ウラジーミル・バベンコ氏記者会見質疑(2011年10月12日)
動画全文文字起こし:合同会社ハルクアップ
【動画音声書き起こし】ウラジーミル・バベンコ氏記者会見質疑(2011年10月12日)
http://haruku-up.jp/blog/tape/20111012/
気になった部分を抜粋しています。
土壌がより多く汚染されているからといって、そこで必ずしも非常に汚染された野菜や農作物ができるとは限らない
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…4つのゾーンに区分けすることにベルラド研究所が反対しているのかといいますと、土壌がより多く汚染されているからといって、そこで必ずしも非常に汚染された野菜や農作物ができるとは限らないからです。現在、我々は食品の測定データを集めまして、そのような結果を得ています。つまり、必ずしも比例するものではない。そのような、ここが大変高度な汚染地域だと言われているところでつくられた食品も、必ずしも高い汚染をしている食品が必ずできるとは限らないからです。
私たちは、例えば100カ所のいろいろなレベルの汚染地域でとれた食品について測定を行ってきましたが、高い汚染地域だから必ず高いところ、低い汚染地域だから安全な食品・農作物がとれるといった、そのような直接的な関係が認められませんでした。
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日本は原子力発電をどうすべきか?
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まず初めに私は原子力発電所側の人間ではありません。しかしながら、日本という大国がどれほどのエネルギーを常に必要としているのかを想像しますと、やはり原子力からほかのエネルギー供給をする方向に転換していくほうがよいと思います。どうしてかというと、やはり国の発展のためにはエネルギーが必要であり、日本はエネルギーをたくさん必要としています。エネルギーを供給していくためにも、ほかの方法を考え、そちらに移行していくほうがいいと思います。エネルギーがないからといって、それをどんどん省略していこうとは考えずに、今使っているエネルギー量を減らすことなく、今の状態をできるだけ維持する方向に進んでいくほうがいいと思います。
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日本において、チェルノブイリと同様、原子力事故による病気が多発するか?
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日本で全く同じような、チェルノブイリ原発事故で起きたのと同じ影響が日本でも始まるのかといいますと、絶対にそうだとは言い切れないと思っています。
どうしてかといいますと、ベラルーシは風土病として常にヨウ素が足りていませんでした。つまり、ヨウ素欠乏症です。そのような風土病がありまして、ベラルーシ人には常にヨウ素が不足していたのです。私が学校に通っていたときに、学校でヨウ素剤が配られて、みんなで飲んだことがあります。
チェルノブイリ原発事故の事故が起きた後、すぐに住民にヨウ素剤を配ることをしませんでした。その結果、甲状腺に非常に速い速度で放射性ヨウ素が蓄積してしまいました。
しかし、日本人の食生活はベラルーシ人の食生活とは大きく異なっています。日本の食生活の中では海産物がよく食べられています。海産物にはたくさんのヨウ素が含まれています。
そのような食生活の違いがありますので、日本で甲状腺に関係する病気がふえるとは余り予測していません。
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ベラルーシの基準値について
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(ベラルーシの基準値は)このように細かく制定されているのですが、それはまず、人によって、たくさん食べる食品、余りたくさん食べない食品があります。そして、平均ですが、大体のベラルーシ人が、この食品はたくさん食べる、この食品は余り食べないということから計算してこの基準値を定めました。そしてその結果、平均ですが、最終的には1ミリシーベルト以下の被曝になるようにと計算されて、このような数値が定められています。
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ベラルーシの基準でさえ、理想的なものではない
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このような基準値が決められているのですが、その裏には、やはりベラルーシの経済のため、あるいは政治のためといったような裏の側面も実は含まれています。
例えばベラルーシの基準値ですが、子供が対象であることを表示している食品については、1キログラム当たり37ベクレルが基準値となっていますが、私の考えでは、37ベクレルでも子供にそのような食品を与えるのはいけないと思います。非常に体に悪いです。
子供に与える食品については、できるだけ少なく、要するにゼロのほうがいいと思っています。
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日本の基準値について
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日本の基準値を見たとき、私は驚きましたし、どうしてこのような数字が基準として決められたのか、全く理解することができません。
日本の基準値に関しましては、できるだけ早い時期にもっと現実に即した、例えば日本人が何をどれぐらい食べるのか、どれをたくさん食べるのか、どれを少ししか食べないのかというようなことも考慮に入れた、新しい基準値ができることだろうと思っています。
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ベラルーシの食品の基準値は厳しく守られている。
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ベラルーシで食品を扱っている企業では、必ず2回測定をしています。それはまず、企業に入ってくる食料品の原料になる食材の測定。そしてその後、加工などをして、完成した商品に対する測定をしています。2回測定をして、その測定の結果がそのベラルーシが定めた基準値を超えないようにしています。それを必ず守るようにしています。
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ベラルーシの基準を守っても、内部被曝は無くせない
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ベラルーシの基準値を、まあ厳しいのですが続けていると、結局状況として、ベラルーシ人の体内放射能値は減っていく。要するに効果があるのでしょうかというご質問ですが、このような基準値を今現在守っている状況なのですが、ベルラド研究所が測定した結果、ベラルーシ人の体内を測定しますと、やはり体重1キロ当たり、15ベクレル、25ベクレルといった放射能が検出されています。つまり、そのような基準値、先ほどは厳しいとおっしゃいましたが、それを守っていたとしても、やはりどうしても、人間の体の中に放射能が見つかっているということは、この基準値でも、実はまだ甘いといいますか、よくない、もっと厳しくしないといけなかったのかもしれません。
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汚染地域のために、どんな対策が考えられるか?
