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ドイツZDF:この地方を除染するのは不可能だと思う

2012-06-19 | 震災・原発 | By: sorakuma

ドイツZDF「放射能ハンター」
http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-621.html

吹き替え、そして文字起こしされていたものを紹介させて頂きます。

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チェルノブイリ封鎖区域のまん中、汚染されたゴーストタウンが建つ、人の住めない場所に進んで立ち入る男、エフゲン・ゴンチャレンコ、彼はハンターなのだ。
真実を求めてウクライナそして日本に足を運ぶ“放射能ハンター”
放射能汚染がどれほど深刻か、人々は彼に尋ねる、身の危険を冒して、彼はその真実を追う。大きな危険だ「ここはひどい汚染地帯だ」チェルノブイリ、そして福島で何かが隠蔽されているのか?

(キャスター)
原発事故が起こるとまず真実を隠すシステムが、いつのまに出来上がったようです。26年前チェルノブイリで事故を過小評価したのは、ウクライナの責任者達だけではない。
当時のドイツ政府もそして特にフランスも同様でした。

今年は福島原発事故から1周年、今回も明らかなのは、同じ隠蔽の手口、その事情によく通じているのが
ウクライナのジャーナリスト、エフゲン・ゴンチャレンコです。
彼は自分のデータと調査しか信じなくなりました。
何年も前からです、まずチェルノブイリの経験から、そして今回は日本のデータと真実を求めて、彼は放射能汚染に闘いを挑みます。

「放射能ハンター」
1.死の地帯で
タチアーナ&アレクサンダー・デーティク監督

オパチチ村チェルノブイリ原発からわずか15キロ。エフゲン・ゴンチャレンコは、今回もまたハンナ・サヴヨタラを訪ねる。
愛情をこめて“バーバ・ハンニャ”と呼ぶ。
本来誰も住んではいけない土地に25年間住んでいる。
妹と二人健康そのものだ。

「私はもう79歳よ」
「妹は74歳、子供の時から障害者なの」

役人が帰郷者をどのように扱っているか。
エフゲンは聞く「彼らはここの放射能測定してる?」
「ええ、いつも何かしら持ってくわよ」「キャベツとかニンジンとか水とか」しかし誰も彼女に結果を知らせない。
エフゲンは自分の手で数値に変化がないか調べる。
「まったく普通の数値だ。僕のキエフのアパートの数値の方が高い」

「ここは私のふるさとよ」
「自分の母親を別のと取り替えたくないでしょ?」
「ふるさとも同じこと」
「だから私はここに戻ってきたの」
「放射能? 見えないわ」
「私は歯がないから噛まないのと同じよ」
「不安に思う理由なんてないわ」
「移住した可哀想な人達も居残った方が良かったのよ」
「移住先は異郷だからね」

事故当時この村にとって風向きが良かったことをエフゲンは突き止めた。バーバ・ハンニャの住む場所は、雨もほとんど降らなかった。
老女が元気に住んでいられるのは、そのために過ぎない。11年前からエフゲンは自主的に、チェルノブイリ封鎖区域を訪れ続けている。

ジャーナリストの彼は 今でも役人によって隠蔽・改竄されている危険があるか追求する。
彼ほど封鎖区域を熟知する者はない。
原発作業者達から「エキスパート」と呼ばれている。自らの汚染調査のおかげで住民達に危険を説明し警告できる。
その知識と経験をエフゲンは、日本でも生かしたいと考える。

658平方kmの汚染された土地、放棄された住宅13,500戸、避難民5万人。
かつて活気に満ちた町だったプリピャット、今では生命を危険にさらす汚染地だ。
ここでは事故の規模がはっきりわかる、エフゲンの放射能測定器は この町が何千年も居住不可能であることを示す。
この場所に長くいる者も健康を害する危険にさらされる。

「多くの人々がこの町が永久に失われたことを認められず」
「2000年まで町を整備する努力が続けられていた」

エフゲンはヴァレリー・サビヤーカに会う、事故当時プリピャットに住み避難を自ら体験した。
「4月26日、町では6件の結婚式が行われ」
「子供達は戸外で催し物に参加した」
「しかし27日学校の2時間目の後子供達は家に返された」
「3日間町から避難するだけだと説明された」

