鉱物が放射性セシウムと強く結合し、汚染の原因となっていた。阿賀野川の上流にあたる会津地方は、事故直後に原発周辺の住民が避難するほど汚染が低い場所だったはずだ。調査の結果、阿賀野川の支流の放射性物質の量が、雪解けを挟んで大きく跳ね上がっていた。これが粘土鉱物と結合し、はるか遠くの日本海側まで移動する実態が浮かび上がってきた。

番組では、去年の11月から半年間の独自調査を元に「水」によって集められ、「川」という道で予想外に遠くまで移動し、溜まり、汚染を拡大させる放射性物質の実態と、その動きに翻弄される流域住民の苦悩を伝える。

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番組の最後に表示された、阿武隈川の汚染の状況です。凄まじい汚染レベルであることがわかります。

環境省が先日公開した、福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果についてでも、数値として汚染状況を知ることができます。
http://www.env.go.jp/jishin/monitoring/result_pw111116.pdf


河川の水そのものからは、放射性物質はNDとなっています。
しかし、河川の泥はそうではありません。
阿武隈川川底の土、本流から2050Bq/kg、支流から1840Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
阿武隈川下流域にある天然アユの漁場では、去年6月アユから227Bq/kg、今年のヤマメから100Bq/kgを超える放射性セシウムを検出されています。


阿武隈川の上流を遡って行くと、顕著に放射性物質が集まっていることが分かります。
水からはほとんどNDです。しかし、川べり、川底からは、数千、数万ベクレル(Bq/kg)といったレベルで放射性物質は検出されています。


新潟県を流れる阿賀野川の汚染でも、8000ベクレルを超える汚染が見つかっています。


福島第一原発に近い阿武隈川は、大量の放射性物質を太平洋に運んでいます。その量は1日あたりおよそ1,700億ベクレル。
阿武隈川に向かう支流の合流点の放射性セシウムの値が高くなっています。都市部の放射性セシウムが集まり、どんどん濃縮されていったからです。


除染活動で、確かに一時的に線量は下がったのでしょう。
しかし、それはあくまで一時的な話です。川の水が、上流から放射性物質を下流に流し続けています。


荒池の土壌放射線量は流れに沿って、池の入口167,100Bq/kg、中央部231,700Bq/kg、出口161600Bq/kgと推移しています。
先日の葛飾区の11万ベクレルを遥かに超える汚染レベル、そして『量』がそこに堆積しています。


福島県渡利地区の排水路は30μSv/h超。34時間で年間の被曝量1mSvを超えるレベルです。
黒い土壌を採取し測定した結果、430,000Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。


東京大学根本氏が水だけで稲の栽培実験では、1Bq/Lの水で稲を栽培すると、稲には590Bq/kgの放射性セシウムが吸収し濃縮することがわかりました。10Bq/Lでは、5700Bq/kgです。


半年間の調査結果、川の水が放射性物質を下流に運び続けていると言うことがわかりました。
福島第一原発事故はまだ何も終わっていません。


次回の放送は、17日、核燃料サイクル迷走の軌跡です。

今回の報道では、河川の水からの放射性物質はほとんどNDとなっていました。
しかし、上流から運ばれる、川べり、川底の泥には、濃縮された放射性物質が集まっています。
その水で生活する私たち、農作物、沢山の生物たちへの影響はいかばかりでしょうか。

もうひとつ気になることがあります。
水源の汚染についてです。

先日、利根川水系でホルムアルデヒド系物質の汚染が見つかり、一時的に断水する事件がありました。
それは本当に汚染物質によるものだったのでしょうか?

ホルムアルデヒド事件、壮大な「国家隠蔽プロジェクト」があった!

