八王子市の降雪から放射性ヨウ素、セシウムを検出[訂正]
1月20日、昨晩から積もった雪の放射能測定を行ったところ、セシウムのみならず、放射性ヨウ素(!)を検出したという報告がありました。
どうやら本件は誤検出である可能性が高そうです。
記事の追記を行いました。
セシウム137:15.3ベクレル/kg
セシウム134:14.9ベクレル/kg
ヨウ素131:20.0ベクレル/kg
測定方法はCaptus3000Wにより、1200秒の計測を行なっているとのことです。
放射性ヨウ素は半減期が8日間と非常に短い放射性物質です。
これが意味していることは、現在まさに放射性物質が漏洩していることを意味していることにほかなりません。
非常に危険な状況となっている可能性があります。リスクを回避するため、都内の降雪には絶対に触れない、触れた場合はすぐに洗い流すようにし、極力外出をしないようお願い致します。
特にお子様がいらっしゃる家庭では、この雪で遊んだり、間違っても口にしたりしないよう指導しておくべきです。
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1/20追記–
記事のコメントにて、専門家からの意見がありました。
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国分寺市の市民放射能測定所、こどもみらい測定所副代表(技術担当)の前田幸宏と申します。
雨水中にはラドン222の娘核種である鉛214及びビスマス214が含まれています。
鉛214は352keV、ビスマス214は609keVのγ線を崩壊時に放出します。
鉛214の放出する352keVのγ線はヨウ素131の放出する364keVとエネルギー値が近接しておりゲルマニウム半導体検出器でなければ弁別することができません。
ビスマス214の放出する609keVはセシウム134の放出する605keVと同様に近接しております。
これら自然放射線核種の影響でヨウ素131及びセシウム134を誤検出する事例は当所でも頻繁に見られる現象です。
鉛214の半減期は26.8分、ビスマス214の半減期は19.9分と短いので検体採取後数時間以上経過し、これらの核種の減衰を待ってから再測定することを提案させて頂きます。さらに厳密を帰するために親核種のラドンを煮沸によって取り除いてから数時間以上放置後測定するのも良い方法だと思います。
セシウム137の検出に関しては汚染土壌の混入も可能性として上げることができます。
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「八王子に降った雪からヨウ素とセシウム検出」というツイートが流れたものの、
実は測定に使われた簡易型測定装置(NaIシンチレーション検出器入り)が
天然放射性物質の鉛214をヨウ素131、ビスマス214をセシウム134、セシウム137と誤判定していた
ということのようです。
何事もなさそうなのは良かったのですが、セシウム降下量の増大が解消されたわけではないので、
引き続き状況を注視していきたいと思います。