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ベラルーシの経済状況と比べますと、日本の経済状況のほうがはるかによいと思います。ですから、何かの対策を打つことが必ずできます。例えば危険と思われる地域からまず人々を避難させ、その後、除染をする、あるいはまた別の、人が住まなくてもいいような、例えば工業地域にしてしまうといった対策をします。それを何年か続けて、その後、またその場所に戻ってくるといった方法もあると思います。
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日本が第一にしなければならないのは土壌の測定
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日本において、第一にしないといけないのは、土壌の測定です。土壌をまず測定してください。測定してその数値がわかれば、この後どうしたらいいのか、おのずから対策方法が見えてくると思います。
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日本人は故郷を捨てて移住すべきか?
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日本の人口密度は高いです。人口密度が高いのですから、そのような地域に住んでいる人たちも当然のことながら多くなってきます。ですから、そのような地域に住むことはやめて、自分たちの故郷を捨ててしまい、別の場所に全員行ってしまおうというようなことはしないほうがいいと思います。できるだけ、自分たちが住んでいた大地に住み続けること。そういった方法がないか、そういう対策を考えてみる必要があります。そのほうが絶対にいいと私は思います。
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ウクライナとベラルーシの平均寿命が減ったのは事実か?
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ベラルーシで平均寿命が短くなってしまった(1988年にウクライナとベラルーシの平均寿命が73歳あって、2010年時点で55歳になった。10数歳、平均寿命が短くなった)というのは事実です。それはやはり、事故の影響によるものだと(思います)。死亡率が出生率を上回っている状態が今も続いています。特に、放射能汚染地域として有名なベラルーシのゴメリ州で、そのような状況が続いています。
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放射性物質の人体に対する影響にはどんなものがあるか?
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子供の年齢に関係なく、体重1キロ当たり70ベクレル以上であった子供は血圧が高いという傾向が見られました。
子供の時から血圧が高いとどうなるでしょうか。それが心臓に悪い影響を与えることは明らかなことです。
さらにその医療機関が行った調査ですが、いろいろな対策方法をとりまして、その子供に蓄積されていたセシウムの量を減らすことにしました。セシウムの量が減ると、血圧が下がりました。そのような研究結果があります。
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ベラルーシでは現在、セシウムに対してどのぐらいの濃度があるのか。
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セシウムとストロンチウムの関係についてですが、セシウムが多いとストロンチウムが同じぐらいとか、何倍出るとか、何分の1出るとか、きちんと決まったそのような因果関係は全くありません。セシウムはセシウム、ストロンチウムはストロンチウムです。
ベルラド研究所の今までの食品測定の結果によりますと、ストロンチウムが多く含まれる食品は穀物です。
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ストロンチウムに対してはどのような対策をとるべきか
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ストロンチウムの性質とカルシウムの性質は物理的・化学的に大変よく似ています。セシウムはカリウムと大変よく似ています。
もし、人体の中にカルシウムが不足しているとします。そうしたカルシウム不足の人体には、ストロンチウムが一瞬で蓄積されます。
ハンガリーで、このようなストロンチウム対策についての研究がされているのですが、興味深いのは、ニワトリの卵の殻を使ったストロンチウム対策です。
まずニワトリの卵の殻から粉をつくります。卵の殻にはカルシウムが豊富に含まれています。ですから、その卵の殻の粉を摂取することによって、カルシウム不足を補うことができます。そのようにカルシウムが人体の中にたくさん入っているというような状況にしておくと、ストロンチウムが体内に入ってくるのを防ぐことができます。
この卵の殻の粉を使った方法のほうが、従来のカルシウムサプリを使った方法よりも効果があることがわかりました。このようなストロンチウム対策を考えてみてはいかがでしょうか。
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