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NHK:追跡!真相ファイル 「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」

2011-12-30 | 震災・原発 | By: sorakuma


追跡!真相ファイル 「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/shinsou_top/20111228.html

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“生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか?”福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。

しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。

アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域でガンが急増。25年前のチェルノブイリ原発事故で、大量の放射性セシウムが降り注いだスウェーデンでは、ICRP基準を大きく上回るガンのリスクが報告されている。いま、誰もが不安に感じている「低線量被ばく」による健康被害。国際基準をつくるICRPの知られざる実態を追跡する。
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12月28日にNHKにて、低線量被曝の国際基準の実態を明らかにする報道がありました。
その内容は、実に驚くべき内容でした。

日本の放射線量の基準は、生涯で100ミリシーベルト。
それは、ICRP(国際放射線防護委員会)が定める基準によるものです。

それによると、100ミリシーベルト以下の低線量被曝の影響は極めて小さく、ほとんど健康に影響はないとしています。
しかし、本当にそうなのでしょうか。

チェルノブイリ原発事故の影響を受けたスウェーデン。
放射線レベルの低かったこの地でも、癌が増えていました。
食べ物を通じて被害は広まっていったと考えられています。

スウェーデンの人々はこう言います。
『私たちは何も悪くないのに、なぜこんな目に遭うのでしょうか』

国際基準を作ったICRPの当事者たちは驚くべきことを明らかにしました。

ICRP名誉委員は次のように述べています。
低線量のリスクはどうせわからないのだから、半分に減らしたところで大した問題はない
科学的な根拠はなかった。我々の判断で決めたのだ

スウェーデン北部では、ガンが増加しています。
しかし、当時の放射線量は、年間およそ0.2ミリシーベルト
ICRPの基準、1ミリシーベルトの5分の1にあたります。

しかし、事故の前と比べ、ガンは34%増加したといいます

スウェーデンでの放射線対策はどうだったのでしょうか。
事故直後、スウェーデンでは放射能の安全基準を設けています。
人々がよく食べるトナカイの肉は、1kgあたり300Bqが上限となりました。
※これは、日本のコメなどの基準、1kgあたり500Bqより厳しいものです
さらに人々は、肉の食べる量を減らし、体への影響を抑えようとしてきました

なぜガンが増えたのか。
住民の調査を続けてきたマーティン・トンデル博士は、
汚染された食べ物を体内に取り込むこと(内部被曝)によって
リスクが高まったのではないかと見ています。

トンデル博士は、汚染地域で暮す110万人のデータを解析しました。
ガンになった人の被曝量を調べると、10年間の積算で、10ミリシーベルト以下であったことがわかりました。
ICRPが殆ど影響がないとしている低線量でも、有意にガンになる人が増えていたのです。
リスクは外からの被曝だけでなく内部被曝に左右されるのです。』

チェルノブイリ事故の影響ではなく、原子力発電所付近でもガンが多発しているというデータがありました。
原子力発電所を多数抱えるアメリカでの事例です。
ここでは、より放射能汚染の影響を受けやすい子供たちに深刻な影響が出ていました。

イリノイ州、シカゴ郊外では、周辺に3つの原発が集中しています。
原発から排出される汚水には、放射性トリチウムが含まれていますが、アメリカ政府は、
国際基準以下なので影響はないとしてきました。

しかし、この地では100人もの子供たちが亡くなり、慰霊碑に名前が刻まれています。
ガンで死亡することはなくとも、子供たちは深刻な障害、成長を阻害されてしまっています。

過去20年間、1200万人の住人に対する病気の罹患の記録では、
原発周辺の地域だけが、脳腫瘍や白血病の発症確率が30%以上増加を示していました
なかでも小児がんは、約2倍に増えていました

しかし、政府は、井戸水などによる被曝は、年間1μシーベルトで、健康を脅かすことはないと回答しました
逆説的に言えば、上記の内部被曝によっても、統計的に有意な数値でガンの発症が増加しているということになります

