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チェルノブイリ大惨事の影響で加速する老化

2012-06-17 | 震災・原発 | By: sorakuma

チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクトより、今後の私たちに必要となる情報を抜粋させていただきます。

チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト
http://chernobyl25.blogspot.jp/p/blog-page_4027.html

— 引用はじめ —
第4節 チェルノブイリ大惨事の影響で加速する老化
http://chernobyl25.blogspot.jp/2012/03

老化の加速化は、電離放射線による被曝がもたらす、よく知られた影響の一つである。この現象は、チェルノブイリ由来の放射性核種に汚染されたすべての人びとにおいて、程度の差こそあれ、はっきりと見てとれる。

1. ベラルーシの、チェルノブイリの放射性降下物によって重度に汚染された地域ではどこでも、そこに住む子どもは老人に特徴的な疾病群の徴候を示している(Nesterenko, 1996; and many others)。
2.  ベラルーシの汚染地域の子どもは、消化管の上皮に老化に特有の変化を生じている( Nesterenko, 1996; Bebeshko et al., 2006)。
3. ベラルーシにおいて、1991年以降1996年までに早発性の脱毛症と診断されて入院した69人の子どもおよび十代の少年少女のうち、70%は重度汚染地域の出身だった(Morozevich et al., 1997) 。
4.放射能汚染地域の子どもの歯とあごの発達が、比較的汚染されていない地域の子どもに比べ、実年齢に見合っていないのは,早期老化の特徴を示すものである(Arabskaya, Smirnov et al., 2006)。
5. ウクライナにおける放射能汚染地域の住民の生物学的な年齢は、実年齢よりも7歳から9歳上だった(Mezhzherin, 1996)。同様の現象はロシアでも見られた(Malygin et al., 1998) 。
6.  セシウム137による汚染が1平方メートルあたり55万5,000ベクレルを超える地域に住む、中年に分類される男女が、ベラルーシの平均的一般人より8歳若い年齢で心臓発作で死亡した( Antypova and Babichevskaya, 2001)。
7. ウクライナの放射線で重度に汚染された地域の住民に、調節機能の異常その他、老化による眼の変化が現れた(Fedirko , 1999; Fedirko and Kadochnykova, 2007)。
8.  老化の早まりはリクビダートル(事故処理作業員)に見られる典型的な特徴であり、その多くは平均的な一般集団より10年から15年早く疾患を発症した。老化の特徴から算定されたリクビダートルの生物学的な年齢は、実年齢よりも5歳から15歳上である(Gadasyna, 1994; Romanenko et al., 1995; Tron’ko et al., 1995; Ushakov et al., 1997)。
9.  チェルノブイリの放射線によって、眼に早発性の老化が引き起こされた(Fedirko and Kadochnykova, 2007)。
10.  リクビダートルの早期老化の特徴として以下のものがあげられる(Antypova et al., 1997a,b; Zhavoronkova et al., 2003; Kholodova and Zubovsky, 2002; Zubovsky and Malova, 2002; Vartanyan et al., 2002; Krasylenko and Eler Ayad, 2002; Kirke, 2002; Stepanenko, 2003; Kharchenko et al., 1998, 2004; Druzhynyna, 2004; Fedirko et al., 2004; Oradovskaya et al., 2006; Teplyakova et al.,2007; Fedirko, Kadoshnikova, 2006; Kholodova, Shirokova, 2008 )。

・老人性の多重疾患や、老齢でも中高年でもない年齢層における身体の異常(リクビダートルは一人あたり10件以上の病気を診断されており、同年代の標準の数倍)。
・さまざまな臓器および組織における、老人退行性ならびに栄養欠乏による変化(骨粗しょう症、胆のう炎、胆のう膵臓炎(訳注1)、脂肪肝、肝硬変、関節や筋肉の疾患)。
・脳内を含む血管における老化の早まり(その結果として40歳前後で始まる老人性の脳障害)。
・早発性の水晶体硬化、網膜血管の障害、老人性白内障、早発性老眼、網膜血管のアテローム性動脈硬化症など眼の異常。
・老人に特徴的な高次の精神機能障害
・30歳未満のリクビダートルにおける老人性二型糖尿病(訳注2)の発症
・老人性の抗酸化機能の低下
・聴覚および前庭(訳注3)器官における老人性の障害。