しかし真実は別だった。
後に封鎖されることになった全地域から、およそ11万5千人が永久に出て行かなければならなかった。
事故の2週間後、住民達は家財道具を取りに戻ることを許された。
以後ここに踏み入ることは禁止された。この丘の下にはコバチ村が埋もれている。原発から約4キロ村は永久に埋められた放射性墓地である。
ウクライナの生態学者アレクセイ・ヴィトミツキィも科学調査のためにエフゲンの知識を利用する。

「汚染は均質に広がるのか?それとも点在するのか?」
「専門書が書いているように中心から同心円状に広がるわけではない」
「5キロ、10キロ、20キロ, 30キロと」

事故から1ケ月後封鎖されるべき区域は、新たに測定しなおされ、円形から今日の形に修正された。
ある地域は風の難を逃れ別の地域には風が死を運んできた5号機と6号機の周辺のどこが今でも特に危険かエフゲンは調査する。

いわゆるホットスポット探し、見つかった原子炉から直接飛んできた物体が散らばっている。
とっくに密閉容器に収納しなければいけないはずだ。
防護服なしでは数分間しか留まれない数値だ、真実を暴くためエフゲンは身を危険にさらす。チェルノブイリ封鎖区域境界の検査所区域から出て行く者は丹念に検査される。

「幸いにもここでは少なくとも住民は保護されている」とエフゲンは言う。

服、靴、車、汚染された物は何一つ封鎖区域外に持ち出せない。エフゲンは元消防士のパヴロ・ネティオサに会う。
26年前救助活動をした人々がどのように事故を生きたか知るためだ。当時とすっかり風景が変わってしまったが学校だけはまだわかる。

「この学校はただ水で除染したんだ」
「何度も」
「それでも線量は高かった」
「仕事は成功したの?」
「勿論。当時屋内と外との線量を測定して比べると戸外は10倍高かった」

エフゲンは、測定に際して当時数値が改竄されたことを知った。

「封鎖区域で働いていた期間の私の被曝量は、180ミリシーヴェルトと言うことになっている」
「本当の数値を知った人はいますか?」

パヴロは年中頭痛に悩まされていると話す。チェルノブイリで働いて以来消えることはないしかし彼は運が良かった。当時の同僚のほとんどは死んでしまった。
ソ連軍から当時何千人もが除染活動を志願した、いかにそれが危険な仕事か26年前誰も彼らに知らせなかった。
人が生きるか死ぬかは、当時政府が決定した。福島でも人の命が天秤にかけられていると…
エフゲンは推測する。
彼は日本の環境保護運動家に招待された、彼らには原発事故に関するマスコミ報道がうわべだけの断片的なものに思える。

エフゲンは真実を暴く手助けを出来るだろうか?

「日本人が原発事故にどう対処するかを見るのは、もちろん僕にとって興味深い」
「今では世界中がチェルノブイリを体験しているからだ」
「当時の僕達は、何をどうしたらいいかわからなかったと言い訳できる」

チェルノブイリは必然的に、放射能汚染実験場になって行った。少なくとも今日福島の人々が真実を知らされることをエフゲンは望む。
いかに生活が危険であるかを原発事故直後エフゲンは東電に援助を申し出ていた。
しかし断られた。
「国外からの助けは必要ない」と言う返信が来た、環境保護運動家ハシモト・ケンゾウは違う考えだった。
エフゲンのチェルノブイリでの経験について知った彼は、エフゲンの知識と体験にあずかりたいと、彼を日本に招いた。
ケンゾウは福島県の出身だ。
県民の健康をとても心配している、二人はまず東電の本社を訪れた、今日もデモが行われている。
この数ヶ月間頻繁になったことだ、今日は「福島の女たち」が怒りを東電にぶつけにデモに来ている。
前線は見るからに険悪化している。
一方には東電幹部達、対するのは心の高ぶった被害者達神経戦である。
「何故3.11前は福島に来たのに今は来てくれないのですか?」
「何故福島に来なくなったのですか?」
「何故私達の所に来てくれないのですか?」

彼女の質問には、今回も答えはなかった。南相馬地方は福島第一原発からわずか20キロほどに位置する。
汚染状況の第一印象を得るために、エフゲンは現地の住民に会うことにした。日本政府は未だに放射能の測定に取り掛かっていないと男達は話す。
住民達はNGOの協力を得て自らの手で測定を始めた。

