海外市民団体の見る日本の汚染瓦礫受入問題
海外市民団体E.O.N.(エコロジカル・オプションズ・ネットワーク)制作による、2011年11月7日日本領事館提出の汚染瓦礫受け入れ差し止めおよび、不拡散の嘆願書についての一部始終のドキュメンタリーが邦訳されていましたので紹介します。
日本における活動家と同様、海外でも多数の団体が署名活動を行い、放射能被害の影響の拡大を阻止するべく活動を行なっています。
署名活動を行い、領事館や自国の上院議員へ働きかけを行なっています。
しかし、日本と同様、原子量業界からの影響からか、彼らの声や活動がメディアに取り上げられることは多くはないようです。
—-
[海外市民団体が訴える日本の汚染瓦礫問題とは]
–カリフォルニア州・サンフランシスコ 2011年11月7日
日本よ! 子供たちを守って! 放射能汚染ガレキを拡散するな 燃やすな! |
_
マリー・ベス・ブランガン / EON
子供の健康を心配する日本の母親たちをサポートしています。
彼女たちは、地震と津波による大量の放射能汚染ガレキを日本中に拡散し、
焼却処分しようとする政府の計画を阻止しようとしています
アメリカでも、福島原発事故からの放射能漏れの影響が見つかっています。
この計画は、アメリカでの汚染拡大にも繋がります。
日本の人たちの事がとても心配だし、
この放射能汚染の狂気をストップしたいのです。
多くの人たちが署名した嘆願書をこれから
サンフランシスコの日本領事館に提出します。
一万近い署名を…
レイチェル・ジョンソン / EON
これが、日本で、現状を心配する母親たちから始まり、
世界中に広がり多くの人が署名にサインした嘆願書です。
同じものが既に、ニューヨーク、ロンドン、他にもたくさんの地域で
日本領事館に提出されました。
日本でこの問題に立ち向かっている多くの女性達を応援し、もっとこの問題に
目を向けてもらうために、私たちも行動に出ました。
[海外市民団体が届ける日本領事への訴えとは…]
マリー・ベス・ブランガン / EON
私たちは、世界中で一万人近くが署名にサインした嘆願書を、
サンフランシスコの日本領事館に提出する為にここに集まりました。
福島原発事故によって放射能汚染された、地震と津波からの大量の瓦礫を
償却しないようお願いに来ました。
日本政府は、「日本中で痛みを分かち合う」という名目で、
日本中に 汚染瓦礫を拡散 しようとしています。
これは、 日本中で放射能被害を広める 事になります。
焼却処分することは、大気中に放射能を放出してしまうことになり、
世界中 に広がってしまいます。
とくにここ、アメリカ西海岸でも、福島原発事故からの放射能が見つかっています。
–世界中の人達が署名したという事ですが、この日本の行動と、放射能汚染が
世界中に影響するという可能性を含んでいるということですか?
その通りです。
ロンドンでは、ビアンカ・ジャガーさんが日本大使館に嘆願書を提出しました。
ニューヨークでは、領事館に提出しています。東京でも。
そしてワシントンDCでは、フクシマ・フォールアウト・アウェアネス・ネットワーク
(Fukushima Fallout Awareness Network)が提出しています。
また、ワシントンDCのNIRS、ビヨンド・ニュークリアー、
シティズンズ・フォー・ヘルスなどの団体と協力しあっています。
[報道しない日本に疑問を投げかける海外からの声]
メディアが全然取り上げないのが大きな問題になっています。
なので、あなた方が今日、取材に来てくださったことに感謝しています。
バークレー校の原子力工学科では、定期的に食品、土壌、水、牛乳に含まれる
放射性物質を測定しています。
セシウム134と137が、10月11日、カリフォルニア沿岸部の牛乳から検出されています。
原子力業界や推進派は「でも、少量だから大丈夫」と言いますが、
長期間に渡り少量の被曝をし続けるのは、一度に多く被曝するより危険だと指摘するデータがあります。
なぜなら、放射能が体内から排出され尽くすことができないからです。
–他に伝えたい事はありますか?
私たちがこの嘆願書で訴えたいのは、
放射能に汚染された瓦礫を他の地域に持ち出さないで、人々を避難させること、
そして福島原発事故の早急な収束です。
メルトダウンは未だに進行中です。
[日本はなぜ痛みを分かち合おうとするのか?]
