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NHK:放射性物質は大丈夫?まるごとチェック!あなたの食卓に関する不審点[更新]

2011-10-30 | 震災・原発 | By: sorakuma


10月17日に放送されたNHK放送、『放射性物質は大丈夫?まるごとチェック!あなたの食卓』で、各家庭の一週間の食卓の放射性物質量が検査されました。
一見すると、各家庭の放射性物質はほとんど検出されず、内部被曝の影響はほとんどないかのように報道されています。
ですが、その後検査結果にはいくつかの不審点がありました。報道自体が、食品からの内部被曝はないという前提で作成されたプロパガンダだった可能性を考えつつ、データを再検証したいと思います。

放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査|N H K あさイチ
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/01.html

各家庭のメニュー一覧
北海道 札幌:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_1.pdf
福島 郡山:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_2.pdf
福島 須賀川:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_3.pdf
東京 江戸川:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_4.pdf
東京 目黒:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_5.pdf
大阪 岸和田:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_6.pdf
広島 廿日市:http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04_7.pdf

測定結果一覧
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/images/04.pdf

1.検出されたカリウム40(K40)の量について
水に対するK40の量については、K40の量は各家庭につき、1リットルあたり200~300ベクレル
これは、ミネラルウォーターの1,000倍ものカリウムが入っていることを示しています。

コメに関しても同様です。
コメに対するK40の量については、K40の量は各家庭につき、1kgあたり300ベクレル前後。
通常、白米1kg中の放射能強度は33ベクレル(Bq)ほどなので、その量は通常のコメの10倍近いものです。

その他の食品に関してもK40の割合が非常に多くなっています。
実際の食品に含まれるK40の量と比較して、考えにくい量が計測されています。

2.ゲルマニウム測定の秒数は適切か

厚生労働省が公開している資料、緊急時における食品の放射能測定マニュアルを参照しています。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf

ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法については、資料の9ページより記載があります。
下記は11ページの表です。

複数の放射線核種を含んでいることが想定される場合の検出限界が緊急時、含まれる放射性物質が限定されていることが想定される場合の検出限界を平常時としています。
後者の基準であれば、7200秒、あるいは30000秒の測定時間は妥当なものであったと考えられます。
ただし、複数の放射線核種が存在している前提だった場合は、前者の基準となり、数値の意味は大きく変わってきます。

3.検出限界が明らかにされていないことについて
資料では、Cs137やCs134などについて、
測定値0 誤差0 検出限界0
という結果が出ていますが、不検出であったとしても検出限界値は存在するはずです。
検出限界値が0というのは、少なくとも7200秒間の測定ではありえないはずです。
また、ほぼ同量存在するはずのCs137とCs134がある程度検出されているにもかかわらず、もう一方が検出されていない点にも矛盾があります。

4.バックグラウンドの差分はどうなったか
ゲルマニウム半導体検出器におけるバックグラウンドの考え方については、緊急時における食品の放射能測定マニュアルに以下のように記載されています。

—-
バックグラウンドの測定結果において、ピーク探査によってI-131、Cs-137 のピークが認められ、ピーク面積が計数誤差の2 倍を超えた場合は、試料のピーク面積から差し引く。計算には、試料の前後に測定したバックグラウンドの平均値を用いる。
—-
測定において、バックグラウンドの数値が有意なものとして差し引かれるためには、ある程度のCs137やCs134のピークが認められる必要があります。今回の測定結果が正しくバックグラウンドを算出しているならば、計測データとしてそれを公開する必要があります。
今回の検査では、各試料について、どういったバックグラウンドを検出し、どのように計算が行われたのか、明らかではありません。

5.カリウム40による年間被曝量について

報道では、下記のカリウム40の年間被曝量は610μSv/年であることを強調していました。
しかし、この数値は明らかな誤りです。カリウム40からの被曝量は通常170μSv/年であると言われているからです。
なぜこのように誤った数値が強調されて報道されたのでしょうか?

6.調査の結果の再検証について
番組で紹介されたデータは、現在Web上のリンクが削除されています。
その上で、データに誤りがある可能性について示唆するコメントが記載されていました。
—-
番組で行った『食卓まるごと調査』について、視聴者の皆様から多くの反響をいただきました。
その中で、データの精度についてのご指摘もありました。
そこで現在、調査を担当した首都大学東京と、外部分析機関の協力を得て、データの再検討を行っています。結果が出次第、改めてホームページで公表いたします。
—-
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/01.html

上記6点のどの項目をとっても、この検査が信頼に足るものではないことを示しているように見えます。
検査は首都大学東京の研究室が行なっているとのことですが、これらのデータが妥当なものであるか、公正中立な第三者機関、できればドイツなどの検査機関において再検査されるべきだと思います。

少なくとも現段階において、現状の検査においては各食卓の安全性を示すことができる根拠は薄いと考えます。
NHKが不確定な情報を元に安全を謳った報道を許してしまったことは残念でなりませんが、公正中立な第三者機関の手によって行われた検査を公表することで、信頼の回復に努めて頂きたいと思います。

11/1追記—-

番組で測定を行った福士政広教授が、検出結果について、測定器の調子が悪かったとのコメントが紹介されていました。

NHK『放射能大丈夫?食卓まるごと大調査』、デタラメデータで世論誘導&安全宣言
http://blogs.yahoo.co.jp/purelys9/6905642.html

—-
福士政広教授「測定器の調子が悪かった、現在再分析中」

測定値の信頼性は、本当に確保されていたのか。実際に測定を行った首都大学東京健康福祉学科放射線学科の福士政広教授に話をうかがった。

–基本的なところなんですが、測定データをみると、検出されなかった場合、「測定値ゼロ、誤差ゼロ、検出限界ゼロ」と表記されていますよね。公的機関の分析などでは「検出限界以下」と表現されているようですが、今回のデータでは、検出限界もゼロというのは本当なんでしょうか?