推測を元にしたもので、はっきりとした証跡が示されているわけではありませんが…。
1.仮に水の源泉付近の汚染の状況が致命的な汚染レベルだったとして、
2.汚泥と水が撹拌される状態になった場合、
3.一時的に、河川の水の放射性物質の汚染が危険なレベルに達することがあるかについて。

特に、水源付近に汚染物質を埋め立てていることを、以前紹介させて頂きました。
千葉の水源が汚染の危機

その時の千葉県の判断が、仮にこうした状況を生んだのだとしたら、それはとても皮肉なことです…。

原発がどんなものであるか知ってほしい より

2012-06-10 | 震災・原発 | By: sorakuma

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なぜ、原発は廃炉や解体ができないのでしょうか。それは、原発は水と蒸気で運転されているものなので、運転を止めてそのままに放置しておくと、すぐサビが来てボロボロになって、穴が開いて放射能が漏れてくるからです。原発は核燃料を入れて一回でも運転すると、放射能だらけになって、止めたままにしておくことも、廃炉、解体することもできないものになってしまうのです。

原発がどんなものであるか知って欲しい より
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いまから50年後の日本を想像してみよう!

東京電力福島第一原発の何が問題だったのか

2012-06-10 | 震災・原発 | By: sorakuma

これらの問題は、大飯原発を再稼働させるにあたり解決しているのでしょうか?
少し古い記事ですが、改めて紹介します。

東京電力福島第一原発の何が問題だったのか 検証その2 橋本努
http://synodos.livedoor.biz/archives/1761492.html

福島第一原発の問題
(1)1978年に臨界事故を起こしていた。
(2)大丈夫とされた震度4にも耐えられなかった。
(3)別の地震では、使用済み核燃料プールの水が漏れた。
(4)コストを気にして、多くの損傷を隠してきた。
(5)国も偽装に関与していた。
(6)下請け業者に偽装工作させていた。
(7)チェック機能が長期にわたってマヒしていた。
(8)内部告発によってはじめて、放射性物質漏れが発覚した。
(9)コンクリートの強度は弱められていた疑いがある。
(10)データの改ざんは、2002年以降も繰り返され、企業風土の問題となっていた。
(11)保安院は、行政不服審査に対して十分な対応をさせていない。
(12)40年をこえる原子炉の稼動を認めていた。

◇1978年に臨界事故◇
最初に、もっとも衝撃的な記事から紹介したい。

東京電力の福島第一原発3号機は、1978年11月に、臨界事故を起こしていたという。その当時、定期検査中に制御棒5本が脱落して、核分裂反応が連鎖的につづく臨界状態となった。そして約7時間半も、制御不能状態に陥っていたという。

そんな事実が、2007年の3月になって、はじめて報道された。70年代には、報告を義務づける法令がなく、東電はこの事実を、国や県に報告していなかったのである。むろん当時も、重大な問題が生じた場合は、旧科学技術庁長官への報告が義務づけられていた。だが事実は隠されつづけた。同記事は、この事故による作業員の被曝や放射能漏れは「調査中」と記しているが、真相はどうなのであろうか。

◇震度4にも耐えられなかった◇
2000年7月21日、茨城県沖で地震が発生した。福島第一原発付近では、震度4を記録した。原発はもちろん、この程度の地震では耐えられるはずだった。ところがその直後に、6号機の配管にひびが入り、2号機の配管にもひび、結合部にはすき間ができたという。これらの配管は、震度5や6にも耐えられる設計であった。だが6号機は、この地震が原因で手動停止された。全国ではじめてのケースで、しかも破断した配管は、1979年の運動開始から取り替えられていなかったという。

◇トラブル隠しがつづいた2002年◇
2002年、東電のトラブル隠しが相次いで発覚した。たとえば8月、県内10基の東京電力の原発のうち、半分の5基に、いまだ修理されていない損傷が残る疑いがあることが判明した。福島第一原発4号機には、シュラウドのひび割れがみつかった。6号機には、ジェットポンプ計測配管にひび割れの疑いがみつかった。第二原発の2、3、4号機には、シュラウドのひび割れと、ジェットポンプの摩耗またはすき間があるかもしれないことが分かった。これらの5基は、しかし当時、熱出力をフルパワーにして、すべて運転中であると伝えられている。

いったい東電は、部品損傷の疑いがあるにもかかわらず、なぜ原発を稼働しつづけたのでろうか。問題は、コストにあった。シュラウドの交換費用は、約100億円。定期検査で原発を止める期間も、10か月前後に延びるという。交換せずに、ひび割れを修理するだけでも、数十日かかる。また、100万キロワット級の原発を1日止めると、約1億円のコスト増になるという。こうした巨額のコストを考えると、はたして原発を止めるべきなのかどうか。現場の技術者であれば、安全とコストを天秤にかけて、ぎりぎりの判断をするのであろう。

