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『CDが売れない本当の理由』について考える

2012-05-10 | Interested | By: sorakuma

CDが売れない本当の理由、なんて記事が最近紹介されていました。

この手の記事はたいてい、ネットで曲をダウンロードできることに結びつけて、ダウンロードを違法化すればCDの売上が戻る…ことを示唆しているものが多いのですが、単純に日本人から音楽の土壌が『失われた』ことが一番の理由ではないかと思います。

例えば、インターネットが流行し始め、自分のホームページを作った時、誰もが一度は自分のサイトで好きな曲を流したことがあるかと思います。
インターネット黎明期には、MIDIなどを使った多くの音楽配信サイトがあり、誰もが音楽に触れることがありました。
初期の携帯電話に、着信音の登録や作曲をする機能が備わっていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか?

しかし、それはある時からプッツリと姿を消してしまいました。
そのきっかけとなった最大の要因はJASRACの登場でしょう。『著作権』を盾に、楽曲を公開していくことは罪だと言わんばかりに、一部のアンダーグラウンドな部分を除いて音楽配信サイトは軒並み潰れていくことになります。
携帯電話も、『着メロを流したいのなら公式サイトから買わせる』という方針の元、自分たちで2和音や3和音などの音源ですら、作曲して配布する機能は失われていきました。(あの機能、好きだったんですが…)

音楽に触れたいのなら、カネを払え。JASRACの方針は今も変わっていません。

「違法音楽配信の根絶に大きな前進」JASRACなどが掲示板向けに新たな対策
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120605_537706.html

今でも、個人が趣味で音楽を配信する場合、10曲ごとに年間1万円が必要になります。1曲でも1万円。
学生であれば、(社会人となった今でもそうですが)簡単に払える金額ではありません。
ジャズ喫茶での音楽の演奏に対し、訴訟に発展したこともありました。

次第に、私たちの音楽の素養、私たちが形成する文化としての音楽は失われていきます。
それは当然のことだと思います。音楽は、お金を生み出すための手段となってしまったからです。
お金がなければ手に入らないモノ。お金を生み出すために作られるモノ。
かくして音楽は、お金を払って購入するだけのものになりました。

一部の大手動画サイトで公開される、『演奏してみた』『歌ってみた』などの投稿や、初音ミクなどに代表されるDTMソフト系の打ち込みは未だ気勢をあげていますが、一般的にはどれも簡単にできるものではなく、むしろ熟練した職人技のような印象があります。
私たち自身で簡単にできるようなレベルに落ちてくることはおそらくはないでしょう。

今から4年も昔、『JASRACが本当に搾取したもの』というタイトルで文書が投稿されていました。その一節は、次のように締めくくられています。

—-
それから私は音楽から離れた。お金がないからだ。お金がなければ音楽に触れられない時代がやってきたのだ。CDを買うことがなくなり、音楽番組も見なくなった。買ったり見たりすれば欲しいという気持ちが出てきて、そしてまた著作権料という壁にぶつかるからだ。そうして育った今、音楽は私にとってあまり必要のないものになった。

今や邦楽も洋楽もまったく分からない。別に知りたいとも思わない。インターネットのMIDI配信サイトはクラシックか、もしくは自作だけになった。こんな状態でも若い人たちが自作の曲をアップしていることには熱い気持ちを感じるが、昔に比べて数が少なくなったことは明らかだ。

日本の音楽業界は衰退している。しかし、JASRACの著作権料は順調に伸びている。どこから取ってきているのか、どこまで取れば気が済むのか。日本から音楽が消えるのは悲しいことだと頭では分かっているが、もう私には昔のような情熱はない。
—-
もう4年も前の記事です。
ですが、『CDが売れない本当の理由』を端的に表現していると思います。

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