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放射性物質の移行係数を過信してはいけない可能性

2011-11-21 | 震災・原発 | By: sorakuma


コメに対する放射性セシウムや放射性ストロンチウムの移行について、興味深いエントリがありました。

【放射能汚染食品】稲・白米への放射性セシウム、放射性ストロンチウム90の移行係数はあてになるか?
http://safe-food.seesaa.net/article/234531460.html

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イネにおける部位別乾燥重量とストロンチウム、セシウムの分布割合

放射性ストロンチウム90
 白米:1%
 ヌカ:2%
 もみ殻:4%
 ワラ:87%
 根:6%

放射性セシウム137
 白米:7%
 ヌカ:10%
 もみ殻:7%
 ワラ:73%
 根:3%

乾燥重量
 白米:34%
 ヌカ:4%
 もみ殻:8%
 ワラ:50%
 根:4%

出典:SPA!が(財)環境科学技術研究所の資料を基に作成した資料

(財)環境科学技術研究所の塚田祥文氏の調査によると、イネが土壌から吸収した放射性核種がイネ全体に移行する割合は、ストロンチウム90が0.09%、セシウム137が0.003%。そのうちそれぞれ1%、7%が白米部分に移行し、大部分が藁など“食べない”部分に移行するという。

一方で、まったく逆のデータもある。田崎和江・金沢大学名誉教授が福島県飯舘村の水田の土を使ってイネを栽培し、収穫したコメ(籾米)から2600Bq/kgのセシウムが検出されたという。藁は2200Bq/kg、根は1500Bq/kgで、土壌の線量は5万Bq/kg。塚田氏のデータとはまったく違う数値が出た。「可食部の放射線量が最も高くなり、衝撃を受けた」と田崎教授は語っている。二本松市の検査では、500Bq/kgを超えたコメがつくられた土壌は3000Bq/kgだった。土壌からの移行率が高すぎる。これはどう考えたらいいのだろうか?
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セシウム:山林に囲まれた農地の稲 高濃度傾向…東大調査
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20111120k0000e040022000c.html

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東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の稲への吸収率は、品種や土壌によって大きく差があることを
東京大大学院の根本圭介教授(栽培学)が突き止めた。19日に同大で開かれた研究報告会で発表した。山林に囲
まれた農地で育った稲から高濃度の放射性セシウムが検出される傾向があるといい、根本教授は「高濃度が検出さ
れた環境を比較して共通項を調べれば、汚染を未然に防ぐことができるかもしれない」としている。

根本教授は、高濃度に汚染された土壌で稲を育て、稲の品種や土壌の種類によってセシウムがどの程度吸収される
かを研究。品種では、国内で多く栽培されているジャポニカ種よりも、長粒のインディカ種でセシウム吸収が少な
かった。土壌については、粘土質の多い「灰色低地土」で育てた稲の吸収率は、粘土質の少ない「褐色森林土」の
10分の1だった。
また、9月に福島県二本松市産のコメから暫定規制値と同じ1キロあたり500ベクレルの放射性セシウムが検出
された問題について、根本教授は「問題のコメが作られた農地は周辺が山林に囲まれていた。山に降り注いだセシ
ウムがかんがい水とともに水田に流れ込み、稲が吸収した可能性が高い」と指摘した。
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これに関連して、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染の研究をされている民間研究所ベルラド放射能安全研究所(ベラルーシ)の副所長、ウラジーミル・バベンコ氏が、次のような発言を行なっています。

ウラジーミル・バベンコ氏記者会見質疑(2011年10月12日)
http://sorakuma.com/2011/10/28/5015

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…土壌がより多く汚染されているからといって、そこで必ずしも非常に汚染された野菜や農作物ができるとは限らないからです。現在、我々は食品の測定データを集めまして、そのような結果を得ています。つまり、必ずしも比例するものではない。そのような、ここが大変高度な汚染地域だと言われているところでつくられた食品も、必ずしも高い汚染をしている食品が必ずできるとは限らないからです。
私たちは、例えば100カ所のいろいろなレベルの汚染地域でとれた食品について測定を行ってきましたが、高い汚染地域だから必ず高いところ、低い汚染地域だから安全な食品・農作物がとれるといった、そのような直接的な関係が認められませんでした。
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植物が、カリウムをセシウムと誤認して摂取している以上、カリウムがどれだけ土壌に豊富に含まれるか…などの外部要因にも大きく関わってくる事になると思います。
日本においても、セシウムの移行を防ぐために、土壌に豊富にカリウムを与えるなどの方法(実際、日本の土壌にはチェルノブイリの土壌と比較してカリウムが豊富であるそうです)が有効であるとされています。

土壌から農作物への放射性物質の移行について、一概に移行係数を当てはめたり、分布割合を定めたりすることはできない可能性があることを認識しておく必要があると思います。

日本で作付されるコメは、5000Bq以下の水田に限られるといいます。
しかし、3000Bqの土壌からのコメが500Bqを超えていたのが事実であれば、本格的な検査体制の見直しが必要となるのではないでしょうか。
なぜなら、コメの検査はサンプル検査。
『新米検査は、新潟県「43万袋に1袋」 茨城県「3万袋に1袋」(サンデー毎日)』であると言われています。
そういった割合でしか検査されていないものに対して、暫定基準値に迫るような、あるいは暫定基準値を超えてしまうような放射性物質が検出されるのはどういう状況か、今一度考えなければなりません。

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