11. リクビダートルの生物学的時間が加速している証拠は、血圧の体内概日リズム(訳注4)が短縮していることで示される( Talalaeva , 2002)。
12. リクビダートルの早期老化においては、生物学的老化の典型的な進展である免疫系の一般的活性化が現れる。これは、赤血球の還元型グルタチオン濃度の低下と、酸化型グルタチオンの増加、タンパク質のカルボニル基の割合の上昇を伴うものである(Altukhova et al., 2007)。
13. 事実上すべてのリクビダートルにおける老化の早まりを示す所見として、アテローム性動脈硬化をもたらす血管壁の変異がある。変異は腸管を含む上皮組織にも認められる(Tlepshukov et al. , 1998)。
14. 5年間隔で検査したところ、生物学的変異および心肺の変異で示される老齢の加速が(生理学的な変化については11年間で)、男性リクビダートルの81%と女性リクビダートルの77%において見出された(検査対象は306人)。45歳未満のリクビダートルは、より影響を受けやすかった。炉心溶融(メルトダウン)直後の4ヵ月間にチェルノブイリ大惨事の現場で働いたリクビダートルの生物学的な年齢は、それ以降に従事した者たちの生物学的な年齢を上回る(Polyukhov et al. , 2000)。
15. リクビダートルの臓器において加齢変化に加速が生じることを、放射線誘発性の早期老化症候群と定義することが提唱されている ( Polyukhov et al. , 2000; Bebeshko et al. , 2006)。
***
チェルノブイリ大惨事によってもたらされた放射線による老化の影響は、すでに数十万人に及んでいる。そして将来も、この問題は数百万人の人びとに関わってくるだろう。
— 引用終わり —

大飯原発再稼働へ

2012-06-17 | 震災・原発 | By: sorakuma

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政府は16日午前、野田首相と関係閣僚による会合を開き、定期検査で停止している関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を正式決定した。

福井県の西川一誠知事が、再稼働に同意すると首相に伝えた。昨年3月の東京電力福島第一原発の事故後、国内の原発再稼働が決まったのは初めて。2基がフル稼働するのは7月24日以降になる見通しだ。

西川知事は、首相官邸で首相と会談し、「主な電力消費地である関西の皆さんの生活と産業の安定に資するため、(再稼働に)同意する決意を伝えたい」と述べた。首相は「知事の決断に深く感謝を申し上げたい」と謝意を表明した。

関係閣僚会合で、首相は「立地自治体の理解を得られた今、再起動することを政府の最終判断とする」と述べ、再稼働を指示した。

枝野経済産業相は同会合で、「政府の最終判断を私から関西電力に速やかに伝達し、再起動に向けた準備作業に取りかからせる」と述べた。再稼働に向けては、安全に万全を期すよう、関電側に直接伝える機会を早期に設ける考えを表明した。

関電は、3号機について配管の洗浄など再稼働の準備作業を16日午後に着手する。最短で7月4日に発電を始め、7月8日にフル稼働する。3号機が稼働した後、4号機に着手し、早ければ7月20日に発電を開始する。順調にいけば2基ともフル稼働するのは、早くて7月24日、遅ければ8月2日になる見通しだ。準備作業の遅れなどで電力不足に陥る懸念が残るため、計画停電に向けた準備は継続する。
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大飯再稼働、政府が決定…7月下旬にもフル稼働(6.16 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120616-OYT1T00378.htm

福井新聞でも大飯原発の再稼働を号外として取り上げています。

—-大飯原発をめぐる経過—-
■2011年
03月11日:東日本大震災・東京電力福島第一原発事故。
03月18日:関西電力大飯原発3号機が定期検査入りで停止。
07月11日:政府が原発再稼働の条件として安全評価(ストレステスト)の導入を発表。
07月22日:大飯原発4号機が定検入で停止。
10月28日:関電が3号機の安全評価の一次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出。
11月17日:4号機の結果を提出。
■2012年
02月13日:保安院が2基の評価を妥当とする審査書を原子力安全委員会に報告。
03月23日:安全委が2基の審査書を確認し、一次評価が終了。
04月06日:野田佳彦首相と3閣僚が再稼働を判断する新たな安全基準を決定。
04月09日:野田首相と3閣僚が2基の安全性を確認。
04月14日:枝野幸男経産省が福井県とおおい町に2基の再稼働への同意を要請。
05月14日:おおい町議会が再稼働に同意。
05月30日:細野豪志原発事故担当相が、経産副大臣ら政務三役を現地に常駐させるなど新たな安全監視体制を提示、関西広域連合が再稼働を事実上容認。
06月04日:福井県の西川一誠知事が細野原発相と会談し、野田首相が再稼働の必要性を国民に直接説明することを要求。
06月08日:野田首相が再稼働に理解を求める記者会見。
06月10日:福井県原子力安全専門委員会が「必要な対策はできている」との報告書を了承。
06月11日:県専門医が西川知事に報告書を提出。
06月12日:西川知事が大飯原発を視察。
06月14日:福井県議会が全員協議会で知事に判断を一任。おおい町の時岡忍町長が再稼働に同意を表明