当時の南社長は、同社が原子炉停止の長期化を避けたがる傾向について、率直に認めている。「どんな小さな傷もあってはならないという基準があり、修理に際し、国内における新工法を導入しようとすると長期間を要し、運転を停止しないといけない。それが現場に大きなプレッシャーになり、安全性に問題がなければ公表を避けたいという甘い判断が生まれた。弁解の余地はない」と謝罪している。

◇もっとも悪質だったのは◇
2002年の東電トラブル隠しで、経済産業省の原子力安全・保安院は、調査概要をまとめた。それによると、トラブルは全体で29件。このうち、国の検査官の目をごまかすきわめて悪質な隠蔽(いんぺい)工作2件は、いずれも福島第一原発で行われていた。

第一原発の1号機では、1994年ごろ、緊急炉心冷却システム(ECCS)系の機器「炉心スプレースパージャ」のパイプに損傷の兆候がみつかった。ところが同社は、検査官から事実を隠すため、金属部品を取り付け、さらに周辺に色を塗っていたという。

もうひとつは、2号機での工作であった。1994年、シュラウド(炉心隔壁)の溶接部でひび割れがみつかった。東電はこのことを国に報告したが、別の溶接部にあった無数のひび割れについては、隠すことにした。しかも1998年度に、「予防保全」として新品に交換した際、検査官の目をごまかすため、シュラウドのひび割れ部分に金属板を立てかけたという。

後になって、第1号機での工作には、国も関与していたことが分かった。福島第一原発の1号機(1971-)では、蒸気乾燥器が180度ずれた位置に固定されていた。1989年になって、自主点検を請け負ったゼネラル・エレクトリック・インターナショナル社(GEII)は、その溶接部などに6つのひび割れをみつけた。

これを受けて、発電所の技術者グループは、「修理に認可は必要ない」と考えて、まず軽い方のひび割れ3つを、米国で普及していた水中溶接法で直した。これに対して重い方の3つのひびについては、「水中溶接法で修理したい」と旧通産省に報告した。ところが報告を受けた旧通産省の担当者は、これらの修理については、「電気事業法(工事計画)の認可対象になり、正式認可までに数年かかる」と答えたという。驚いた技術者グループは、すでに修理してしまった3つのひび割れをも、隠さざるを得なくなったのだという。

◇無責任の体制か◇
福島第一原発1号機の気密試験データをめぐって、東電は90年代のはじめ、検査を請け負った日立製作所グループの社員に偽装工作をさせていたようである。そのような報告書が2002年12月、保安院に提出された。

また、2002年の東電トラブル隠し(29件)で、保安院は、16件が「問題あり」と結論づけたものの、その後浮上した11件の疑惑――東電、東北電力、中部電力の再循環ポンプ配管溶接部の損傷隠し疑惑――については、安全に重大な影響を及ぼさないという電力会社の言い分を、「おおむね容認できる」とした。その際に保安院は、これらの疑惑については、国への報告義務があったのかどうかさえ、「さらに検証する必要がある」と報告している。こうした保安院の対応に、問題はなかったのだろうか。

どうも原発をチェックする体系が、あいまいなまま放置されてきたのではないか。

当時の勝俣恒久副社長は、トラブル処置については、「発電所の長に全責任があり、本社はアドバイザー的機能を持っているだけだ」と説明した。ところが損傷隠しについては、発電所員が「本社に相談した」という。これに対して本社幹部は、これを「覚えていない」と証言しているのだが、これでは東京電力という組織が、「無責任の体制」のようにもみえてくる。

その後、東電の社外弁護士調査団は、2か月かけて聞き取り調査をした。ところが東電社員のなかには、「詳しいことは思い出せない」とする者が多く、だれがどう指示したかについては、詰めきれなかったという。ある東電幹部は、犯罪行為なのに忘れるという罪悪感のなさに、驚いた。「ほかに同じような不正があっても不思議ではない」と病巣の広がりを心配した。