「地方のいたる所で集めたデータをもとに測定ルートを決めます」
「可能な限りたくさんのデータをセンターに集め、分析し」
「東京で信憑性の高い地図を作成します」

彼らは最新の機器を使って測定しているが、異なるデータを分析出来るだけの経験を身につけているだろうか?測定値に目を通したエフゲンは不審感を覚えた。
恐ろしい疑惑が彼を襲う。
もしかして日本政府は、誤った封鎖区域を設定したのか?自ら測定を行うため エフゲンは、20km圏禁止区域との境である山に行き、まず最初に驚いた。
封鎖区域への入り口は、誰にも監視されていないのだ。測定される線量は自然放射線の100倍、境界線上でさえこの数値だ。

「そんなに高いのなら 境界線をもっと広げる必要がありますね」
「いったいどのように計ったのかわかりません」
「ちょっと不思議ですね」

ここに長く留まる者すべて命に関わる線量。

「この地方を除染するのは不可能だと思う」
「あまりに広大なうえに斜面だ」

エフゲンの見つけた、立ち入り禁止区域への別の入り口は、警察に監視されていた。
特別許可証を持つ者は、出入りを許される。
しかし一台の車両も放射能汚染検査されないことに、エフゲンは驚く。
チェルノブイリでは、今でも検査を行っている。
原発から55キロ政府に寄ればこの水田は、安全な場所にあると言うことだ。
ケンゾウは官僚を信用せず、エフゲンと二人で真実を調べる。

「ここに生えるものは もちろんすべて放射性物質を取り込む」
「この地方の植物を食べるのは非常に危険だ」

ここに育つものはすべて汚染されている、しかし誰も農家に知らせていないようだ。
何故そんなことが起こるのか?
事故後政府は立ち入り禁止区域を同心円状に設定した。
しかしそれは実際の汚染状況とは一致しない、風は北西部に放射性物質を運んだ。
チェルノブイリでは事故後まもなく、実際の汚染状況に応じて禁止区域は修正された。
何故福島でも同じことを行わないのか?
エフゲンは歩道を除染中の男達を見つけた、地方のあちこちで ボランティアの除染グループが見られる。
もっとも簡単な形の除染さえ政府や東電は未だに引き受けないと住民達は語る。子供の通学路さえ未だに安全でないことを役所が気にしないことにエフゲンは驚く。

三春町 人口2万人町長の鈴木義孝がエフゲンを待っている。ウクライナから来た放射能ハンターの中立の測定に期待しているのだ。
事故後すぐに町長は 官僚システムは、時間が掛かり過ぎることに気付いた。三春町の住民にとっては長すぎる時間だボランティア達はまず、町の一番重要な場所を除染した。
小学校である、そして校庭と運動場の汚染した表土を除去した。
ボランティアの除染が終わるのを待って、役所は国の測定器を設置した。現在の線量は当然正常だ。

「この町はやらなければならいこと、特に学校の除染をきちんと最初に行った」
「これは大切だ子供達が長い時間過ごす場所だからね」
「ここで遊ぶし、そうすれば埃が立つ」
「簡単な方法で除染したようだが私の見る限りとてもきれいになった」

しかし除去された土は 学校の横の穴に土を掛けて一時保管されている。
ここの線量は今でも高い。
この場所を柵で閉鎖するよう、エフゲンは町長にアドバイスする。

「私達も土を別のところに運びたいのですが」(鈴木義孝、三春町町長)
「その場所はどこにもありません」
「誰も引き受けたいとは思いません」
「政府は処分場を作ると言っています」
「それまではここに保管するほかありません」
「住民も了解しています」

調査を続けるエフゲンは、見捨てられた町にたどり着いた。防護服を着てここに集まった男達も、除染活動のための新たなボランティアだ。
汚染された落ち葉を集めたり表土を除去したりする。ビニールシートの下に一時保管される放射性廃棄物、エフゲンはボランティア達が仕事のトレーニングを受けているか尋ねる。