福士氏:測定器自体が非常に不安定な時に測定していたということもあって、そのすぐ2,3日後に重要な部分が壊れてですね、修理に出して1週間前くらいに返ってきたという状況です。そういう状況だったので検出限界は手計算でやっていたんです。グラフに示されている検出限界の単位ですが、キログラム当たりのベクレルではないんですね。そう表記すればよかったのでしょうが、誤解を招くようですね

–それで、検出限界をキログラム当たりのベクレルにすると、どれくらいに相当するんでしょうか。

福士氏:5ベクレル/kgくらいになると思います

–ということは、4ベクレル/kgということでは不検出、ということになるんですね。

福士氏:そうですね、そういう形になりますね。

–それと、カリウム40の値があまりにも不自然だと思ったんですが。私がおかしいと思ったのが、水と食事が同じくらいという点。これくらいのカリウム40がでているとしたら、水が1リットル当たり10g以上カリウムが入っていることになります。そんな水は飲めないだろう、と。

福士氏:なるほど、そうですね。カリウム40については、校正が非常に甘いということがあったので、そちらは高めに出ることは予想されていました。この辺りは数値が10カウント位上がるとそうなってしまうんですよね。カリウム40に関しては信頼性がないので出したくなかったんですけどね。カリウムは、当初は測るつもりはなかったんですけど、途中から測ってくれとNHKから言われて、途中から入れたのもので…、いろんないきさつがあるんですよ

–NHKから連絡がありましたか?

福士氏:ちょうどいま数値に関しては、ばらつきが大きいということで再調査しましょう、ということになっています

–カリウムについてNHKの方から要請されたという話ですが、番組の中で、東京の江戸川区の、非常に食材の産地に気を使われている家族を例に、セシウムによる被ばく線量に比べて、天然のカリウム40による被ばく量が圧倒的に多いんですよ、と説明しているんですよ。

福士氏:そうなんですか、私、全然見ていないものだから。NHKの使い方はちょっとおかしいな、カリウムを線量計算して比較すること自体、ナンセンスですよ。体に取り込まれている量は決まっているので…

–カリウムデータのそういう使い方がおかしいのと、さらにそのデータも間違っているのでは、二重に間違っているわけですよね。また、セシウムも福島事故由来だとするとセシウム134と137が大体1:1の割合で出るはずだと聞いたのですが、今回は、どちらか片方しか検出されていませんよね。

福士氏:実は今回の測定では、セシウム134については、実は違うものを検出していた可能性があります。ビスマス214という別の核種のピークを検出して、それをセシウム134だと誤認した可能性があると。再分析している最中なんですけど、それはほぼ確実です

–セシウム137については。

福士氏:全部測った中では、一か所だけ137だけが出ているものだけは、確実に出ている、といえるでしょう。でも134が検出されていないので、それは福島由来とはいえないですね

–でもNHKでは全部、福島第一原発由来のように話していましたよね。

福士氏:私は福島由来ではないと思いました。たぶん福島由来だったら両方出てくるんだと思うんですよね

–結局、今回放送されたデータは、いずれも訂正が必要ということなんですね。

福士氏:現在、校正をし直して、また別の機関とクロスチェックをしよう、ということでやっています。今回の数値データは少し高めに出ているのと、別のものを検出している可能性が高いのと、カリウムはかなり高めに出ているので、真の検出結果は、より安全側というか、ほとんど検出されないということになると思います。報道されたデータよりも、より安心できる測定結果になるでしょう、ということなんですよ

福士教授は、測定データの誤りのせいで実際の値より大きな値が出ていたという点を強調して、実際は、もっと少ないのでより安全だ、と強調される。しかし、その逆の可能性もあるのではないかと心配になる。

—-

福士政広教授によると、調子の悪い機器で測定し、K40はNHKに言われて測り、セシウムは別の核種を誤検出していた。でも、食品中の放射能は実際はもっと少ないので安全だ、ということになるそうです。

NHKによると、再検討したデータについては、12月15日に特集で取り上げられるとのことです。
風評被害を招かないような、厳密な報道が行われることを期待します。

報道されない汚染:福島県飯舘村の草野小学校で344.2μSv/h

2011-10-30 | 震災・原発 | By: sorakuma

汚染には報道される汚染と報道されない汚染があるのかもしれません。
福島県飯舘村の草野小学校で検出された344.2μSv/hの汚染も、報道されない汚染の一つです。

こういった報道されない汚染の情報源は、Twitterなどの個人投稿です。
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@nyanko_ken3 ハシモトケンタロウ June 14, 2011
飯舘村、草野小学校で最大値。34.42じゃなく、344.2μSv/h。#genpatsu
http://twitpic.com/5bdyaj
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世田谷区のラジウム瓶など、まるで最初から結果が分かっていたかのような汚染に対しては大きく取り上げられていますが、原因不明の–ある意味原因が自明な汚染に対しては最初からそんな事実がなかったかのように沈黙を保っています

多くの方が、柏で数μ/h、あるいは数10μSv/hを検出しているのであれば、福島などの『より強い汚染が見込まれる地域』ではどれだけの数値になるのかと考えるところですが、その通り、非常に過酷なレベルの汚染が検出されています。