マリー・ベス・ブランガン / EON
私たちは、地震と津波による大量の放射能汚染ガレキを日本中に拡散し、焼却処分しようとする政府の計画を
やめてもらおうと、ここ、サンフランシスコの日本領事館に嘆願書を提出しにきました。
日本の母親たちは、子供の健康を深刻に心配しています。私たちも心が痛みます。
この計画を阻止しなければいけません。
日本政府はこれらの瓦礫を日本中に運んで焼却する予定です。
福島原発事故から漏れでた放射能をみんなで分かち合うために。。。
痛みを分かち合うために。。。
この計画は、放射能が大気中に舞い上がり、今以上に汚染を拡散させてしまいます。
ここアメリカの西海岸でも福島原発事故からの放射能が検出されています。
こんな計画をやめてもらうようにしなければいけません。
セシウム134と137が、カリフォルニア沿岸部の牛乳から、この10月に検出されています。
原発事故の影響がアメリカにも及んでいることを知って、私たちも目を覚まさなければいけません。
[マーク1型にはらむ欠陥]
セシル・パインダ / 作家 / 活動家
福島原発事故と放射能漏れが地球全体に及ぼす影響についての本を執筆しています。
福島だけの問題とは思っていません。地球全体に影響を及ぼす問題だと見ています。
資料をお渡ししたと思いますが、オフィシャルのプレスでは触れられない事実として、
福島原発の原子炉は、アメリカ・GE製の「マーク1型」です。
アメリカが日本に輸出した時、アメリカにも23の「マーク1型」原子炉がありました。
輸出した時、すでに、「マーク1型」には欠陥があり、事故に陥る可能性を知っていたのです。
この事を 何故 知っているかというと、この肩を設計した3人のGEの技術者が、
欠陥を知りつつ推進することに抵抗して会社をやめています。
技術者の一人、デイル・ブライデンボー(Dale G.Bridenbaugh)は、「マーク1型」は
5パウンドしか入らない袋に10パウンドのエネルギーを入れているようなものだ、と言っていました。
だから、これは日本だけの問題ではないのです。
日本とアメリカの大企業と、政府のエリートたちが連帯した結果の問題なのです。
だから、99%の権利を訴える格差デモがアメリカで起こっているのです。
このような大企業が 世界の人類全体に影響する決断を下しています。
20万人の人が警戒区域に住んでいました。
これだけの放射能漏れがあって、20キロまでだけを警戒区域にするのは、不適切極まりないです。
この地域に住んでいた20万人の人々は、家も土地も生活も失ってしまいました。
もう、元の場所に戻ることは出来ないでしょう。放射能汚染のせいで、数百万年後まで無理でしょう。
福島はチェルノブイリの100倍に相当するでしょう。
なぜなら、福島原発には1万パウンド(およそ4536kg)のプルトニウムが、この今現在もあるのです。
[領事館への提出を終えて]
キム・ロバーソン / F.F.A.N
今日、私たちは、NYのともい・ゼマー(チーム・ココ)先導し、日本の母親たちを代表して、
嘆願書を提出しにきました。
嘆願書とともに領事館を訪れ、岩田氏に提出しました。
福島原発事故の被害に遭われた方々にお見舞いを述べるとともに、大量の放射能汚染瓦礫を
焼却処分し、東京湾を始めとした海に埋め立てる事をやめて欲しいとお願いしました。
11月に入り、事故から8ヶ月が経ちました。
3月に起こった事故は人為的でなかったにしても、汚染瓦礫を焼却処分することは、
新たな人為的災害の危機になり、これは、直ちに止めなければいけません。
岩田氏には、正しい選択をし、汚染瓦礫を焼却処分するのではなく、安全に保管し、
管理することをお願いしました。
日本の母親たちを代表し、世界中でこの問題を危惧する人たちによる、
6000を超える署名を集めた嘆願書を提出しました。
署名者の多くは、自分や、子供たち、孫の代までの健康を心配する母親たちです。
放射能汚染は、世代を超えてDNAを破壊し、ダメージを与えます。
将来にまで影響を及ぼす問題なので、今止めなければいけません。
(領事館は)とても理解を示してくれた様子でした。
黄色い花のブーケと、きれいにラッピングされた嘆願書を渡しました。
岩田氏は、私たちのこの状況に、彼の母国に今もなお起こっていることに、
とても心を痛めていることを理解している様子でした。
チェルノブイリ事故の経験から、これは、グローバルな問題だと私たちは知っているのです。
今回の事故も、世界中の人々に影響を及ぼしているのです。
放射能汚染瓦礫を焼却処分することを阻止することが、これ以上の千を広げないために
出来ることだと、岩田氏もわかってくれたと思います。
