各食品メーカーの放射能検査体制は万全か
1月末の週刊ダイヤモンドの産業特集にて、各食品メーカーの放射能の検査体制についてまとめられていました。
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※記事の元データとなる詳細な調査内容がこちらにまとめられています。
各メーカーの姿勢は大きく2つに分かれます。
自社にて一定の基準を設け、精密検査を行なっているメーカーと、情報を開示していない(場合によっては検査すらしていない可能性のある)メーカーです。
野菜や果物、コメなどであれば、私たちが最も気を使うのは産地ですが、加工食品はどうでしょうか。この食品メーカーによる検査体制の違いは、判断基準の一つになるかもしれません。
例えば、ビールを選ぶのであれば、嗜好の他にもう一つ、より厳しく検査されている商品を選ぶ、という視点です。
特に、非常に高額なゲルマニウム半導体検出器を導入しての検査を行なっているメーカーについては、かなり検査に力を入れていることが伺えます。
メーカーが自主的に行なっている検査の裏側には、現状大幅に緩和された放射性物質の基準があります。
現在一部の食品の基準となっている500Bq/kgとは、以前の基準では食品の基準どころか、通常の焼却施設では埋立も焼却もできない放射性廃棄物の基準でした。
4月からはこの基準は変更され、最大で100Bq/kgとなりますが、これも実際のところ、放射性廃棄物以外の何ものでもありません。
そのうえ、国の検査はあくまでサンプル調査によるものです。
たまたま検査した検体が基準値を超えるレベルであればもちろん差し止められますが、基準値を超えていたものがあっても、たまたまそれが検査されなければすり抜けてしまう、いわばザルの目を通すような検査に過ぎません。ロシアンルーレットのように、スーパーに並ぶ食品に実弾、つまりは放射性廃棄物が潜んでいる可能性は否定出来ないのです。
食品メーカー側でもそんな放射性廃棄物が万一自社製品から検出されてはたまりません。
国の、放射性物質を流通させかねない基準とは別に、独自にメーカーが行う検査には、消費者に対する配慮は勿論のこと、メーカーの『自衛』の意味も含んでいるでしょう。
一部の食品で、たまたま検査された商品が基準値以上の放射能を含んでいた、と話題になる例も多々ありました。だからこそ、メーカーが行なっている検査は、信頼出来る一つの基準となると言えるのではないでしょうか。
ダイヤモンド社の調査で、特に放射性物質の検査に力を入れている姿勢が示されているのは、イオンです。
その他、各食品関連企業の放射能検査態勢アンケート・詳細編について目を通しておくと、各社の放射性物質への取り組み、姿勢が見えてくるかもしれません。
体内に取り込んでしまった放射性物質の検査を行うことは容易ではありません。
内部被曝、放射性物質を取り込んでしまうことを水際で防ぐためにも、各メーカーの検査体制・姿勢を知っておくべきかもしれません。