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福島セシウム137放出量は政府発表の2倍、海洋放出量は東電公表量の20倍

2011-10-31 | 震災・原発 | By: sorakuma

福島第一原子力発電所の事故に伴って放出されたセシウム137の総量が政府発表の2倍以上になる可能性がある、とのノルウェーの研究機関による調査結果が「アトモスフェッリクス・ケミストリー・アンド・フィジックス・ジャーナル」誌にて発表され、「ネイチャー」誌によってとりあげられました。

福島セシウム137放出3万5800テラベクレル、政府発表の2倍超か(1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=apoCFkSY8_HU

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同研究調査によると、事故のピーク時に福島第一原発から放出されたセシウム137は3万5800テラベクレル(テラは1兆)。経済産業省原子力・安全保安院が6月に発表していた放出量は1万5000テラベクレル

セシウム137の半減期は30年であるため、健康被害が懸念されている。同調査によると、3万5800テラベクレルのセシウム137は、1986年に起きた史上最大のチェルノブイリ原発事故時の放出量の約42%に相当する。

同調査によると、キセノン133も1670テラベクレル放出されており、「原爆実験を除くと、キセノンの放出量は史上最大」という。原子力安全・保安院はキセノンの放出量を1100万ベクレルと見積もっている。
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3万5800テラベクレルは、3京5800兆ベクレルという量です。

さらに同調査では、津波到達前に放射性物質の放出が始まった可能性が指摘されています。
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日本政府と東電は最新の福島第一原発からの放射性物質の総放出量を公表していない。同調査では、3月11日にマグニチュード9の地震が起き45分後に大津波が福島第一原発を襲ったが、その前に放射性物質の放出があった可能性も指摘している。

同調査は「原子炉の自動停止直後にすでに放出が始まっていた強い証拠がある」とし、「地震発生時に原子炉に構造的なダメージがあった可能性を示唆する」と指摘した。

原子力安全・保安院の広報担当、小板橋忠重氏は地震が原発に大きな損傷は与えないとの立場を崩していないと語った。

同調査では、4号機の使用済み核燃料プールに放水した際にセシウム137の量が「急減」していることから「放射性物質の放出が破損した原子炉だけではなく4号機の核燃料プールからも出ていることを示唆している」と述べた。
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また、フランス放射線防護原子力安全研究所は、海洋に放出されたセシウム137の総量が、東電が公表した20倍に達するという研究調査を発表しました。

セシウム137海洋流出2万7000テラベクレル、東電公表の20倍-仏調査
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920016&sid=aH_L9Nr8DKNk

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仏放射線防護原子力安全研の研究調査によると、海洋に放出されたセシウム1372万7000テラベクレル(テラは1兆)。
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セシウム137だけ2万7000テラベクレル(2京7000兆ベクレル)
数字がインフレしすぎて、規模が全く想像できません。

今まで日本で報告されていた海洋流出の放射能汚染は次のようなものでした。

東電、低レベルの放射線汚染水を海に放出へ 法定濃度の100倍
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110404/dst11040416330025-n1.htm
はじめは、法定濃度の100倍、1万1500トン、1500億ベクレルの放出だったといいます。
この時、記事でこのように記載されていました。
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この汚染水の海洋放出に伴う海への汚染影響は、近隣の魚介類や海藻などを毎日、摂取すると、年間約0.6ミリシーベルト被曝(ひばく)する計算となる。これは自然界などから受ける年間線量(2.4ミリシーベルト)の4分の1に当たる。
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海に流れた汚染水、4700兆ベクレル 低濃度の3万倍
http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY201104210192.html

東電が公表した数値、4700兆ベクレルは、ヨウ素131などの半減期の短い放射性物質を含んでの試算です。
この時のセシウム137の割合は940兆ベクレル(940テラベクレル)

海洋汚染1.5京ベクレル超=東電推定の3倍-原子力機構が試算・福島第1原発
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011090800051

9月8日、日本原子力研究開発機構が試算した数値は、東電試算の3倍の1.5京ベクレル。ただし、この数値はヨウ素131とセシウム137の合計の試算です。この時のセシウム137の放出量の0.36京ベクレル(3600テラベクレル)であったといいます。

そして今回仏放射線防護原子力安全研が公表した数値は、セシウム137だけで2万7000テラベクレル(2京7000兆ベクレル)
東電発表の940テラベクレルと比較すると、およそ25倍程の量にあたります。

仮にこの数値が事実であり、セシウム137とセシウム134の存在比率が1:1であったとすると、5万テラベクレル(5京ベクレル)以上のセシウムが海洋に流出している可能性もあります。
それは海洋に、あるいは海洋を生きる生態系にどれだけの影響をあたえるのでしょうか。

政府発表、あるいは東電発表の数値は、次々と塗り替えられ、全くその規模が想像できないほどになりました。
原子力発電とは、これだけのリスクを抱えてもなお推進しなければならないものなのでしょうか?
原発を推進しようとすることは、まるで地球のあらゆる環境を、あらゆる生命の未来を担保にし、一時の繁栄を得ようとしているように思えてなりません。

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