国際基準を作ったICRPでは、これらの結果をどのようにとらえているのでしょうか。
ICRPでは、低線量被曝のリスクの見直しを求める議論がされていました。

ICRP科学事務局長のクリストファー・クレメント氏は既に作業部会を作り、議論を始めているといいます。
クレメント氏は驚くべき内容を告げました。

これまでICRPは、低線量の被曝のリスクは低いとみなし、影響を半分にとどめてきたというのです
そして、低線量のリスクを半分にしていることが本当に妥当なのか議論している、と。

今まで、ICRPは、1000ミリシーベルトで5%、ガンによる死亡確率が増加するとしてきました。
しかしその後の日米の合同捜査で、その半分の500ミリシーベルトで5%のガンによる死亡確率が増加していました。
にも関わらず、ICRPは低線量では半分のまま据え置き、引き上げないことにしたといいます

なぜ引き上げなかったか?という質問に対して、クレメント氏はこのように回答しています。
私が委員になる前のことなので詳細はわからない

なぜ低線量のリスクが引き上げられなかったのか。
ICRP設立当時の主要メンバーは17人。そのうち過半数の13人が、各国の核開発や原子力政策を担う官庁と、その研究所の出身者だったのです。
ICRP設立メンバーでICRP名誉会員、チャールズ・マインホールド氏は次のように述べています。

原発や各施設は、労働者の基準を甘くして欲しいと訴えていた
その立場はエネルギー省も同じだった
『基準が厳しくなれば、各施設の運転に支障が出ないか心配していたのだ

米国エネルギー省の内部文書では、ICRPへの要望をまとめた報告書(1990年)にて
低線量のリスクが引き上げられれば、対策に莫大なコストがかかると試算し、懸念を示していたのです。
マインホールド氏はアメリカの他の委員と協力し、リスクの引き上げに強く抵抗したといいます。

アメリカの委員が、低線量では逆に引き下げるべきだと主張したのだ
『低線量のリスクを引き上げようとする委員に対抗するためだった』

その後ICRPは、原発などで働く作業員のために、『特別な基準』を作ります。
半分のまま据え置かれた低線量のリスクを、さらに20%引き下げ、
労働者がより多くの被曝を許容できるようにしたのです。

労働者に子どもや高齢者はいないので、リスクは下げてもよいと判断した
科学的根拠はなかったが、ICRPの判断で決めたのだ

ICRPが守っていた基準は、誰のためのものだったのでしょうか。
それは、ICRPの予算がどのような団体から拠出されているかを見るとうかがい知ることができます。

2010年ICRP予算:617,168ドル

 1.  アメリカ原子力規制委員会  250,000ドル
 2.  欧州共同体委員会  130,455ドル
 3.  ドイツ原子力安全省  115.021ドル
 4.  日本原子力研究開発機構  45,000ドル
 5.  カナダ原子力安全委員会  40,000ドル
 .

ICRPは、各国政府の原子力製作を推進する団体の寄付によって成り立っています。
ICRPというと、日本では科学的な情報を元にした根拠となっていましたが、そうではありませんでした。
その実態は、各国政府の原子力政策を受けての政治的判断を下す集団なのです。

ICRPが低線量被曝のリスクを実際の半分、さらにそこから20%リスクを過小評価しても守りたかったもの
それは、労働者や周辺住民の健康財産ではなく政府による政治的な判断でした。

日本の放射線リスクの安全基準は、いまICRPの基準を元に決められているといいます。
しかし、ICRPでの基準を定めた彼ら自身が言うように、それは人々の健康を守るための基準ではありません

たった0.1~0.2ミリシーベルトの内部被曝から、30%もの人々のガンを発症させてきたという事実がそれを物語っています。

放射性物質が全国に拡散され、農作物や加工食品という形をとって、国民が総被曝を余儀なくされている
日本では、いったいどれほどの自体が発生することになるか、想像もつきません。

汚染の強かった地域では2012年から、汚染がごくわずかの地域でも20年以上隔てたのち、
誰の目にも影響が明らかになったとき、責任を取るべき為政者は、もう誰もいないのかもしれません。

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