344μSv/hとは、外部被曝だけで年間300mSvに達する汚染となります。
もはや、除染の是非を問うまでもなく、まずは近隣の全住民の安全のため、避難が求められるレベルであると言えます。

その他、横浜で見つかったストロンチウムや、柏や虎ノ門で検出されていると言われる中性子なども報道されない汚染に該当します。
これらはもちろん誤報である可能性もあります。ですが、事実であれば健康どころか生命に関わりかねない汚染が報道されず、住民の多くは知らされないまま日々の生活を過ごしているのが実態です。

報道されない汚染とは、報道できない汚染である、と言い換えることができるかもしれません。
原発報道は、事態が深刻であればあるほど報道されることはなくなります。
報道されない情報にこそ、私たちが知らなければならない真実がある、そのように考えます。

「放射能の除染」を行うということ、その危険性

2011-10-30 | 震災・原発 | By: sorakuma

事故当初、3月16日にこんな記事が出ていました。

「放射能の除染」はいったいどのようなことをするの?
http://dailynewsagency.com/2011/03/16/nuclear-decontamination/

日本でいずれ必要になるであろう除染について、海外で実際行われている除染活動を紹介したものです。
画像を紹介すると…。

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除染を行なう隊員は一般的にこのような防護服を着用します。目止めのために手首・足首にテープが巻かれ、放射性物質から体を守ります。

使用後はこのように洗浄した上で放射性廃棄物として処理されることになっています。基本的には使い捨てです。

ごしごしとこすられる隊員。結構うすい素材なのが分かると思います。

降り積もった放射性物質を踏んで汚染されてしまうケースが多いので、靴は特に重要な除染箇所。

防護服を脱いだあと再び測定が行なわれ、もし放射線が検出されるとさらに洗浄が行なわれます。現在原発の近くで行なわれている除染作業は、おそらくこのレベルのものだと考えられます。

水を送るポンプ車やシャワー用テントなど専用装備が多いため、多くの軍では専門の部隊が編成されます。陸上自衛隊では中央即応集団の中央特殊武器防護隊のほか「化学科」と呼ばれる部隊になります。

毒ガスや核兵器などが用いられた地域からの道路に検問をしき、除染を行なうのもこうした部隊の任務。とにかく外部に汚染を広げないために色々な対策がとられます。

もちろん「除染」は人間や車だけでなく、こうした大型船舶にも行なわれます。これは1946年に行なわれた核実験「クロスロード作戦」の後除染される船艦ニューヨーク。

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これらの画像は決して大げさなものではありません。
本来の除染活動とは、然るべき装備を元に、入念に管理され、除染活動を行う人員への被曝の影響を最小限にした上で行われなければならないものです。

除染活動の危険性は、カレイドスコープさんにて指摘されています。

とても危険!除染作業での内部被曝を避けよう|カレイドスコープ
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-828.html

一部を引用すると…
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除染作業員50万人のうち2万人が死亡して、20万人が放射能障害に苦しんでいる、という現実

チェルノブイリ原発事故から25年経った今も、現地では除染活動が続いています。

当局は、ウクライナとベラルーシの国境にまたがる半径30km圏内を立入禁止区域にしました。
現在は、約3500人の除染スタッフが毎日この圏内に入ってきて、事故現場の監視や除染、警備を行っています。

除染作業は最低でもあと50年間は続けられることになっています。
気の遠くなるような話ですが、日本でも、これから本格的な除染作業が始まります。何年も何十年も、それは続けられます。

チェルノブイリでは多くの除染作業員が動員されました。
そして、新たな内部被曝の悲劇が、ここから始まったのです。

除染作業員には、何年も何十年も経ってから健康障害が顕れ、仕事もできず、国からの十分な補償もなく、数年後には「棄民」扱いになっているのです

まだ、若いのに容貌は老人のように衰え、自分で動こうという気力も萎えてしまっています。

チェルノリブイリでは、放射線障害の恐ろしさなど何も知らされないまま軍人や警察官が除染活動に投入されました。
爆発直後の、こうした作業員は全員、まもなく亡くなったのですが、次の段階の除染作業に担ぎ出された人々は、ガンや、放射線による内臓の機能障害、脳神経障害に今も悩まされ続けて入ます。

その数は、軍の発表によれば、「50万人の除染作業員のうちのほとんどが何らかの症状を訴え、病院に通っていたが、やがて早い時期に2万人が死亡、20万人が今でも障害に苦しんでいる」。

残りの約30万人の人たちにも不安は残ります。

(公式発表では犠牲者は59人ということにされてしまっていますが、現場作業員50万人と避難した13万人に対して調査を行ったことがないので、実際は2万人以上と言われています)。
—-

日本においては言葉のみ広く知られ、さもあたりまえのことかのように推奨されている「除染」という言葉。

しかし、日本で実施されている除染活動とは次のようなものです。

福島に除染ボランティア集結「本当に感謝」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111029/trd11102910300003-n1.htm

この画像と、冒頭のいくつかの画像を比較してください。
本来行われるべき除染活動とはかけ離れた、装備も準備もなく、管理さえされていないというのが実態です。

除染活動の程度の差こそあれ、彼らは準備のないまま被曝し、衣服や靴についた放射能を自宅に持ち帰っていることでしょう。
マスクをしていなかったのであれば、肺から放射能を吸入し、10年後、20年後に発症する肺がんと言う形で死の宣告を受け取っているかもしれません。
全身くまなくシャワーやブラシで正しく除染され、放射線の数値に影響がないことは確認できているでしょうか。
日本の除染活動で、そういった管理が徹底されているという話は聞いたことがありません。