◇放射性物質汚染があった◇
2002年10月23日、大阪の市民団体が内部告発文書を発表した。それによると、1979年から1981年にかけて、福島第一原発の1、2号機共通の排気筒から、アルファ線を出す放射性物質が、1立方センチあたり最大11ナノベクレル(ナノは10億分の1)放出されたという。検出されたとすれば、ウランかプルトニウムだった可能性がある。東電側は、「そういう文書はあるが、放出は基準値以下だった」としている。

市民団体の小山代表は、アルファ線を出す物質が、主として、燃料棒の破損で漏れ出したプルトニウム239だと考えた。氏は、国の指針にもとづいて計算した結果、最悪の場合、敷地境界濃度が規制値の約8倍になる、と主張している。

◇コンクリ検査で偽造◇
2004年8月、ある内部告発が明らかにされた。それによると、東京電力の福島第一原発と第二原発の建設に使われた砂利や砂に、コンクリートを弱くする有害成分が含まれていたという。ところが試験結果は偽造され、「無害」と報告されていた。内部告発をしたのは、砂利採取会社の元社員男性。この男性は、中部電力浜岡原発でも、同様の告発をしている。

偽造とされるのは、コンクリートにひび割れを生じさせ、はがれ落ちたり鉄筋を腐食させたりして強度を失わせる「アルカリ骨材反応」を起こす成分を調べる試験。第三者機関に試験を依頼する際に、砂利をすりかえたりして、結果を偽造していたという。

◇使用済み核燃料プールから少量の水漏れ◇
2005年8月、宮城県沖を震源とする地震の影響で、福島第一原発の2号機と6号機、および、福島第二原発4号機では、使用済み核燃料プールから少量の水漏れがあった。漏れた水量は、第一原発2号機で約12リットル、同6号機で約11リットル、第二原発4号機で約1・5リットルであったという。

◇トリチウム漏れ◇
2006年8月、東京電力の福島第一原発4号機で、放射性物質のトリチウムが周辺の海水などに漏れた問題について、市民団体「脱原発福島ネットワーク」は、東電の勝俣恒久社長に対する抗議文を同原発側に手渡した。トリチウムの漏出について、東電は「原因がはっきりしない」として、漏出から7日間も公表していなかったという。

◇信頼の根幹が揺らぐ◇
2006年末から2007年初めにかけて、東京電力は、データ改ざん問題に揺れた。同社の原子力発電所では、77年以降、延べ199回の定期検査に関するデータ改ざんがあったという。

原発の非常用炉心冷却装置のポンプの故障を隠して検査を通したり、放射能の測定値を低くごまかしたりした悪質なものもあった。不正のほとんどは、2002年のトラブル隠し発覚後の総点検でも、見過ごされていた。福島第一原発1号機では、1979年から1998年にかけて、計28回にわたって、蒸気の流量を監視し、弁を作動させる装置を正しく設定せずに検査を受けつづけていたという。

これを受けて、東京電力の築舘勝利副社長は、「この4年間の努力が十分でなかったと言わざるを得ない。企業風土、組織体質の問題ととらえていく」と陳謝した。

朝日新聞はこの問題をめぐって、次のように批判している。「放射線モニターや非常用炉心冷却装置は、いずれも原発の安全性や地域の安心を確保する上で欠かせない重要設備の一つ。国の検査をごまかしたり、外部への放射能の放出を示す観測データを勝手に書き換えたりしていたことは、原子力を扱う電力会社の信頼性の根幹に触れる問題だ」と。

◇保安院は多忙?◇
2007年7月、原発の工事などに対する国の認可への「行政不服審査」に対して、保安院は、最長26年間も処分を決めずに放置していたことが判明した。保安院は「忘れていたわけではないが、事故の対応などに忙しかった」と弁明している。

東京電力福島第一原発などにおけるプルサーマル計画については、2000年に、不服申し立てが行われた。この不服審査をめぐって、当時、聴取会が2件開かれた。申立人の1人で「福島原発市民事故調査委員会」の山崎久隆さんは、「行政の怠慢だ。プルサーマルはすでに福島、新潟の両知事が受け入れの撤回を表明しており、今さら何を聴くのか。怒りを覚える」と話した。

