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今中哲二氏:除染についてもいたずらに可能性を匂わせるのはやめるべき

2011-10-31 | 震災・原発 | By: sorakuma

NPO法人、エコロジー・アーキスケープサイトにおける取り組み、飯舘村後方支援にて、京都大学原子炉実験所の今中哲二氏の言葉を紹介します。

飯舘村後方支援チームの提案
http://www.ecology-archiscape.org/iitate/hinanmura/20110802/20110802_hosoku.pdf

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除染についてもいたずらに可能性を匂わせるのはやめるべき

居住地・市街地の除染はある程度可能だとしても、汚染地域の大部分は農地や林野。農地の除染に関しては、過去のカドミウム汚染水田の汚染土除去費用(公害防除土地改良事業による)が300 万円/10a とされている。避難区域内の農地は2 万ha 程度あると思うので、単純計算で6000 億円かかる。

また入れ替え後は、確実に農地の質が落ち、元に戻るまで何年もかかる。避難地域の7 割は林野で、現地は農地と林野が一体になった環境であり、セットで除染しなければ、放射性物質が周辺の林野から農地に流れ込んだり飛来したりする。林野の除染は皆伐、刈り払いした 上で表土を除去する必要があり、農地の何倍もの費用が見込まれる。林野は10 万ha 程度あると思われるので、この除染には少なくとも5 兆円はかかると思われる。

居住地の汚染についても表土の除去や道路建物表面の削り取りが必要。さらに放射性廃棄物や汚染土の処理に管理型処分場 を建設しなければならない。10 兆円程度は覚悟する必要がある。

しかも順繰りに除染をせざるを得ず、除染期間はおそらく数十年に及ぶのではないか。実際に富山県神通川流域・黒部地域での汚染土壌入れ替え事業は30 年以上経っても終了していない。それならば、放射能が自然に減少するのを待つ方が合理的と考えられる。また先の補償金なら、3 万世帯に100 万円/年の借地料を払ったとしても、300 億円/年30 年でも1 兆円であり、除染費用よりはるかに安いと思われる。
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除染活動に取り組んでいる方ほど、それが如何に困難であるか、その厳しさを知ることができます…。

実際に飯舘村の除染に使われた費用は如何ばかりだったでしょうか。
飯舘村の除染費用は3224億円。人口はおよそ6000人とすると、1人あたり5000万円。4人家族なら、1家庭あたり2億円です。

福島第1原発:飯舘村 総額3224億円の除染計画公表
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/archive/news/2011/09/20110929k0000m040082000c.html

そのお金は、困窮を強いられる飯舘村の人々に支払われたわけではありません。
それだけの費用の一部でもあれば、飯舘村の人々全員を安全な地に送り出し、生活の補償を行うことも十分可能だったはずです。

そこでは、除染が可能かどうかの実験が行われているといいます。

福島県飯舘村で新たな除染試験 高濃度の土壌を焼却
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102601000963.html

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東京電力福島第1原発事故で汚染された田畑の再生に向け、日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)は26日、福島県飯舘村で、農地の土壌を焼却し、放射性セシウムの除去効果を確認する新たな実証試験を公開した。
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この国の政府は、福島に住まう人々を本当に見ているのでしょうか。

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