彼らは間違いなく新たな被爆者となってしまっているでしょう。
知識も装備もなしに、徒手空拳で放射能災害に立ち向かうことは、竹槍で戦闘機を落とそうとすることによく似ています。
それがさも美しいであることかのように報道されていることも、よくよく考えなければなりません。
本来マスコミや専門家は、こういった除染活動の危険性や、本来のあり方について指摘しなければならない立場のはずです。

福島のみならず、首都圏の各自治体では、除染活動をどのように行うべきかについて日々検討されていることと思います。
しかし、除染活動は、私たちが今まで行なっていたような「ゴミ拾い」や「ドブさらい」などとはわけが違う危険な作業です。

すぐとなりに、青酸カリや毒ガスが存在しており、それを生活圏から少しだけ移動させる程度のものであることを認識し、入念な事前準備と健康管理を行った上で、軍隊などの技術に習熟した人員・専門家が行うべきものであることを把握した上で行わなければならないのです。
さもなくば、土地を守るために人々を殺す、そういった事態を招くことになるでしょう。

世田谷区:170μSv/hと110μSv/hの高放射線量を検出

2011-10-29 | 震災・原発 | By: sorakuma

110μSv/hの高放射線量を検出したスーパーに隣接する形で、170μSv/hもの高放射線量が検出されました。
年間に直すと100mSvを超えるほどの高線量となります。

最大毎時170マイクロシーベルト=スーパー敷地の高放射線量-土中調査依頼・東京
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201110/2011102900044&g=soc

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東京都世田谷区八幡山のスーパー敷地で高い放射線量が検出された問題で、文部科学省は29日未明、最大で毎時170マイクロシーベルトの放射線量が計測されたと発表した。同省は、土のうを積むなどして周囲の放射線量を下げる措置を取った上で、スーパーの経営者に土中にあるとみられる放射線源の調査を依頼した。近く、調査が行われる。
文科省や区によると、毎時170マイクロシーベルトが計測されたのは、店舗から約60センチ離れた植え込み付近の地表。同じ場所の高さ1メートルの地点でも同4.7マイクロシーベルトを記録した。また、約10メートル離れた店舗の出入り口付近でも、地表面で同110マイクロシーベルト高さ1メートルで同10マイクロシーベルトが測定された。
敷地は、1961年以降駐車場として使われ、2000年に現在の店舗が建てられた。放射線量が高かった2カ所のほか、店舗内の床面でも最大で同2.5マイクロシーベルトと周辺に比べて高い線量の場所が数カ所あるため、文科省は何らかの放射線源が敷地内に埋まっているとみている。
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世田谷の歩道脇で高線量、舗装の下に原因物質か
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111028-OYT1T01113.htm?from=main5

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東京都世田谷区は28日、同区八幡山1の歩道脇の地表部分で毎時約110マイクロ・シーベルトの放射線量が測定されたと発表した。
原因物質は特定できていないが舗装路の下に埋まっている可能性が高いため、東京電力福島第一原子力発電所の事故とは関連が低いとみて慎重に調べている。
区によると、高い放射線量が検出されたのは、スーパー敷地に隣接する歩道脇の地表部分。スーパー敷地内の駐車場でも1地点で30~40マイクロ・シーベルトが検出された。区は念のため歩道の通行を規制しているが、「通過するだけなら健康上の心配はない」としている。
文部科学省は「アスファルトの下の地中から放射線が出ていると見られることから、福島第一原発事故との関係はないだろう」としている。
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文部科学省は調査結果が明らかになる前から『福島第一原発事故との関係はない』と発言していますが、むしろ関係がないほうが不自然です…。

世田谷区長、保坂氏のブログでは、次のように記載されていました。

ふたたび、世田谷区内の高い線量が計測された地点について
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/a338da8e925d241b52165bb53a8f0943

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文部科学省科学技術学術政策局渡辺格(いたる)次長と先刻お話しをしましたが、「高い放射線量」が検出されているのふたつの地点の周辺、近隣を測定したところ区内の平常値と大きな差異がないことから「影響は限定された地点であり、避難などの必要はない」とのことです。
スペクトルメーターで計ったが「核種」を特定できないとのことです。渡辺次長の話では、「波形が取れないことから、原因物は地中ではないかと推測される」とのことです。
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核種が特定できないことから、原因物は地中にあるかもしれないと推測される…
そこから連想される原因の一つには、柏の57.5μSv/hと同様の、雨水による影響がありそうです。

雨水枡や汚水枡が何らかの原因で破損し、雨水に含まれる放射能が土壌をフィルターとして集められた、という可能性です。
柏で57.5μSv/hだった例を考えてみても、世田谷で同様のことが起きないとは限りません。

また、今回の高放射線源が検出されたのはスーパーであるといいます。
各地の物資が集まることは、汚染された物資も同様に集まりやすいことを意味しているる、ということかもしれません。

世田谷で発見されたラジウム瓶の報道を皮切りに、次々と高線量のマイクロホットスポット的な存在が報道されています。

世田谷のラジウム瓶:600μSv/h
柏の側溝の破損:57.5μSv/h
郡山の植込の土:80μSv/h
そして、今回の世田谷のスーパーの170μSv/hと110μSv/h

より高い放射線量が検出される背景には、汚染は収束するどころかむしろ日本中に拡散し、そして各地に集積されている、といった背景があります。
柏の例を見る通り、汚染源の一つに雨水があるならば、放射能雨が降るほとんどのエリアで柏や世田谷に匹敵するような高線量のポイントは今後も見つかるでしょう。
それにしても、それだけの汚染をもたらす雨には、いったいどれだけの放射能が含まれているというのでしょうか。

