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最悪のスギ花粉が飛び始めた

2012-02-05 | 震災・原発 | By: sorakuma

花粉の季節が始まりました。

画像データは、環境省花粉観測システム(花子さん)の2月5日のデータからのものです。
関東圏では小規模ながらスギ花粉が観測され始め、群馬県では少し規模が大きなものとなっています。

環境省花粉観測システム(花子さん)
http://kafun.taiki.go.jp/Map.aspx?AreaCode=03

今季のスギ花粉は、花粉の量としては例年並みとのことですが、それでもある意味最悪のスギ花粉となる可能性があります。
スギ花粉に放射能が含まれている可能性があるためです。

その根拠の一つとなっているのは、林野庁の中間調査にあります。
2011年12月27日、林野庁は「スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について(中間報告)」として、スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の中間調査結果を公表しました。

スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について(中間報告)

調査地点は、福島県を始めとする15都県のスギ林、182箇所です。

・福島県内は132箇所
・栃木県、群馬県7箇所
・茨城県6箇所
・宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県3箇所
・青森県、岩手県、秋田県、山形県、山梨県、静岡県2箇所

中間調査の結果判明した放射性セシウム(134と137の合計)の濃度は最高で25万3000ベクレル/kgでした。

調査における花粉の放射能汚染度の高い地点は次のとおりでした。
1位:福島県双葉郡浪江町小丸   25万3000ベクレル/kg
2位:福島県双葉郡双葉町大字新山 12万5000ベクレル/kg
3位:福島県双葉郡浪江町室原    7万8700ベクレル/kg
4位:福島県南相馬市小高区金谷   7万5000ベクレル/kg
5位:福島県双葉郡浪江町室原    7万2000ベクレル/kg
6位:福島県相馬郡飯舘村比曽    5万7600ベクレル/kg

さらに、林野庁から公開された資料によると、福島県双葉郡浪江町大字赤宇木のスギの旧葉から61万2000ベクレル/kgのセシウムが確認されているとあります。

セシウムだけでなく、他の放射線核種の存在もあるかもしれませんが、スギ林の空間線量は非常に高い値となっているようです。

スギ林の空間放射線量率
1位:福島県双葉郡浪江町小丸     40.6μSv/h
2位:福島県双葉郡浪江町大字赤宇木  27.1μSv/h
3位:福島県双葉郡浪江町大字赤宇木  25.7μSv/h
4位:福島県双葉郡浪江町室原     23.2μSv/h
5位:福島県双葉郡浪江町大字赤宇木  22.0μSv/h
6位:福島県双葉郡浪江町大字赤宇木  21.2μSv/h

林野庁は、たとえ最大の濃度であったとしても、人々に健康に与える影響は軽微であり、問題ないとしています。
しかし、本当にそうなのでしょうか?

花粉の形で飛散により特に懸念されるのは、肺への吸入です。
排出機能を持たない呼吸器系からの内部被曝の場合、たとえ少量であっても排出されることなく放射性物質は人体に残り続けます。

よく1ミリシーベルト以下なら安全、1ミリシーベルト以下なら健康に影響はないという言葉を耳にしますが、IAEAが提示している低線量被曝の科学的根拠は、既に他ならぬ提唱者達によって否定されています。

NHK:追跡!真相ファイル 「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
http://sorakuma.com/2011/12/30/5404

さらに、1ミリシーベルトとは、全身で被曝した外部被曝の場合の値です。例えば肺、例えば甲状腺など、内部被曝で局所的に放射線の影響に晒された場合は、器官のダメージレベルが全く異なるのです。
通常、人間の体は放射線により発生するエラーを修復して細胞を構成していますが、その修復機能を上回るエラーが発生した場合、健康に取り返しのつかない影響を与える可能性があります。

例えば甲状腺においては、福島の子供たち3800人の甲状腺検査において、約30%の子供たちが5ミリ以下のしこりか20ミリ以下の嚢胞が確認されています。
さらに、0.7%の子供たちからは、5.1ミリ以上のしこりや20.1ミリ以上の嚢胞が確認されました。
通常、甲状腺のしこりや膿疱などは、これほど多数の子供たちから確認されることはありません。
福島での事例ではありますが、汚染瓦礫の受入、焼却などにより、同様の被害は遅れて全国へ広がる可能性があります。
汚染瓦礫を受け入れ、焼却している山形県などでは、福島市の14倍の放射性セシウムを定時降下物として検出した例もありました。
全国に汚染瓦礫を受け入れ、焼却を行うことは、これと同様の事態を全国各地で引き起こすことを意味しています。

『痛みを分け合う』。『絆』。一見美しい言葉ですが、その意味をわかって使っている人がどれほどいるのでしょうか。
福島では今後子供たち(子供は4年後から、大人は20年後から)が甲状腺がんを引き起こすとします。同じ状況を他地域で引き起こすことが何の支援になるというのでしょうか。

スギ花粉の調査の影で、森林の木々に放射性セシウムが浸透していることが明らかになりました。

森林の木、内部に放射性物質=福島・南相馬で高濃度-東京農大
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201202/2012020100933

放射性セシウムが自然のサイクルに取り込まれてしまった以上、汚染は長期化します。
スギ花粉が首都圏、東日本全体に放射能を撒き散らし、新たな放射能を堆積させ、ホットスポットを作り、非汚染地域を汚染する可能性は十分にあります。

放射能という名の最悪のスギ花粉が日本を襲いつつあります。
その準備は万端でしょうか?

冒頭で紹介した環境省花粉観測システム(花子さん)は、私たちの生活圏を襲うスギ花粉の発生状況や、風向きを教えてくれます。

花粉症の人も、そうでない人も、今年以降は花粉症のマスクで身を守りましょう。
また、花粉を室内に持ち込まないようにし、空気清浄機などを駆使して室内をクリーンな状態に保ちましょう。
汚染が完全に収束するまで、ひたすら身を守りましょう。

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