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KDDIのiPhone5の提供により、Appleのドコモ包囲網が完成

2011-09-22 | PC / Mobile | By: sorakuma

KDDIは米AppleとiPhone5の国内での販売契約を締結し、全国のauショップなどで11月頃から販売を開始するとのこと。

KDDI、「iPhone5」参入の衝撃 ソフトバンクの独占崩れ、auで11月にも発売

KDDI、iPhone販売へ ソフトバンク独占崩れる

KDDI to break up Softbank iPhone exclusivity in Japan in 2012

※日経BPでは11月とありましたが、日経では、『使う電波の準備などから早くても年明けになるもよう。データ通信料金はソフトバンクと同程度の月4000円台の定額制となる見通し』とありました。KDDIでのリリースは少し先になるかもしれません。

ソフトバンクでもは9月29日に2012年冬春モデルの新製品発表会を実施することになっていましたが、ソフトバンクに先んじてKDDIがiPhone5の提携を発表。日本国内でのソフトバンクの独占が崩れ、iPhone5は国内では少なくともソフトバンクとKDDIの2社が扱うことになりました。

ソフトバンクはiPhone独占や価格の切り崩しを武器に順調にユーザを増やし、2位のKDDIに迫る勢いでしたが、KDDIへのiPhone5の提供により、今後は今までのようにユーザを増やし続けることは難しいかもしれません。

日経の発表を受けて、KDDIの株価は急騰、ソフトバンクの株価は暴落しています。
KDDI

ソフトバンク


KDDIへのiPhoneの提供を受けて苦しくなるのは、ソフトバンクだけでなくドコモも同じです。
今後、ドコモにiPhoneが提供される見込みは非常に薄そうに見えます。

幾つか理由がありますが、最大の理由はドコモが自社独占の市場であるiモードを保護したいことにあります。
iPhoneが日本ローカル市場であるiモードに対応することは考えにくく、仮に対応したとしても、
iPhoneのソフトウェアマーケットに大幅に市場を削られてしまうことは必至だからです。
また、iPhoneアプリを受け入れれば、通信のインフラにかかる費用はドコモが負担し、iPhoneアプリの利益はAppleに流れていきます。
これだけはドコモが回避したいことです。

さらに最近は、韓国サムスンとの提携を行う構えを見せています。

《知財》サムスンが脱クアルコムへ:日韓でスマホ用半導体チップ開発[IT]

Appleとサムスンは特許に関する紛争を継続しています。ヨーロッパ各国で旗色の悪い韓国にとって、ドコモとの技術提携は渡りに船です。しかしこの動きはサムスンを封じ込めたいAppleから見れば面白くないはずです。

既にAppleは、アメリカで第一位のVerizon社、第二位のAT&T社に続き、Sprint社にもiPhoneの提供を始めると発表しています。
世界的に人気のあるiPhoneを提供することは、同時に他社の携帯電話を締め出すことにも繋がります。

本音を言えばAppleはドコモについてもiPhoneを提供したかったはずです。ところが、iモード市場を保護したいドコモには受け入れられない。今回KDDIにiPhoneを提供することで、よりAppleのドコモに対する姿勢が明白になったように思えます。
Appleは今まで黙認されていたSIMロックフリーのiPhone端末で、ドコモから利用できないようにしているとの噂もあります。
iPhoneを武器にしたAppleの日本市場の囲い込みはほぼ完成しつつあります。

ドコモからすれば、Appleという黒船から市場を守りたい一心でのサムスンとの提携になるのですが、記事によるとこの提携にはサムスンに利が大きい、とあります。富士通の設計技術、ドコモの通信技術を利用して、サムスンだけが利益を得る、そのようなことにならなければいいのですが…。

* * * *
報道によると、新会社が生産するベースバンドチップは、従来より大容量のデータの処理が可能である一方で開発コストもかかるため、ドコモの通信技術とサムスンの量産技術、富士通の設計技術を組み合わせて経費を削減する。生産開始は来年からとなる見込みだ。
* * * *

ともあれ、ドコモ-サムスンの連携 VS Appleという構図が今回より鮮明になりました。
どちらかというと、ドコモ-サムスンが籠城しているのをAppleが取り囲んでいる…ように思えてなりませんが、
AppleのiPhoneという黒船に対し、今度こそドコモは開国することがあるのでしょうか。

ドコモユーザにとっては非常に残念ですが、ドコモの自社市場を守る姿勢もまた大切なものです。
ドコモがiPhoneを早々に受け入れていた場合、日本の携帯市場でのAndroid端末の版図は全く違ったものになっていたと思います。
iモードの市場だけでなく、各社のAndroid端末の市場や将来についても、ドコモは守っているのかもしれません。

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