高放射線源はどこに存在するかわからないし、存在しても見つけることは容易ではありません。
柏や世田谷が汚染されている、というよりは、そこに住む住民の危機レベルが高いため、氷山の一角が明らかになっているといったほうが自然だと考えます。
その他の地域で、『自分たちの地域でなくてよかった』と考える人がいたとすれば、それはおそらく誤りです。汚染のレベルが調査されず、また明るみにでていないだけで、既に深刻なレベルに達している可能性もあるのですから。

仮に『水が汚染されている』のであれば、何度除染しても、雨が降るたびに汚染が元に戻ってしまうことにもなるかもしれません。
福島から200キロ以上離れた世田谷でこの数値を叩き出すのであれば、それより福島などではどれだけの汚染が進んでいるのでしょうか…。

東海再処理施設:事故発覚と同期して停止されるモニタリングポスト

2011-10-29 | 震災・原発 | By: sorakuma

28日午後16時、茨城県の東海再処理施設、通称東海村にて、排気筒ダクトに穴が空いているのが発覚しました。

東海再処理施設、排気筒ダクトに穴 茨城
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111029/ibr11102902280000-n1.htm

—-
28日午後4時25分ごろ、日本原子力研究開発機構東海研究開発センター(東海村白方)の再処理施設=運転停止中=で、屋外にある主排気筒ダクトの耐震補強作業をしていた作業員が、ダクト下部に楕円(だえん)形の穴(20ミリ×10ミリ)を発見した。すぐに応急措置を行い、アルミテープで穴をふさいだ。同機構は同日夜までに、国や県、周辺市町村など関係機関に今回のトラブルを報告した。

 同機構によると、穴が見つかった主排気筒ダクトは炭素鋼製で、筒の厚さは4・5ミリ。今月6日の点検作業では穴が開いていないことを確認しており、原因を調べている。主排気筒など再処理施設周辺の放射線量は変動がなく、「環境や従業員への影響はない」(同機構)とした。主排気筒ダクトは通常、浄化後の気体が流れているという。再処理施設は平成19年5月から運転を停止している。
—-

浄化後の期待が流れているため、環境や従業員への影響はない–そのように報道しつつも、不可解な点がありました。
ほぼ時を同じくするかのように茨城などの一部モニタリングポストが非公開となっているのです。

各地の放射線グラフ
http://guregoro.sakura.ne.jp/thumbnail.php







事故が発覚したのは28日の16時25分頃です。
茨城の空間線量は、事故発覚後1時間後の17時台には非公開となっています。
埼玉も少し遅れて非公開に。

仮に、報道の通り『放射線量は変動がなく、「環境や従業員への影響はない」』のだとしても、私たちがそれを知らされるのは事態が十分に進行し、あるいは収束した後ある程度の期間を置いて、ということになります。

3月の福島原発事故以降、放射能の放出が非常に低く報道されながら、後になって数倍もの放射能が放出されていたり、ストロンチウムやウラン、プルトニウムの放出が後から報道されるなど、そういった事例はいくつもありました。

モニタリングポストの映像や数値は、私たちが事故の影響を知るためにあるのではなく、『事故は観測されず、安全である』と知らされるためにあるのかもしれません。
ある意味、表示されなくなった→何かが起こっているから注意しろ!という裏の意味合いがあるのかもしれませんが…。

スギ花粉に放射能は含まれるか[更新]

2011-10-28 | 震災・原発 | By: sorakuma

スギ花粉に放射能は含まれるか。
そんな不安を代弁すべく、林野庁が放射能の測定に動き出しました。

スギ花粉の放射性セシウム量調査へ 林野庁
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111026/trd11102619310012-n1.htm

—-
調査は福島県浜通りのスギ林を中心に実施。放射性セシウムがスギの生葉から雄花や内部の花粉にどの程度移行するかを調べる。
スギ花粉は例年、関東地方では2月上旬から、飛散を始める。花粉の線量測定は前例がなく、同庁は「現時点で、どの程度含まれるかは不明」としている。
12月中に中間報告を公表する予定。同庁によると、福島県内のスギ林は約18万5千ヘクタールで、同県の森林面積の約2割を占めている。
—-

杉の花粉1個の大きさは約3/100mm程であるといいます。
よく知られているとおり、日本は2月上旬から大規模に花粉が飛散していきます。

スギにはどんな割合でセシウムが含まれるか、それを既に計測している記事がありました。

スギ花粉の放射能汚染について|WINEPブログ
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1300.html

CS-137 (Bq/kg)
杉の雄花 56,983
杉の葉 18,182
杉樹皮      508
杉樹皮の焼却灰 238,000

少なくとも、杉の雄花にしっかりセシウムを含んでいるようです…。
花粉として飛散した時、どれだけセシウムが移行するかは今後の調査次第ですが、仮にセシウムが放射能を含んで飛散する場合、吸い込むどころか触れるだけでアウトの花粉が日本全国を覆うことに。

上記スギの計測は、原発から122キロ地点、茨城のものですが、つまり福島のみならず、広大な範囲の汚染されたスギ林からの花粉を警戒する必要があるのかもしれません…。

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11/4追記—-

【汚染】奥多摩のスギ花粉から93ベクレル/kg・スギの葉から1300ベクレル/kg検出、文科省が6月に行なった計画的避難区域内のスギの葉は最高17万7600ベクレル/kg
http://savechild.net/archives/11532.html

