『除染を全力で進める』政府と、除染を危ぶむ声
藤村官房長官は、福島大の行った原発避難住民調査のアンケートについて、「一日でも早く安心・安全な生活を取り戻せるよう除染を全力で進める」との政府方針を強調しました。
原発避難住民調査:「除染を全力で進める」藤村官房長官
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111109k0000m040030000c.html
一方で、様々な方面から除染やその効果を危ぶむ声も上がっています。
日弁連が除染で政府に意見書 環境浄化に限界、賠償に力を
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102001000307.html
日弁連は放射性物質の除染をめぐり、「放射性物質の量は減らず、場所を移動させるにすぎない。環境浄化には限界がある」とする意見書を政府に提出しています。
東日本大震災:福島の農地除染、懐疑的考え示す--ベラルーシ専門家
http://mainichi.jp/chubu/newsarchive/news/20111104ddq041040005000c.html
ベラルーシの国立放射線学研究所のアベリン所長は、「農地の表土を削って除染すると、土地の肥沃(ひよく)度が下がってしまい農地として使えなくなる」と述べ、農地の除染に懐疑的な考えを示しています。
放射性物質除染の効果限定的 福島で神戸大調査
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004570146.shtml
山内教授は「除染の効果は限定的。安易に期待させることで、住民をさらなる被ばくに導く」と警鐘を鳴らしています。
今中哲二氏:除染についてもいたずらに可能性を匂わせるのはやめるべき
http://sorakuma.com/2011/10/31/5073
京都大学原子炉実験所の今中哲二氏は、飯舘村後方支援チームの活動の中で、除染期間はおそらく数十年に及ぶこと、その費用が莫大にのぼる可能性があることを示しています。
荒木田岳氏:除染するほど、「住めない」と思う
http://sorakuma.com/2011/10/31/5061
福島で除染活動を行なっている福島大学の荒木田岳氏は、一朝一夕には除染は完了しないことを認識した上で、数十年先の除染を見据えた活動を続けています。
除染活動に実際に携わっている専門家が、それがいかに困難かを示す中で、政府は、それでも除染を進める方針を示しています。
それはあくまで避難住民のためであるとしていますが、それは本来避難させるべき人々の健康とトレードオフになってはならないはずです。
除染活動とは、本来非常に危険を伴うものです。
「放射能の除染」を行うということ、その危険性
http://sorakuma.com/2011/10/30/5037
Twitterなどでも、除染活動後に体調を崩している声をいくつも拾うことができます。
一つ一つははっきりとしたソースではありませんが、そういった声が無数に上がっていることは、少なくとも意識しておかなければなりません。