こうして大飯原発の再稼働が決定されました。
しかし、大飯原発の安全対策は万全なのでしょうか?

津波の対策が実施されるのは、平成25年度までに。
地震の対策が実施されるのは、平成27年度までに。
ベント設備のフィルターが整備されるのは、平成27年度までに。

つまりは、現時点で安全対策は全く十分であるとは言えないのです。

先月実施された世論調査は、過半数を超える人々が原発の運転再開に不安を抱えています。

万が一原発が事故を起こしたらどうなるでしょうか。

大飯原発の再稼働の立役者は、この4人です。

彼らには、人々の声は届きません。

Start Your Engines: Japan Gets Ready to Return to Nuclear Power

海外メディアでは、先日行われた首相への抗議活動が大きく取り上げられています。
しかし、日本のマスメディアがこれを取り上げることはありません。

人々の声を伝えず、対策の不備を伝えず、政府の声だけを知らせる。
それは、原発の再稼働を決めた立役者たちと、立場を同じくするものです…。

「停電」を武器に企業を焚き付け、自治体の首長たちを脅す電力会社

2012-06-16 | 震災・原発 | By: sorakuma

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関西電力が「停電」を武器に企業を焚き付け、自治体の首長たちを脅していたことが現職知事の証言によって明らかになった。「再稼働は認めない」から一転「夏場の再稼働は認める」とした滋賀県の嘉田由紀子・滋賀県知事がきょう、日本外国特派員協会で開かれた記者会見で暴露した。

海外記者から「再稼働反対の声を過激にあげていたにも拘らず、180度スタンスを変えたのは何故か?」と問われた嘉田知事は次のように答えた―

「(夏場の)電力不足で“停電になったらどうする?” “お前は責任取れるのか?”と関電、国、企業から脅された。大阪の橋下(徹)さんとも話し、“電気が停まったら仕様がないわね”ということになった」。

嘉田知事が記者会見を終えてエレベータに乗るまで、筆者は単独でインタビューした。

田中:専門家は夏でも電力は足りる、と見ている。こちらの方が「電力不足」を吹聴する政府のインチキなアナウンスより説得力があるが?

知事:「300万キロワットは圧縮できると飯田(哲也)さんや古賀(茂明)さんと詰めてきたけど、関西電力が個別企業にこうした(知事は圧力をかける手真似をした)。そうしたら個別企業が“税金払わない”“(滋賀県から)出て行く”と言い始めた」。

田中彼ら(電力会社)は電気を停めたいと思ったら、停めることができますからねえ

知事:そうそう。

電力不足で電気が停まるのではない。電力会社が自らの都合のいいように電気を停めるのである。それは「3・11」直後に起きた東電の計画停電でも指摘された。

関西電力が関西広域連合に圧力をかけて「再稼働を飲ませた」ことは、一部メディアが仄聞として伝えていた。だが、ここに来て政治家が、圧力の実態を公にし始めた。

昨日(12日)は国会の院内集会で、民主党の衆院議員が関電労組から「再稼働反対の署名を撤回しろ、さもなくば次の選挙は推薦しない」と恫喝されたことを暴露している。

「ナントカに刃物」というが、「電力会社に停電」ではないか。脅しに怯まず電力会社の悪質な手口を白日の下に晒す公人がもっと出てきてほしいものだ。
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【原発再稼働】 滋賀県知事 「関西電力と国から脅された」(6/16 田中龍作ジャーナル)
http://tanakaryusaku.jp/2012/06/0004481

・・・
計画停電は、まさに『計画』された停電でした。
何のために電気をとめるのか?それは、原発を停止させると『こう』だぞ、だから原発を止めさせるな、という電力会社の脅しだったのです。
彼らは、放射能を撒き散らしても何も悪びれることなく、人々の様々な抗議にまったく耳を貸す事もありません。