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11月4日のモーニングバード(テレビ朝日)で独自に奥多摩(東京・青梅)のスギ花粉の放射性セシウム検査を行なった結果、スギ花粉から93ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されました。
そして、このスギの葉からは1300ベクレル/kgの放射性セシウムが検出という内容でした。
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少なくとも、スギ花粉にはセシウムが含まれる、ということになりそうです。
汚染の強いスギからのセシウムは如何ばかりでしょうか…。

11/4追記—-

スギ花粉へのセシウムの移行が、仮に土壌の汚染に比例するものであった場合は、汚染はどれだけのレベルに達するのでしょうか。

奥多摩の花粉1gによる内部被曝は1.46Svなのか?
http://ameblo.jp/pochifx/entry-11068207461.html

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(゚ω゚)2011.11.04モーニングバードで具体的な数値が発表された。
(゚ω゚)土壌汚染の1/14の花粉が飛んでくるらしい。

(゚ω゚)ツイッターでは、1.46μSvは内部被曝だと指摘があった。
(゚ω゚)ICRPは内部被曝を10億倍(9桁)も過小評価しているから、

http://www.cadu-jp.org/data/yagasaki-file01.pdf

>繰り返しになりますが、国際放射線防護委員会の基準ではアルファ線および
>ベータ線の内部被曝の評価は決してできません。
>大きさの程度として10億倍も線量評価が違うのです。

(゚ω゚)ちょっと花粉をつまんで1グラム食べたら、1.46Svになるのかな?
(゚ω゚)来年は蜂が減って、農作物は実が成らないということ?

(゚ω゚)群馬や栃木の腐葉土などは数万Bqなので、
(゚ω゚)そういう土地から数1000Bqの花粉が飛ぶことになる。
(゚ω゚)原発周辺の森林はどれくらいの汚染だろうか?
(゚ω゚)その1/14の花粉って? 関東おわり?

(゚ω゚)308,240 Bq/kg で育った杉の花粉は1/14するから、22017Bq/Kgの花粉が出来る。
(゚ω゚)花粉1個が2×10^-9[g]なので、一粒吸い込んだら11ナノベクレル
(゚ω゚)適当な計算です。信頼ある人に計算してもらってください。
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ウラジーミル・バベンコ氏記者会見質疑(2011年10月12日)

2011-10-28 | 震災・原発 | By: sorakuma

動画全文文字起こし:合同会社ハルクアップ
【動画音声書き起こし】ウラジーミル・バベンコ氏記者会見質疑(2011年10月12日)
http://haruku-up.jp/blog/tape/20111012/