岩田氏は私たちの懸念と願いを東京の上層部に伝えるといってくれました。
汚染瓦礫の拡散と焼却灰の埋立処分を阻止したい世界中の署名者の願いが、ここ
サンフランシスコから日本政府に届くことを願っています。
レイチェル・ジョンソン / EON
日本領事館の岩田領事に提出しました。
感動的な瞬間でした。
上で何が起こったか、言葉で表現するのは難しいけれど。。。
双方が、福島原発事故と今の状況についての気持ちを共有している瞬間でした。
岩田氏は涙を浮かべて対応してくれました。
彼は「問題をとても認識している」と言いました。
彼の祖父母と奥さんの祖父母も広島で被曝しているそうです。
ちょっとわかりずらかったけど、そう言っていたのよね?マリー。
(マリー:–えぇ。)
全員が座ったまま沈黙し、涙した瞬間がありました。
黄色いバラと私たちの嘆願書をテーブルの真ん中において。
なんとも言えない瞬間を共有しました。
こんな瞬間を共有できるなんて思っていませんでした。
こんな会話や気持を共有できたなんて。
とても素晴らしい、深い面会でした。
提出にきた価値があったと思います。
彼の言葉をちゃんと理解していると思うのですが…。
彼もこの状況について「とても強く思う所がある」と言っていました。
私たちの思いを届けるために「出来る限りのことをする」ともおっしゃっていました。
私達の願いをよく理解してくれました。
そして…私は涙し、彼も涙していました。
そして、彼は、人々や子供たちに及ぼす影響を理解していました。
今日、私たちは出来る限りのことをしたと思います。
そして、彼が、私達の心からの願いを日本政府の上層部に伝えてくれるでしょう。
彼は「私達のメッセージを東京に今日伝える」と言っていました。
手紙も署名も「今日送る」と言っていました。
セシル・パインダ / 作家 / 活動家
アメリカの行政関係者の中に、はたして、涙する人がいるかわかりません。
第一に、福島原発事故を起こしたのは、アメリカGE社の「マーク1型」原子炉で、
事故になると知りながら売りつけました。
第二に、広島と長崎です。
アメリカの行政関係者には、涙を流す人はおそらくいないでしょう。
私がいいたいのはそれだけです。
レスリー・ディタリアンダー / 活動家 / 母親
今日参加したのは、
福島原発事故で漏れ出した放射能から日本の子供たち、世界中の子供達を守ろうとしている
このグループとムーブメントをサポートしたかったからです。
アメリカでも測定され、放射性物質が検出されているのは、周知の事実です。
福島原発の事故は収束できず、未だに放射能が漏れ出しています。
答えはどこにあるのでしょう?
日本領事館の対応は親切だったと思います
領事館の岩田氏も、自分の祖父が被曝し亡くなった経験を話してくれました。
彼は、放射能汚染が、日本の人々、そして子どもたちや地球に及ぼす影響に対する、
私達の恐怖と心配を理解してくれていたと思います。
キム・ロバーソン / F.F.A.N
今から、フクシマ・フォールアウト・アウェアネス・ネットワークから、
ダイアン・ファーンスタイン(上院議員)に手紙を提出します。
ワシントンDCでも、FFANのメンバーから、数分後、同時に、ダイアン・ファーンスタイン上院議員に
手紙を提出します。
NIRSのダイアンと、ビヨンド・ニュークリアーのシンディーから、2012年度の
食品検査の予算の確保への全面的協力を促すため、ダイアン・ファーンスタイン上院議員に
手紙を提出します。
同時に、ボクサー上院議員にアメリカ連邦議会における監査、特に食品の安全と監査に関する
公聴会を直ちに開くよう、もう一度お願いしたいと思います。
これらの手紙が私たちのグループによって、今日の午後2:30に提出されます。
みんなでこうやって一緒に行動できることは、本当に気持ちがいいです!
西海岸も、東海岸も、みんな一緒に!
Related Posts:
Comments
Comment from 憂い人〃☆
Time 2012年1月30日 at 10:14 PM
皆で協力しようとの美談の元
間違った施策が推し進められ
おかしな方向に行っている・・
でも、
それを呟くと
袋叩きに会う
この国にはロジックより感情
真実より同情
でも
同情では復興はない事を
なんとか伝えて欲しい
Pingback from ストロンチウム汚染 strontium 90 part 255 | Machikawa Co's Blog
Time 2012年1月3日 at 12:24 AM
[…] 葛飾の市民団体 231カ所線量調査 56地点で1μSv/h超 « 海外市民団体の見る日本の汚染瓦礫受入問題 […]