「電力」というインフラを盾に、企業を脅し、政治家を恫喝している実態が、少しずつ明らかになりつつあります。

尿検査結果から分かる放射性セシウム被曝量

2012-06-15 | 震災・原発 | By: sorakuma


ホールボディカウンターでは放射性セシウムの被曝量を正確に測ることはできません。
しかし、それよりずっと簡易に放射性セシウムの被曝量を測る方法が一つあります。尿検査です。

放射性セシウムの量は、こんな計算式で表されるといいます。

自分のセシウム137値 × 1kg × 144 = 体内にあるセシウム137のBq値

前提条件
・セシウム137の同レベルの摂取が継続され、かつ摂取と排泄が平衡していて、尿検査の結果n Bq/kgの数値が検出した場合

尿中濃度からの体内セシウム濃度の計算式
http://www.keitousagi.com/images/doc2.pdf


過去のチェルノブイリ事故では、日常の食事に含まれる放射性物質に気をつけていたかどうかで、およそ2倍の摂取量の差異が発生するといいます。

1日10ベクレルを摂取し続けることでもいずれ1400ベクレルの放射性セシウムを体内に蓄積することになります。
1400ベクレル。それは、体重60~70Kgの人が、20Bq/kg程度を体内に取り込んでいるというレベルです。
たったそれだけで、心臓は影響を受ける可能性があります。

詳細:1日10ベクレルの食事がもたらすもの

その影響は様々な形であらわれますが、心臓、心筋へのダメージがあった場合、その影響は計り知れません。
心筋細胞の再生率は、25歳では年に1パーセント、75歳ではかなり低く、年に0.45パーセント前後。心臓は、ほとんど自己再生することができない組織なのです。放射性セシウムを取り込んでしまった場合、修復されるよりもずっと早くにダメージを受けてしまうからです。

外部リンク:心臓細胞の自己再生を確認

現状の被曝量を把握しておくことは大切なことです。

放射能被曝検査の結果と症状の共有サイト『けいとうさぎ』では、年齢別、都道府県別に尿検査の結果データが掲載されています。

まずは自分の年代、そして居住エリアの傾向を見ておきましょう。
放射能汚染地図と合わせてみると、土地の汚染と人々の汚染状況には相関があることがわかります。


地図情報元:放射能汚染地図(六訂版)

不安を感じたら、検査を受けておきましょう。
冒頭に紹介させて頂いた計算式を用いて体内のセシウムのBq数を計算し、体重で割り戻します。
それが数ベクレルになるのであれば、それは十分に警戒すべき数値です。

水、食品、それから呼吸による吸入被曝。
日本で暮らす以上、被曝を完全に避ける事はできません。
その上で、どのように生活するか?
それが、私たちの今後の被曝の程度、自身や家族を守ることに繋がる。
私はそのように考えます。

バイオ燃料製造しセシウム除染 島根の企業が開発

2012-06-15 | 震災・原発 | By: sorakuma

バイオ燃料製造しセシウム除染 島根の企業が開発
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/307502
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放射性セシウムを吸着する性質があるイネなどの植物を使って、土壌の除染をしながらバイオ燃料製造や発電も行うシステムを、松江市の設計コンサルタント会社「IBコンサルタント」などが開発、13日発表した。同社は「東京電力福島第1原発事故で汚染された土壌の除染作業に活用したい」としている。
このシステムは、セシウムで汚染された土壌にイネやサトウキビに似た植物「スイートソルガム」を植え、セシウムを吸着させる。
セシウムを吸着したイネなどを発酵させ、バイオエタノールを製造。その残りかすを燃やして、発電も行う。
—-

本当ならかなり素敵なシステム。
しかし、セシウムはどこにいくのか?

もうちょっと情報が欲しいですね…。

闇に葬られた内部被ばく検査 福島県が弘前大に中止要請

2012-06-15 | 震災・原発 | By: sorakuma

Twitterなどで噂ベースで囁かれていた、内部被ばく検査の県からの中止要請がニュースで取り上げられていました。

<福島原発>県が内部被ばく検査中止要請…弘前大に昨年4月
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120614-00000012-mai-soci
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東京電力福島第1原発事故後、福島県浪江町などで住民の内部被ばくを検査していた弘前大の調査班に、県が検査中止を求めていたことが分かった。県の担当者は事実確認できないとしつつ「当時、各方面から調査が入り『不安をあおる』との苦情もあった。各研究機関に『(調査は)慎重に』と要請しており、弘前大もその一つだと思う」と説明。調査班は「きちんと検査していれば事故の影響を正しく評価でき、住民も安心できたはずだ」と当時の県の対応を疑問視している。