気になった部分を抜粋しています。

土壌がより多く汚染されているからといって、そこで必ずしも非常に汚染された野菜や農作物ができるとは限らない
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…4つのゾーンに区分けすることにベルラド研究所が反対しているのかといいますと、土壌がより多く汚染されているからといって、そこで必ずしも非常に汚染された野菜や農作物ができるとは限らないからです。現在、我々は食品の測定データを集めまして、そのような結果を得ています。つまり、必ずしも比例するものではない。そのような、ここが大変高度な汚染地域だと言われているところでつくられた食品も、必ずしも高い汚染をしている食品が必ずできるとは限らないからです。
私たちは、例えば100カ所のいろいろなレベルの汚染地域でとれた食品について測定を行ってきましたが、高い汚染地域だから必ず高いところ、低い汚染地域だから安全な食品・農作物がとれるといった、そのような直接的な関係が認められませんでした。
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日本は原子力発電をどうすべきか?
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まず初めに私は原子力発電所側の人間ではありません。しかしながら、日本という大国がどれほどのエネルギーを常に必要としているのかを想像しますと、やはり原子力からほかのエネルギー供給をする方向に転換していくほうがよいと思います。どうしてかというと、やはり国の発展のためにはエネルギーが必要であり、日本はエネルギーをたくさん必要としています。エネルギーを供給していくためにも、ほかの方法を考え、そちらに移行していくほうがいいと思います。エネルギーがないからといって、それをどんどん省略していこうとは考えずに、今使っているエネルギー量を減らすことなく、今の状態をできるだけ維持する方向に進んでいくほうがいいと思います。
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日本において、チェルノブイリと同様、原子力事故による病気が多発するか?
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日本で全く同じような、チェルノブイリ原発事故で起きたのと同じ影響が日本でも始まるのかといいますと、絶対にそうだとは言い切れないと思っています。
どうしてかといいますと、ベラルーシは風土病として常にヨウ素が足りていませんでした。つまり、ヨウ素欠乏症です。そのような風土病がありまして、ベラルーシ人には常にヨウ素が不足していたのです。私が学校に通っていたときに、学校でヨウ素剤が配られて、みんなで飲んだことがあります。
チェルノブイリ原発事故の事故が起きた後、すぐに住民にヨウ素剤を配ることをしませんでした。その結果、甲状腺に非常に速い速度で放射性ヨウ素が蓄積してしまいました。
しかし、日本人の食生活はベラルーシ人の食生活とは大きく異なっています。日本の食生活の中では海産物がよく食べられています。海産物にはたくさんのヨウ素が含まれています。
そのような食生活の違いがありますので、日本で甲状腺に関係する病気がふえるとは余り予測していません。
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ベラルーシの基準値について
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(ベラルーシの基準値は)このように細かく制定されているのですが、それはまず、人によって、たくさん食べる食品、余りたくさん食べない食品があります。そして、平均ですが、大体のベラルーシ人が、この食品はたくさん食べる、この食品は余り食べないということから計算してこの基準値を定めました。そしてその結果、平均ですが、最終的には1ミリシーベルト以下の被曝になるようにと計算されて、このような数値が定められています。
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ベラルーシの基準でさえ、理想的なものではない
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このような基準値が決められているのですが、その裏には、やはりベラルーシの経済のため、あるいは政治のためといったような裏の側面も実は含まれています。
例えばベラルーシの基準値ですが、子供が対象であることを表示している食品については、1キログラム当たり37ベクレルが基準値となっていますが、私の考えでは、37ベクレルでも子供にそのような食品を与えるのはいけないと思います。非常に体に悪いです。
子供に与える食品については、できるだけ少なく、要するにゼロのほうがいいと思っています。
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日本の基準値について
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日本の基準値を見たとき、私は驚きましたし、どうしてこのような数字が基準として決められたのか、全く理解することができません。
日本の基準値に関しましては、できるだけ早い時期にもっと現実に即した、例えば日本人が何をどれぐらい食べるのか、どれをたくさん食べるのか、どれを少ししか食べないのかというようなことも考慮に入れた、新しい基準値ができることだろうと思っています。
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ベラルーシの食品の基準値は厳しく守られている。
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ベラルーシで食品を扱っている企業では、必ず2回測定をしています。それはまず、企業に入ってくる食料品の原料になる食材の測定。そしてその後、加工などをして、完成した商品に対する測定をしています。2回測定をして、その測定の結果がそのベラルーシが定めた基準値を超えないようにしています。それを必ず守るようにしています。
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ベラルーシの基準を守っても、内部被曝は無くせない
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ベラルーシの基準値を、まあ厳しいのですが続けていると、結局状況として、ベラルーシ人の体内放射能値は減っていく。要するに効果があるのでしょうかというご質問ですが、このような基準値を今現在守っている状況なのですが、ベルラド研究所が測定した結果、ベラルーシ人の体内を測定しますと、やはり体重1キロ当たり、15ベクレル、25ベクレルといった放射能が検出されています。つまり、そのような基準値、先ほどは厳しいとおっしゃいましたが、それを守っていたとしても、やはりどうしても、人間の体の中に放射能が見つかっているということは、この基準値でも、実はまだ甘いといいますか、よくない、もっと厳しくしないといけなかったのかもしれません。
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汚染地域のために、どんな対策が考えられるか?
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ベラルーシの経済状況と比べますと、日本の経済状況のほうがはるかによいと思います。ですから、何かの対策を打つことが必ずできます。例えば危険と思われる地域からまず人々を避難させ、その後、除染をする、あるいはまた別の、人が住まなくてもいいような、例えば工業地域にしてしまうといった対策をします。それを何年か続けて、その後、またその場所に戻ってくるといった方法もあると思います。
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日本が第一にしなければならないのは土壌の測定
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日本において、第一にしないといけないのは、土壌の測定です。土壌をまず測定してください。測定してその数値がわかれば、この後どうしたらいいのか、おのずから対策方法が見えてくると思います。
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日本人は故郷を捨てて移住すべきか?
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日本の人口密度は高いです。人口密度が高いのですから、そのような地域に住んでいる人たちも当然のことながら多くなってきます。ですから、そのような地域に住むことはやめて、自分たちの故郷を捨ててしまい、別の場所に全員行ってしまおうというようなことはしないほうがいいと思います。できるだけ、自分たちが住んでいた大地に住み続けること。そういった方法がないか、そういう対策を考えてみる必要があります。そのほうが絶対にいいと私は思います。
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ウクライナとベラルーシの平均寿命が減ったのは事実か?
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ベラルーシで平均寿命が短くなってしまった(1988年にウクライナとベラルーシの平均寿命が73歳あって、2010年時点で55歳になった。10数歳、平均寿命が短くなった)というのは事実です。それはやはり、事故の影響によるものだと(思います)。死亡率が出生率を上回っている状態が今も続いています。特に、放射能汚染地域として有名なベラルーシのゴメリ州で、そのような状況が続いています。
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放射性物質の人体に対する影響にはどんなものがあるか?
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子供の年齢に関係なく、体重1キロ当たり70ベクレル以上であった子供は血圧が高いという傾向が見られました。
子供の時から血圧が高いとどうなるでしょうか。それが心臓に悪い影響を与えることは明らかなことです。
さらにその医療機関が行った調査ですが、いろいろな対策方法をとりまして、その子供に蓄積されていたセシウムの量を減らすことにしました。セシウムの量が減ると、血圧が下がりました。そのような研究結果があります。
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ベラルーシでは現在、セシウムに対してどのぐらいの濃度があるのか。
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セシウムとストロンチウムの関係についてですが、セシウムが多いとストロンチウムが同じぐらいとか、何倍出るとか、何分の1出るとか、きちんと決まったそのような因果関係は全くありません。セシウムはセシウム、ストロンチウムはストロンチウムです。
ベルラド研究所の今までの食品測定の結果によりますと、ストロンチウムが多く含まれる食品は穀物です。
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ストロンチウムに対してはどのような対策をとるべきか
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ストロンチウムの性質とカルシウムの性質は物理的・化学的に大変よく似ています。セシウムはカリウムと大変よく似ています。
もし、人体の中にカルシウムが不足しているとします。そうしたカルシウム不足の人体には、ストロンチウムが一瞬で蓄積されます。