なお、行政不服審査法は「簡易迅速な手続きによる国民の権利利益の救済を図る」としているが、処分決定をする期限は特に定めていない。

◇被爆者への労災、認められず◇
福島第一原発などにおける仕事で70ミリシーベルトの被曝(ひばく)をし、労災認定を受けた元プラント建設会の社員が、2004年、東京電力に対して訴えを起こした。ところが結局、その訴えは認められなかった。

訴訟の判決は、2008年5月23日、東京地裁であった。松井英隆裁判長は「鎖骨などの病変は、骨髄のがん化した細胞の増加によるものではない」と指摘、また「国際基準による200ミリシーベルト未満の放射線被曝と疾患の因果関係は認められない」として、請求を棄却した。これに対して原告側は、控訴する方針だという。

原告は、がんの一種の多発性骨髄腫になり、2007年に82歳で死亡した。原告を支援してきた関西労働者安全センターの片岡明彦事務局次長は、東京地裁の判決に対して、「労災認定の判断を覆した、極めて異常な判決」と批判している。

◇廃炉しないという方針◇
2009年6月、東京電力の株主総会で、283人の株主から、「福島第一原発3号機でのプルサーマル計画を実施せず、1~3号機までの廃炉を求める」との要求があったが、否決された。

2010年3月、東京電力は、来年で40年を迎える福島第一原発の一号機を、さらに10年運転することができるという主旨の評価書を提出した。評価書では、配管の減肉や腐食の監視、溶接部の超音波検査などをすれば、60年間の運転を仮定しても、安全性に問題はないとしている。

これを受けて保安院は、2011年1月、今後10年間の運転継続を妥当と判断し、40年以上の運転継続を認めた。近く、内閣府の原子力安全委員会に報告するという。

40年超の運転は、国内では日本原子力発電の敦賀原発1号機、関西電力の美浜原発1号機に次いで、3番目になるという。

霞が関は東電から電力を買わない

2012-06-10 | Interested | By: sorakuma

霞が関の各省庁の2010年度、2011年度の電力契約と使用状況は以下のとおりです。

ラノベチックなタイトルの通りですが、東京電力から電力を購入している省庁は一つもありません。

2010年度 農水省 経産省 法務省 総務省 総務省第二庁舎 内閣府 財務省 中央合同庁舎五号館 国交省 外務省
基本料金 1000.00 1575.00 1459.50 1330.00 1100.00 1150.00 —– 1023.75 —– 1000.00
電力量料金夏季 12.24 10.92 10.96 ★13.96
13.38
(9.02)
12.24 13.75 10.61 12.24 12.24 ★13.90
13.38
(9.02)
電力量料金夏以外 11.28 9.975 9.98 12.28
(9.02)
11.28 12.65 9.78 11.28 11.28 12.28
(9.02)
電力使用量 8.8M 11.8M 16.2M 19.2M 4.7M 2.5M —– 16.8M 10.3M 12.2M
契約企業 エネット 丸紅 丸紅 エネット エネット エネット 丸紅 エネット F-Power エネット
2011年度 農水省 経産省 法務省 総務省 総務省第二庁舎 内閣府 財務省 中央合同庁舎五号館 国交省 外務省
基本料金 1585.50 1008.53 888.30 1552.00 1350.00 970.00 —– 893.00 —– 912.00
電力量料金夏季 12.04 12.24 12.24 ★13.96
13.38
(9.02)
10.45 13.75 9.98 12.24 12.24 ★13.96
13.38
(9.02)
電力量料金夏以外 11.08 11.27 11.28 12.28
(9.02)
9.63 12.65 9.14
11.28
11.28 11.28 12.28
(9.02)
電力使用量 7.4M 8.9M 12.1M 16.2M 3.7M 2.0M —– 14.9M 8.9M 11.0M
契約企業 エネット 昭和シェル
石油
F-Power エネット イーレックス エネット 丸紅
→エネット
エネット エネット エネット

霞ヶ関は東電から電気を買わないより-

素敵デザインのiPhone4/4Sケース 14選まとめ

2012-06-09 | PC / Mobile | By: sorakuma

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