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今中哲二氏:ベクレル・シーベルトになじみましょう ~放射能汚染時代を語る

2012-02-02 | 震災・原発 | By: sorakuma


※動画の文字起こしではありません。
今中氏の講演や、活動を受けての私の個人的な考えを書いています。

今中哲二氏、京都大学原子炉実験所の助教の講演です。
今中氏はチェルノブイリに何度も足を運び、原子力発電事故が日本で起きたらどうなるかという警告を発し続けてきた研究者の一人です。
福島で発生した原子力事故では、NPO法人とともに飯舘村後方支援チームとして実際に除染活動に携わって来ました。

その今中氏が私たちにまず伝えたこと、それは『ベクレルとシーベルトに馴染んで下さい』というものでした。
もともと、放射能の量や、放射線量の単位など、ほとんどの人にとっては縁のないものです。
セシウムを始めとする放射能は、いまやごくごく身近な私たちの生活圏の中に存在しています。
ベクレルとシーベルトに馴染むということは、私たちが否応なく放射能の中で生活していかなければならないこと、そして、それについて正しい知識を持ち、文字通り私たちに降りかかった現実として意識しなければならないというものです。

今中氏が福島で除染活動の後方支援を行なっていたことは前述のとおりですが、今中氏は過去にこんな言葉を私たちに伝えています。
除染についてもいたずらに可能性を匂わせるのはやめるべき』と。

除染活動と言っても、実際には放射能を除去することはできません。除染活動でできることは、放射能をわずかに移動させることのみです。除染活動には被曝のリスクが少なからず存在し、にも関わらず、強固に沈着してしまった放射能は残留し続けます。
何より問題なことは、現在も毎時数千万ベクレルという単位で、原子力発電所からの放射能が放出されていることです。
また、汚染された瓦礫の拡散や焼却、様々な物資、建材や食料、そして人間自身の移動や生物の活動により、今後も汚染の拡大は続くこととなるでしょう。

日本全国へ拡散しての瓦礫の焼却の問題は特に深刻です。
私たちの生活圏のごみ焼却炉から、放射性焼却灰が拡散し、全国一様に汚染を強いる政策は、今後様々な形での健康被害を引き起こす要因となる可能性があります。
一部報道では、木々の内部にセシウムが浸透していることや、スギ花粉などに放射能が含まれる可能性福島沖や東京湾などの海底汚泥が非常に高いレベルでの放射能が蓄積されていることを報じていました。

こうして、各地に拡散している放射能は、自然の循環、食物連鎖に組み込まれてしまいました。
私たちの食生活は、食物連鎖によって生物濃縮された放射能の汚染の影響下にあります。
山林や海洋が汚染されたことによって、そこに住む動植物は汚染され、風雨すら放射能汚染の懸念が必要となっています。

今中氏が伝える言葉は、放射能と共存して生活しなければならない私たちの現実を伝えています。
原子力発電所が冷温停止した、という政府の言葉が仮に真実であったとしても、それは私たちの問題が収束、あるいは安全であることを意味することではありません。
汚染は、今後数年かけてより深刻なホットスポットを作っていくことでしょう。
私たちが口にする食物も、生物濃縮の影響を受け、より汚染レベルが深刻となるものが判明してくるはずです。
汚染された物資が流通し、それらが最終的にゴミとなれば、汚染された焼却灰として拡散します。
日本で徹底されているリサイクルも、放射性物質を含んだ物資の再利用となる可能性があります。既に汚染物資を建材として再利用し、高線量を放つコンクリートも話題になりました。

一度自然の循環に取り込まれたものを完全に取り除くことは、実際に研究活動として除染を行なってきた専門家が言うように、非常に困難で、不可能に近いことなのです。
放射能の封じ込めに失敗した日本は、今後あらゆる意味で被曝のリスクを抱えて生活をしなければなりません。
飲食物からの内部被曝外気から肺への吸入による内部被曝、そして日々の生活圏での外部被曝のリスク。
そのすべてを避けるには、少なくとも今の日本から離れなければならないでしょう。
つまり、私たちは被曝しながら生活することをある意味許容しなければならないということです。
食物であれば、産地を選び、調理法を工夫したり、取り込んだ放射能を排出しやすくなるものを。
天気予報と同じように、放射能を含んだ風や雨、塵やホコリに注意を払い、吸い込まないように対策を。
放射性物質が滞留しやすい地域や場所には極力近づかない、近づかせないこと。
さらに、自分の身を守るだけではなく、家族や子供に危険性を正しく伝え、彼らを守ること。
そういったことを許容して生活をしなければなりません。

それが、今中氏の言う、『ベクレル・シーベルトに馴染みましょう』という言葉の真意であると私は考えます。
人々への健康被害の深刻さは明らかにはなっていません。ですが、数年の後、統計上誰の目にも明らかになったとき、あるいは、ごく親しい人々が放射能の犠牲となったとき、身を持って実感することになると思います。

私たち個人に出来る範囲で構いません
『花粉症』を避けるために、マスクをするだけでも構いません。
そのリスクが明らかになるまで、出来るだけの『予防・対策』を行いましょう。
それが、私たち自身や私たちの子孫を守ることに繋がると私は考えます。

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