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NHK:放射性物質は大丈夫?まるごとチェック!あなたの食卓に関する不審点[更新]

2011-10-30 | 震災・原発 | By: sorakuma



10月17日に放送されたNHK放送、『放射性物質は大丈夫?まるごとチェック!あなたの食卓』で、各家庭の一週間の食卓の放射性物質量が検査されました。
一見すると、各家庭の放射性物質はほとんど検出されず、内部被曝の影響はほとんどないかのように報道されています。
ですが、その後検査結果にはいくつかの不審点がありました。報道自体が、食品からの内部被曝はないという前提で作成されたプロパガンダだった可能性を考えつつ、データを再検証したいと思います。

放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査|N H K あさイチ
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/01.html

各家庭のメニュー一覧
北海道 札幌:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_1.pdf
福島 郡山:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_2.pdf
福島 須賀川:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_3.pdf
東京 江戸川:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_4.pdf
東京 目黒:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_5.pdf
大阪 岸和田:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_6.pdf
広島 廿日市:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_7.pdf

測定結果一覧
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04.pdf

1.検出されたカリウム40(K40)の量について
水に対するK40の量については、K40の量は各家庭につき、1リットルあたり200~300ベクレル
これは、ミネラルウォーターの1,000倍ものカリウムが入っていることを示しています。

コメに関しても同様です。
コメに対するK40の量については、K40の量は各家庭につき、1kgあたり300ベクレル前後。
通常、白米1kg中の放射能強度は33ベクレル(Bq)ほどなので、その量は通常のコメの10倍近いものです。

その他の食品に関してもK40の割合が非常に多くなっています。
実際の食品に含まれるK40の量と比較して、考えにくい量が計測されています。

2.ゲルマニウム測定の秒数は適切か

厚生労働省が公開している資料、緊急時における食品の放射能測定マニュアルを参照しています。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf

ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法については、資料の9ページより記載があります。
下記は11ページの表です。

複数の放射線核種を含んでいることが想定される場合の検出限界が緊急時、含まれる放射性物質が限定されていることが想定される場合の検出限界を平常時としています。
後者の基準であれば、7200秒、あるいは30000秒の測定時間は妥当なものであったと考えられます。
ただし、複数の放射線核種が存在している前提だった場合は、前者の基準となり、数値の意味は大きく変わってきます。

3.検出限界が明らかにされていないことについて
資料では、Cs137やCs134などについて、
測定値0 誤差0 検出限界0
という結果が出ていますが、不検出であったとしても検出限界値は存在するはずです。
検出限界値が0というのは、少なくとも7200秒間の測定ではありえないはずです。
また、ほぼ同量存在するはずのCs137とCs134がある程度検出されているにもかかわらず、もう一方が検出されていない点にも矛盾があります。

4.バックグラウンドの差分はどうなったか
ゲルマニウム半導体検出器におけるバックグラウンドの考え方については、緊急時における食品の放射能測定マニュアルに以下のように記載されています。

—-
バックグラウンドの測定結果において、ピーク探査によってI-131、Cs-137 のピークが認められ、ピーク面積が計数誤差の2 倍を超えた場合は、試料のピーク面積から差し引く。計算には、試料の前後に測定したバックグラウンドの平均値を用いる。
—-
測定において、バックグラウンドの数値が有意なものとして差し引かれるためには、ある程度のCs137やCs134のピークが認められる必要があります。今回の測定結果が正しくバックグラウンドを算出しているならば、計測データとしてそれを公開する必要があります。
今回の検査では、各試料について、どういったバックグラウンドを検出し、どのように計算が行われたのか、明らかではありません。

5.カリウム40による年間被曝量について

報道では、下記のカリウム40の年間被曝量は610μSv/年であることを強調していました。
しかし、この数値は明らかな誤りです。カリウム40からの被曝量は通常170μSv/年であると言われているからです。
なぜこのように誤った数値が強調されて報道されたのでしょうか?

6.調査の結果の再検証について
番組で紹介されたデータは、現在Web上のリンクが削除されています。
その上で、データに誤りがある可能性について示唆するコメントが記載されていました。
—-
番組で行った『食卓まるごと調査』について、視聴者の皆様から多くの反響をいただきました。
その中で、データの精度についてのご指摘もありました。
そこで現在、調査を担当した首都大学東京と、外部分析機関の協力を得て、データの再検討を行っています。結果が出次第、改めてホームページで公表いたします。
—-
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/01.html

上記6点のどの項目をとっても、この検査が信頼に足るものではないことを示しているように見えます。
検査は首都大学東京の研究室が行なっているとのことですが、これらのデータが妥当なものであるか、公正中立な第三者機関、できればドイツなどの検査機関において再検査されるべきだと思います。

少なくとも現段階において、現状の検査においては各食卓の安全性を示すことができる根拠は薄いと考えます。
NHKが不確定な情報を元に安全を謳った報道を許してしまったことは残念でなりませんが、公正中立な第三者機関の手によって行われた検査を公表することで、信頼の回復に努めて頂きたいと思います。