「特にトレーニングは受けていません」(タカシマ・カズキ、ボランティア)
「すぐわかる簡単な仕事ですから」

これ以上ない危険を伴う仕事である、不注意な者は被曝をし数年後に癌や白血病になる危険がある。

「ビニールシートの上は毎時25マイクロシーベルトだ」

自然線量のほぼ200倍の数値である。
本来このゴミは安全な密閉容器に入れて何千年も保管されるべきだとエフゲンは言う。しかし日本では今のところそのような指令はまったくない。
この場所も 26年後にはチェルノブイリの封鎖区域と同じ状態になっているかもしれない。今でもチェルノブイリには、高濃度放射性廃棄物が転がっている。

エフゲンとケンゾウは原発が今どれくらい安全になったか知りたいと思った。原発作業員が情報を提供してくれた。

「放出される放射能の量は事故当初に比べて非常に減少しましたが」(福島原発作業員)
「今でも大量に飛んでいます」
「今でも大変な量で2,3,4号機はまだカバーを付けないといけない」
「チェルノブイリでは6ヶ月で事故は制御されました」
「福島はもう9ヶ月も経つのに 何故コントロールさえできないのか?」
「理由は簡単です」
「福島はチェルノブイリの4倍問題がある」
「4基の事故をコントロールしないといけないからだ」
「我々から見ると問題は東電にあるように思えるのですが?」
「問題は東電ではない」
「日本政府です」
「チェルノブイリはソ連軍を使うことが出来た」
「軍隊がすべてを指揮してすべてにおいて大きな力になった」
「自衛隊は3号機が爆発した時現場にいたのに怖気づいて逃げてしまった」
「一万人の自衛隊が協力していれば作業もずっと進んでいたはずです」

ふたたび地域の調査に戻る。エフゲンとケンゾウは独自の測定から、ここも本来避難させるべきだと突き止めている。
彼らの推測通り、同心円状に設定された封鎖区域は、間違っているのだ。この子供達は自分達の置かれた危険を知らない。
政府も、彼らが安全な場所に避難できるような政策は取らない。避難したい住民は自主的にすればいいと言うのが公式表明だ。

「幼稚園の除染が終わって今度は子供達の家を除染します」
「私も毎週他のボランティアの人達とまるで風車と闘うドンキホーテだ。」

癌を発症するリスクは明らかに高くなっている。幼稚園の横で測定を行ったエフゲンは、心配が現実であることを確かめた。

「当時のプリピャットと同じ状況だ」
「プリピャットでも除染が試みられた」
「何度も何度も洗って線量は確かに下がった」
「しかしとうとうある時無意味だと認めざるを得なかった」
「汚染地帯の真ん中にきれいな町を保つなんて」
「どうやって人々は生きたらいいんだ?」
「ここも同じ状況だ」
「幼稚園は除染をして線量を下げることに成功した」
「だけど数m先の線量は特に子供には危険な高さだ」
「非常に心配な数値だ」
「うまく行くわけがない」
「今子供達は幼稚園の中だけど終われば 境界の外に遊びに行ったり」
「町の汚れた道を走り回ったりする」

残念ながらエフゲンの結論は、希望を砕くものだった。

「僕は毎日たくさんの人々と話をし」
「原発から20キロのひどい汚染地域に行った」
「人々は重要な情報の多くを知らないことに気付いた」
「単純に知らされてないんだ」
「放射能の影響や危険についてあまりに知らな過ぎると思う」
「それは日本政府や環境省が幾つかの事実を無視をしているか」
「隠蔽しているからに違いない」
「上層部の責任者達がそうした基礎知識を持っていないとは思えないからだ」
「今回の調査を楽観的な結論で、締めくくりたいと望んできたが」
「肯定的な言葉が見つからない…」
「正直言ってただ呆然としている」

(スタジオ)
ただ想像を絶します。
日本政府は原子力利権という祭壇に、国民を生贄として捧げているのです。東電は長年に渡ってずさんな安全基準で通して来ました。
安全対策にもっと投資していれば、大事故は回避出来ていたかもしれないのです。

こうした不都合をエフゲンのような放射能ハンターは、他の国でも暴露します。
例えばアメリカやスペイン。
詳しくは次回のプラネット・エー番組でどうぞ忘れられた爆弾、その残留放射能は地中に埋め隠された
多くの地域を脅かす隠された危険である。
放射能ハンターはそうした痕跡も嗅ぎ出す。プラネット・エーは秘密の爆弾とその残留放射能を追跡する。
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