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2012年 食品に含まれる放射能の新基準値の問題点

2012-01-16 | 震災・原発 | By: sorakuma

動画では、2012年4月に設定される放射性物質の食品基準案について取り上げられていました。

野菜類:500ベクレル → 100ベクレル
穀 類:500ベクレル → 100ベクレル
肉魚類:500ベクレル → 100ベクレル
飲料水:200ベクレル → 10ベクレル

子供への配慮としては、牛乳などの基準が再設定されています。

牛乳 乳製品:200ベクレル → 50ベクレル

日本大学の放射線防護学の専任講師、野口邦和氏は、次のように述べています。

—-
これまでの暫定規制値に比べれば、数字が厳しくなったわけですから、
より安全に近づいたとは思うんですけどね。
ただ私自身は、国の規制値というのは、良く安全基準というように言われるんですけど
我慢基準ていうふうに言ってましてね。つまり事故が起きて汚染している状況があるわけですから
一定程度汚染したものを食べざるを得ない。そういう現実があるんですよね。
ですから、そういう現実の中で、より低い濃度のものを目指すのは当然なんですけどね。
しかし、ゼロではない、ということで、我慢して、この濃度以下のものは食べて欲しいという
国が決めた基準なんで、我慢基準と言っているんです。
—-

私個人としては、非常に生産者よりの立場に立った物言いであると感じました。
汚染されてしまった現実があるのだから、我慢して食べろと。国が決めた基準だから我慢しろ。そのように聞こえます。

この暫定基準値が果たして安全な数値かを判断することは、私たちには非常に難しいことです。
であるならば、少なくともそれを食べ続けても絶対に問題が起こらないレベル、すなわち事故前のレベルまで基準は厳しくされるべきです。
なぜなら、日々わずか10ベクレルでも、摂取し続けることにはリスクがあると言われているからです。

1日10ベクレルの食事がもたらすもの
http://sorakuma.com/2011/10/08/4585

さらに、年間1ミリシーベルト以下を目指す基準では全く不十分です。この根拠となっているICRPは、既に科学的根拠を失っています。

NHK:追跡!真相ファイル 「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
http://sorakuma.com/2011/12/30/5404

食品基準案については、全く厳しいとは言えない数値です。
ウクライナを例としてあげると、内部被曝による健康影響が深刻化して、10年後になって数値を大きく下げています。
主食となりうるパンであれば20野菜であれば40幼児用食品という特別カテゴリーでは40ベクレル飲料水は2ベクレルでした。

なぜこれだけ厳しい数値が『再設定』されたか?
それは、それ以前の基準では深刻な健康被害が発生したからです。
そういった事例があるにも関わらず、それを全く活かすことが出来ず、生産者が出荷できる基準が設定されようとしています

年間1ミリシーベルト以下の内部被曝(0.1~0.2ミリシーベルト)でも、ガンの発生率が30%高まったという統計データもあります。
内部被曝で1ミリシーベルトというのは、非常にリスクの高い値なのです。

この基準が全く十分ではなく、生産者よりの立場に立った非常に緩いレベルの基準であること、
そしてこのレベルの食品を摂取し続けることは健康や生命に深刻な被害をもたらす恐れがあります。

よく放射能をタバコやお酒などに例えて問題がないという例がありますが、
乳幼児から老人まで、そろって常にタバコの煙や飲酒をし続けていると考えると
それがいかにリスクが高いことか想像できるのではないでしょうか。

飲食だけでなく、大気に含まれる放射能や、粉塵に含まれる放射能もあります。
ゴミを燃やせば放射能が舞い上がります。風が吹けば放射能が舞い散ります。
身にまとっている衣服や、部屋の中にも放射能が蓄積されていきます。
そんな中で、食品に含まれる放射能だけを年間1ミリシーベルト以下にしたとしても、
全く十分では無いのです。

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