弘前大被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らは昨年4月12~16日、放射線量が高く、後に計画的避難区域に指定された浪江町津島地区に残っていた17人と、南相馬市から福島市に避難していた45人の計62人について、住民や自治体の了解を得ながら甲状腺内の放射性ヨウ素131を測定した。このうち3人は2度測定。検査の信頼性を高めるためには3桁の被験者が必要とされ、その後も継続検査の計画を立てていた。ところが県地域医療課から「環境の数値を測るのはいいが、人を測るのは不安をかき立てるからやめてほしい」と要請されたという。

ヨウ素131は甲状腺にたまりやすく、がんのリスクを高めるとされる一方、半減期は8日と短く、早期検査しなければ原発事故の影響を把握できない。床次教授は「放射線への不安が長引いているのは当時の情報がないからだ」と指摘する。

県地域医療課の担当者は「やりとりの詳細は記憶にない。弘前大以外にも県の災害対策本部として『住民の心情を察してほしい』とお願いしてきた」と説明する。だが、こうした要請の結果、事故初期段階でのヨウ素131の内部被ばく実測データはほとんど残されなかった。
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事故直後、福島県はSPEEDIの情報送信されていたといいます。福島県はこれを放棄した上、『不安を煽る』として内部被ばく検査の中止を要請しました。
SPEEDIの情報は、11日夜から1時間毎に送付されました。データも重いものではなく、放射能汚染の予測を示した画像で、動画などではありませんでした。そういった情報を削除した上、正しい情報を把握した県は、これを隠蔽に走った、そのようにすら取ることが出来る行動です。

放射性ヨウ素の内部被ばく検査は、拡散から時間を置かずに行わなければなりません。
放射性ヨウ素の半減期は8日なので、8日毎に検出できる放射性ヨウ素の量は半減します。
事故から10回半減期を迎えた80日後に検査を行った場合、1/1000以下に、3回半減期を迎えた24日後でも1/8になります。
例えばその時点で内部被ばく検査を行えば、実際に被曝した量を正確に測ることはできないのです。
しかし、短い半減期のヨウ素は、短期間で甲状腺を集中的に被曝させます。

福島県は、~ミリシーベルト、という客観的な数値で汚染の状況が示されることを避けたかったのでしょう。
しかし、それは人々の健康を秤にかけ、蔑ろにした行為にほかなりません。
結果的に人々の被曝をより深刻なものとし、心にも不安を抱えることとなりました。
その上で、住民の避難を押しとどめ、積算線量計を与えて被曝状況を観測する。
それは、誰のための行為でしょうか。
何のための行為でしょうか。

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62人の検査データは既に公表され、事故翌日の昨年3月12日にヨウ素を吸引したと仮定して内部被ばくの積算線量を推計したところ、5人が国際原子力機関の定めた甲状腺がんを防ぐヨウ素剤服用基準の50ミリシーベルトを超えていた。ただし現在は3月15日にヨウ素を吸引したとの見方が有力になっており、再解析が進められている。
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実際の被曝量は、どの程度であったのでしょうか…。

毎時880ミリシーベルトの2号機5階

2012-06-14 | 震災・原発 | By: sorakuma

2号機5階で毎時880ミリシーベルト 福島第1
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120613/scn12061320080004-n1.htm

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東京電力は13日、福島第1原発2号機の原子炉建屋内部をロボットを使って調査し、5階の原子炉の真上にあたるコンクリート床付近で、毎時880ミリシーベルトの放射線量を計測したと発表した。作業員の5年間の被曝線量上限にあたる100ミリシーベルトに約7分間で達する値で、東電は「5階に人が立ち入っての作業は困難」とみている。建屋内に目立った損傷はなかったという。

国産の災害対策支援ロボット「クインス」の改良型が、5階まで自走して測定した。今回、最高値を計測した場所のコンクリート床の厚さは約2メートルで、格納容器の上端から約3.5メートル離れているという。

約4時間にわたる調査で、ロボットの被曝(ひばく)線量は505.6ミリシーベルトで、作業員9人の被曝線量は最大で3.95ミリシーベルトだった。
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以前紹介させて頂いた、TVでは報道しない原発事故末端作業員の驚きの証言にて、こんな一節がありました。

