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カリウム40による内部被曝の比較を信じてはならない理由

2011-11-06 | 震災・原発 | By: sorakuma


先日のNHKの報道でもありましたが、内部被曝の影響が放射性物質であるカリウム40と比較されている場合があります。

この時、人体に含まれているカリウムと比較して、~ベクレルしかない…ので、ヨウ素による、あるいはセシウムによる内部被曝は安全です。と主張する番組であれば、それは少し注意して聞いておいたほうがいいかもしれません。

例えば、東大病院の放射線治療担当チームの3月のブログには、次のように書かれています。

福島原発における放射性被ばくの解説
http://tnakagawa.exblog.jp/15135529/

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カリウムは、水や食物などを通して、私たちの体の中に取り込まれ、常に約200g 存在します。その内の0.012%が放射能を持っています。すなわち日常的に360,000,000,000,000,000,000 個の“放射性”カリウムが、体内に存在しています。

“放射性”カリウムは、体内で1 秒間当たり6,000 個だけ、別の物質(カルシウムまたはアルゴン)に変わります。これを「崩壊」と呼んでいます。そして、崩壊と同時にそれぞれの“放射性”カリウムが放射線を放出します。これが内部被ばくの正体です。1 秒間あたり6,000 個の崩壊が起こることを、6,000Bq(ベクレル)と言います。
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要約すると、
人の体の中には莫大な量の放射性カリウムが存在し、それが1秒間に6000個の崩壊を起こしています。
崩壊を起こすときに放射線を発するのですが、その放射線が放出される数が6000Bqということになります。

このエントリでは、放射性ヨウ素を720Bq取り込んだとしても、日常的に内部被曝している放射性カリウムの6000Bqより少ないので、心配することはない、といっています。

本当にそうでしょうか。

よく知られている放射線核種の放射能の強さの違いは、半減期を比較することで明らかになります。

半減期 Bq/g
K-40  12.8億年  26万
Cs-137  30年  3.21兆
Cs-134  2年  47.6兆
I-131  8日  4600兆

半減期の短い放射性ヨウ素、I-131は、1gの量だけで4600兆ベクレル。
反面半減期の長い放射性カリウム、K-40は、1gの量で26万ベクレル。

つまり、半減期の短い放射性核種は、同じ質量でもより崩壊しやすく、放射線を集中的に放つことになります。
放射性カリウムは全身に存在するため、6000Bq存在しても全身でまばらに放射線が放たれます。全身での内部被曝は分散するため、細胞の自己修復によりその影響は薄いものとなります。

ところがその他の核種は、同じ6000Bq存在した場合でも、その質量は放射性カリウムより圧倒的に少ない量(放射線が一箇所に集中しやすい)となります。加えて、これらの放射線核種は、身体の特定の部位に集中するため、より一層集中的に放射線を放つことになります。

ヨウ素であれば甲状腺に集まり、集中的に甲状腺を被曝させます。
セシウムであれば、全身の筋肉に拡散しますが、ラットを使った実験では、唾液腺(甲状腺に近い)腎臓心臓などに顕著に分布することが明らかになっています※。
ラットによるセシウムイメージ|放射線衛生研究 より

放射線は全身に分散しても、細胞の自己修復により回復が可能ですが、一つの器官に被曝が集中した場合、その影響は大きいものとなります。
これら、身体の一点にとどまり、集中的に部位を破壊する放射性核種と、全身のどこかで放射線を出すかもしれない放射線核種を同列に考えてはいけません。

現在問題となっている、食品に含まれるセシウムからの内部被曝に関しては、日々10ベクレルの摂取量であっても長期的には問題となるというデータもあります。

1日10ベクレルの食事がもたらすもの
http://sorakuma.com/2011/10/08/4585

日本政府が定めた暫定基準値では、セシウムは500Bq/kgまで摂取して良いことになっています。
しかし、その基準は全面核戦争時の食物の汚染基準でもあります。

国の暫定基準値は全面核戦争時の食物の汚染上限
http://sorakuma.com/2011/09/24/4209

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国の暫定基準値の500Bq/Kgは全面核戦争に陥った場合に餓死を避けるためにやむを得ず口にする食物の汚染上限です。もしも放射性セシウム137が500Bq/Kgも含まれた食品を3年食べたら致死量に達します。全てが基準値ぎりぎりではないとしても重複内部被曝を考えれば政府の暫定基準値では10年後に半数以上の国民が致死量以上に内部被曝する可能性が95%を超えます。つまり暫定基準500Bq/Kg未満で安全宣言すると言うことは、その食品を食べた人が 10年後に半数は死亡してもかまわないと言っているのと同じだと言うことを忘れないでください。
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2012年4月には、食品に新たな規制値が設定されるといいます。
少なくともそれまでの期間、駆け込み需要のように汚染された食品を『処分』するために『流通』させようとする動きがあるかもしれません。今は暫定基準値以下であっても、新たに設定された基準では出荷できない食品は出てくるでしょう。

その食品を口にする事の意味を、あるいは流通させることの意味を私たちはよくよく考えなければなりません。

武田教授が、セシウムの毒性は青酸カリの2000倍である、として物議を醸した話がありましたが、これはさほど大げさな話ではないと考えます。武田教授の計算する致死量に達するよりずっと前に癌や心筋梗塞、免疫系の異常や腎臓、ホルモンの異常や各種発達障害としてあらわれるからです。

統計に数字があらわれていないからこれらの説を信じない、という方もいるかもしれませんが、その時は、おそらく手の施しようがないほどの事態に他ならないことを忘れてはなりません。

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Comments

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Time 2012年1月3日 at 1:53 PM

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