11/1追記—-

番組で測定を行った福士政広教授が、検出結果について、測定器の調子が悪かったとのコメントが紹介されていました。

NHK『放射能大丈夫?食卓まるごと大調査』、デタラメデータで世論誘導&安全宣言
http://blogs.yahoo.co.jp/purelys9/6905642.html

—-
福士政広教授「測定器の調子が悪かった、現在再分析中」

測定値の信頼性は、本当に確保されていたのか。実際に測定を行った首都大学東京健康福祉学科放射線学科の福士政広教授に話をうかがった。

–基本的なところなんですが、測定データをみると、検出されなかった場合、「測定値ゼロ、誤差ゼロ、検出限界ゼロ」と表記されていますよね。公的機関の分析などでは「検出限界以下」と表現されているようですが、今回のデータでは、検出限界もゼロというのは本当なんでしょうか?

福士氏:測定器自体が非常に不安定な時に測定していたということもあって、そのすぐ2,3日後に重要な部分が壊れてですね、修理に出して1週間前くらいに返ってきたという状況です。そういう状況だったので検出限界は手計算でやっていたんです。グラフに示されている検出限界の単位ですが、キログラム当たりのベクレルではないんですね。そう表記すればよかったのでしょうが、誤解を招くようですね

–それで、検出限界をキログラム当たりのベクレルにすると、どれくらいに相当するんでしょうか。

福士氏:5ベクレル/kgくらいになると思います

–ということは、4ベクレル/kgということでは不検出、ということになるんですね。

福士氏:そうですね、そういう形になりますね。

–それと、カリウム40の値があまりにも不自然だと思ったんですが。私がおかしいと思ったのが、水と食事が同じくらいという点。これくらいのカリウム40がでているとしたら、水が1リットル当たり10g以上カリウムが入っていることになります。そんな水は飲めないだろう、と。

福士氏:なるほど、そうですね。カリウム40については、校正が非常に甘いということがあったので、そちらは高めに出ることは予想されていました。この辺りは数値が10カウント位上がるとそうなってしまうんですよね。カリウム40に関しては信頼性がないので出したくなかったんですけどね。カリウムは、当初は測るつもりはなかったんですけど、途中から測ってくれとNHKから言われて、途中から入れたのもので…、いろんないきさつがあるんですよ

–NHKから連絡がありましたか?

福士氏:ちょうどいま数値に関しては、ばらつきが大きいということで再調査しましょう、ということになっています

–カリウムについてNHKの方から要請されたという話ですが、番組の中で、東京の江戸川区の、非常に食材の産地に気を使われている家族を例に、セシウムによる被ばく線量に比べて、天然のカリウム40による被ばく量が圧倒的に多いんですよ、と説明しているんですよ。

福士氏:そうなんですか、私、全然見ていないものだから。NHKの使い方はちょっとおかしいな、カリウムを線量計算して比較すること自体、ナンセンスですよ。体に取り込まれている量は決まっているので…

–カリウムデータのそういう使い方がおかしいのと、さらにそのデータも間違っているのでは、二重に間違っているわけですよね。また、セシウムも福島事故由来だとするとセシウム134と137が大体1:1の割合で出るはずだと聞いたのですが、今回は、どちらか片方しか検出されていませんよね。

福士氏:実は今回の測定では、セシウム134については、実は違うものを検出していた可能性があります。ビスマス214という別の核種のピークを検出して、それをセシウム134だと誤認した可能性があると。再分析している最中なんですけど、それはほぼ確実です

–セシウム137については。

福士氏:全部測った中では、一か所だけ137だけが出ているものだけは、確実に出ている、といえるでしょう。でも134が検出されていないので、それは福島由来とはいえないですね

–でもNHKでは全部、福島第一原発由来のように話していましたよね。

福士氏:私は福島由来ではないと思いました。たぶん福島由来だったら両方出てくるんだと思うんですよね

–結局、今回放送されたデータは、いずれも訂正が必要ということなんですね。

福士氏:現在、校正をし直して、また別の機関とクロスチェックをしよう、ということでやっています。今回の数値データは少し高めに出ているのと、別のものを検出している可能性が高いのと、カリウムはかなり高めに出ているので、真の検出結果は、より安全側というか、ほとんど検出されないということになると思います。報道されたデータよりも、より安心できる測定結果になるでしょう、ということなんですよ

福士教授は、測定データの誤りのせいで実際の値より大きな値が出ていたという点を強調して、実際は、もっと少ないのでより安全だ、と強調される。しかし、その逆の可能性もあるのではないかと心配になる。

—-

福士政広教授によると、調子の悪い機器で測定し、K40はNHKに言われて測り、セシウムは別の核種を誤検出していた。でも、食品中の放射能は実際はもっと少ないので安全だ、ということになるそうです。

NHKによると、再検討したデータについては、12月15日に特集で取り上げられるとのことです。
風評被害を招かないような、厳密な報道が行われることを期待します。

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