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もうぐっちゃぐちゃだった。最初来た時は。どこもぐちゃぐちゃだったんですけど。だって1,2,3,4まで蒸気出っ放しでしょ、煙が出てるんだから、ずーっと。で、がれきだらけ。何してもぐちゃぐちゃだった。10㎝以上ある扉が、鉄板の扉が曲がっちゃってるのを見たりね、閉まらないだろうなと、当然それ締めないと危ないっていう原子炉ですよね。それが曲がっちゃってたのを見たりとか。
2号機だって何も収まってないじゃないですか。見た目がね、1号カバー隠してるっしょ?3,4今やってるでしょ?2号でこれだけ騒いでるのに何もしてないんだよ

*:なんか今温度が上がってるとかって。

上がってるでしょ?何にもその前から、何にもしてないんだよ?3号をやってる作業員なんて、怖いだろうなと思う。隣でやってて。1号の人もそうだと思う。
いつも、いつも「行ってないとこ、触ってないとこ、あそこにちょっと行ってみてください」って言われて、「こっち終わったからあっち行ってください」って言ったら、
「あーーっ!!!」
から始まるよね、みんなね。
・・・
*:一方で総理は『冷温停止状態』というような言葉を使ってますよね。

それはもう『現状維持』っていうだけですからね。現状維持、もう爆発して最悪になったものを現状維持してるだけなんで、根っこは取れたかというとそうではないですよ。現状維持して止まってますよということだけなので、何を以てその『収束』なのかは全く理解できません。
本当に国がヤバい状態になってるのに、自分らの利害であるとかそういうことで、なんか隠そうとしてる、無かったことにしようという感じがすごく見えますよね。本当に向き合って、それこそ本当に何かするなり、全身全霊を注いでも福島を良くする、元に戻そうっていう気持ちが全くないじゃないですか。
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『何もしていない』『現状維持』
何もおさまっていない原発に対し、ただ現状維持を続けている状態。手の施しようのない状態と取ることもできます。
建屋の中で継続的に作業出来る状態ではないことは、作業員の言葉のとおりです。

『冷温停止状態』…とは、今考えると、『思考停止状態』とそう変わらない表現なのかもしれません。
何も状況が収束されず、原発のリスクに言及のないまま、原発を再稼働させることは許されません。

防護服姿で田植え 大熊町で試験作付け

2012-06-13 | 震災・原発 | By: sorakuma

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東京電力福島第1原発事故で全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町は12日、放射性物質が農作物にどの程度取り込まれるか調べるため、コメや野菜の試験作付けを町内で始めた。場所は第1原発から南西に約6kmの住宅地の一角。4m四方の田と畑でコメと野菜をそれぞれ育て、収穫後に汚染濃度を調べる。表土を約5cmはいだ隣の田畑でも、同様に作付けをして除染の効果を確認する。12日午前、町職員らが防護服姿で水田に入って苗を手で植え、畑をくわなどで耕してニンジンやホウレンソウなどの種をまいた。
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防護服姿で田植え 大熊町で試験作付け
http://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2012/06/12/21ookuma/

本当に、涙が出そうな光景です…。
田植えや農業は、どうしても土埃や泥に触れてしまう、ということを、以前農家の婿のブログで読んだことがあります。
※もうブログは削除されてしまっている…と思います。
現状はリスクがあることを痛いほどわかっており、その上でどうしたら今までのように作付けが可能になるか、土地を、生活を元に戻すことができるか、という試行錯誤の状況なのだと思います。

この写真を見た人は、狂気の沙汰だ、と思うかもしれないし、それを出荷するのか、と思う方もいるかも知れませんが…
例えどんな状況にあろうと、この土地を守りたい人がそこに居るのだと思います。
しかし、それでもなお、それだけ土地を愛すればこそ、その土地を愛する彼らが土地を離れなければならないとも思います。

こんな場面で私がどうしても思い返すのは、ポツダム宣言を受け入れた天皇陛下の玉音放送です。
終戦の時代、もしこの言葉がなかったら、人々は戦いを諦めることができたでしょうか。

これを見て、私が思うのは、それでも終戦を諦めなかった日本が進む先の未来です。
その先にもおそらく未来は待っているのかもしれません。
ですが、それがこの先どれだけの人々の痛みや苦しみを産むことになるのか、私には想像することもできません。

この上で放射能汚染の拡散政策を続ける政府は、もはや日本の政府ではないのかもしれません。