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世田谷区からさらにラジウムの瓶らしきものが見つかる?

2011-11-02 | 震災・原発 | By: sorakuma

大手メディアが世田谷で発見された高放射線量について、ラジウム226の『瓶』が発見されたことを報じています。

世田谷の高放射線量、原因ラジウム?地中に薬瓶(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111101-OYT1T01070.htm

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文科省によると、地表から約40センチ掘ったところに薬瓶が1本あり、この地点の放射線量が毎時40ミリ・シーベルトあった。その真上の地表では同1ミリ・シーベルトだった。放射線量が極めて高いため慎重に作業を進めており、瓶は2日以降に取り出す。
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世田谷・八幡山の高線量 地中に試薬の瓶(朝日)
http://www.asahi.com/national/update/1101/TKY201111010480.html

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文科省によると、高線量が見つかった2カ所のうち、店の敷地内の毎時110マイクロシーベルトの地点を掘削した。約30センチの土壌を分析すると、ラジウムが崩壊してできるビスマス214や鉛214を検出した。

約40センチまで掘ると、試薬瓶の口が見えた。まだ取り出しておらず、中身は不明だ。その表面の放射線量を測ると、毎時約40ミリシーベルトにのぼった。その地表では毎時1ミリシーベルトだった。
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今回発掘されたのは、110μSv/hの地点です。

状況は朝日の記述がより詳細でした。
30センチの土壌では、ラジウムが崩壊することで発生するビスマス214や鉛214が検出されたとのことです。

…確かにビスマス214や鉛214はウラン系列の放射線核種ですが、ラジウム226からビスマス214や鉛214に変化したものが検出された、というのはなんとなく腑に落ちないところがあります。
というのはラジウム226は以下のように崩壊していくからです。

ラジウム226半減期1600年、100%がラドン222へ
ラドン222:半減期3.84日、100%がポロニウム218へ
ポロニウム218:半減期3.1分、99.98%が鉛214へ
鉛214半減期26.8分、100%がビスマス214へ
ビスマス214半減期19.9分、99.979%がポロニウム214へ
ポロニウム214:半減期164.3マイクロ秒、100%が鉛210へ
鉛210:半減期22.3年、99%がビスマス210へ

Wikipedia:ウラン系列より

ラジウム226からラドン222への崩壊こそ半減期1600年と非常にゆっくりですが、そこからの崩壊は急激です。
鉛214の半減期はわずか26.8分ビスマス214の半減期は19.9分のため、長く安定して維持できる核種ではありません。
ほとんど間を置かずに鉛210に変化していくはずです。

にも関わらず、半減期26.8分の鉛214や、半減期19.9分のビスマス214掘削した土壌から『見つかった』のはなぜでしょうか?
それだけ崩壊の速い核種であれば、長期間埋められていたのであれば、少なくとも鉛210にまで変化しているはずではないでしょうか?

まるで、土壌を掘削した際に、ラジウム226であることを関連付けておくために、娘核種である鉛214やビスマス214を配置したかのような、そんな印象さえ与えかねません。

また、今回も瓶が1本埋められているとのことですが、今度の試料は40ミリSv/hだそうです。
前回世田谷で発見されたラジウム226は、600μv/hだったので、その70倍もの放射線量になります。

このスーパーに隣接するもう一箇所の高線量地域は170μSv/hであるといいます。
まさか、そちらにも別の『ラジウム瓶』が見つかるのでしょうか。
まずは、110μSv/h地点の地中に埋まっていた試料の解析結果を待ちたいと思います。

ちなみに、今回の高線量地帯を通報したのは、前回の世田谷ラジウム瓶と同一人物だといいます。
こう立て続けに高線量の試料が見つかるようであれば、人海戦術をもって大規模に計測が行われるべきかもしれません。
自分たちの生活圏のすぐとなりにこんな高線量ポイントがあるなど、誰もが想像していなかったことなのですから。

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11/2追記—-
測ってガイガーに、今回の現場周辺で計測された2μSv/hのデータが投稿されていました。

投稿者により、次のようにコメントされています。
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2μSv/h

計測日:11月1日20時
計測機器:SOEKS 01M
計測場所:屋外(アスファルト) 地表 5cm

首都大の先生が報道に招かれていたようで、ぐるっと測ってごらんということでダウジングやってたら発見。

線源の位置が深すぎる
β線影響が皆無(それだけ線源が遠い)
先生曰く、スペクトル出してもセシウム見当たらない
文科省発表「またラジウムと思われる」

ので、また『湧き出し線源』でしょう。
3カ所も深い位置に線源が出て、いずれもバラバラな位置であり敷地の一番端っこが多く、ブルドーザで表土ごと隅へ追いやられたような痕跡
170μ線源が予測で1msvと思われることからも(濃縮効果にしては高すぎる)、福島セシウムではありません
これのばあいは雨どい排水管や下水管から地中へ漏れるなどしてもっと浅い位置に集中するはずです。

今回の場合、線源は地中深く、密着で測れないためどうせもっと大きな線量なのはわかりきってるので、四捨五入で2としました。
現地は遅くに見つかったので公式には立入禁止にされず、自分で簡単にやっておきました、念のため近づくのはお控え下さい。

by gaogai
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地表深くからの線源で2μSv/hですが…。
世田谷区には何が埋まっているというのでしょうか。

11/3追記—-
世田谷区から公式に発表されていました。
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/020/d00036631.html

区内1箇所で測定された高放射線量について(11月2日)
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(11月2日 情報更新)
本日、正面玄関前の地点において、午前より作業を行い、土壌を含むラジウム226の線源をほぼ撤去しました。なお、当該撤去後に計測したところ、敷地境界は通常の線量レベルですので、周辺環境には影響はありません。
また、本件の敷地に面している区道2か所の地表面で、毎時0.5から2マイクロシーベルトという比較的高い線量が確認されましたが、土のうで被い、しゃへい処理したところ、毎時0.13~0.15マイクロシーベルトであることを確認しました。
なお、引き続き明日も作業を行う予定です。

(11月1日 情報更新)
正面玄関前地点において、本日午前より掘削作業を行い、文部科学省によると線源はラジウム226の可能性が高いとのことです。原因物の特定には至っておらず、引き続き明日も作業を行う予定です。
また、本件については、福島第一原子力発電所の事故とは無関係であるということです。作業中においても、線量の測定を継続しており、敷地境界は周辺環境レベルと同等の値であり、周辺環境には影響はありません。
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