ハンガリーで、このようなストロンチウム対策についての研究がされているのですが、興味深いのは、ニワトリの卵の殻を使ったストロンチウム対策です。
まずニワトリの卵の殻から粉をつくります。卵の殻にはカルシウムが豊富に含まれています。ですから、その卵の殻の粉を摂取することによって、カルシウム不足を補うことができます。そのようにカルシウムが人体の中にたくさん入っているというような状況にしておくと、ストロンチウムが体内に入ってくるのを防ぐことができます。
この卵の殻の粉を使った方法のほうが、従来のカルシウムサプリを使った方法よりも効果があることがわかりました。このようなストロンチウム対策を考えてみてはいかがでしょうか。
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Das leise Sterben 静かな死[翻訳・転載]

2011-10-28 | 震災・原発 | By: sorakuma

Canard Plus Tomoさんのサイトにて、3月19日原発事故当時のドイツ語の記事が邦訳されていました。
この原文は3月に書かれています。しかし、私たち—-私も含めて—-目を逸らしている現実、そして辿るであろう未来を示しています。

Das leise Sterben 静かな死
http://vogelgarten.blogspot.com/2011/10/das-leise-sterben.html

原文:Das leise Sterben

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ドルテ・ズィーデントプフさんは20年来チェルノブイリ近郊の汚染地域を訪れ、現地とドイツとで、放射能の被害者達の救援活動を行っています。ズィーデントプフさんは核戦争防止国際医師会議 IPPNWのメンバーでもあります。n-tvとのインタビューでは白ロシアの村の人々の悲しみに満ちた生活とその静かな死について、そして原発事故の起こった福島を待ち受けている将来について語ってくださいました。

n-tv:20年間チェルノブイリの放射能犠牲者をご覧になっていらっしゃる経験から、日本人を待ち受けている将来についてどのようにお考えになりますか?

急性放射線障害に脅かされている原発作業員達の運命については誰しも想像がつくでしょうけれども、低線量被曝に晒される何千人、何万人もの人間にも着目しなければなりません。事故のおぞましい映像や、遅かれ早かれ死に見舞われ、あるいは病に倒れるだろう作業員達の運命にも関わらず、私達はあまりにあっさりと、低量被曝を受けた人々の間に長い年月に渡って広がっていくことになる病気を忘れてしまいます。

n-tv:福島原発周辺地域の放射能汚染に関する具体的な報告はありますか?

残念ながら信頼できる情報はほとんどありません。セシウムが環境に放出されたとらしいというのが私が最近耳にした情報です。そこでセシウムを例にとって説明しましょう。セシウムは生物学的にカリウムと似ており、人間の体は良性のカリウムとセシウムとを区別出来ません。セシウムは呼吸と食物を通して人体に侵入します。セシウムの身体への侵入を防ぐことは出来ません。人間の体に入ったセシウムは独立して細胞に取り付き、細胞のエネルギー源を破壊します。肝臓であろうと膵臓または脳細胞であろうと問題ではありません。セシウムに取り付かれた細胞は、隣接する細胞を同様の状態にした後、死亡します。こうやって不気味な悪循環が始まるのです。生命は細胞から誕生しますが、この場合、細胞は死の出発点となるのです。

n-tv:細胞に取り付いたセシウムの潜伏期間はどれくらいですか?

それはセシウムを取り込んだ人の年齢によります。子供は細胞分裂を絶え間なく行っていますから、より大きな危険にさらされています。成長期にある子供は常にエネルギーを必要とし、常に傷ついた細胞と共存していかなければならないのです。すでに臓器の成長が終わり、細胞分裂の総数が少ない成人は、即座には脅かされません。そう言う訳で、子供の方がずっと早い時期に悪性の疾患に見舞われます。チェルノブイリの経験から早ければ1年後から4年後とわかっています。成人の潜伏期間は20年から25年です。

n-tv:つまりチェルノブイリ事故から25年を経た今、当時いわゆる低線量被曝を受けた人間が発病しているということなのですか?

その通りです。当時の大人は25年間生き延び、今病気になっています。私達はそれを”静かな死”と呼んでいます。当時の子供達はもうとっくに発病しています。そして多くが死んでしまいました。

n-tv:人間の生殖活動にはどのような影響があるのでしょうか?

セシウムは遺伝細胞にも存在します。厄介なのはセシウムが女性の卵巣や卵細胞にも取り付くことです。これらは再生しない細胞なので、生涯傷つくことになります。男性の精子は再生しますが、生殖活動の中で、傷ついた情報が伝達されていきます。そうなるとまったく子供が生まれなくなるか、または生まれても、父親と母親から傷ついた情報を受け継いでいるのです。その結果はとても想像できません。日本の責任者達はとっくに女性や子供を南に移住させていなければなりません。何故彼らがそれを実行しないのか、私には皆目理解が出来ません。将来大量の白血病が出現するでしょう。今回のセシウム雲は日本人にとって大変な惨劇です。しかもその他の放射性核種についてはまだ何もわかっていないのです。

n-tv:ヨウ素とストロンチウムも話題に上っています。

ヨウ素というのは放射性ヨウ素のことで、子供の甲状腺に様々な影響を与えます。子供達は成長途上にありますから、甲状腺は大人よりも多くの放射性ヨウ素を取り込んでしまいます。チェルノブイリの経験から、子供達の甲状腺癌が飛躍的に増加することが予測されます。残念ながら日本の方々は覚悟をしていなければなりません。

n-tv:ストロンチウムは?

ストロンチウムもセシウムに似て、厄介極まりない核種です。人間の体はストロンチウムも区別することが出来ず、食物に含まれていれば吸収してしまいます。ストロンチウムは骨と歯に取り付いて放射を続け、血液(つまり赤血球や白血球、血小板と言った基本細胞)を製造する器官のある骨髄を攻撃します。これらの血液細胞はストロンチウムによって傷つけられます。それも生涯に渡ってです。というのはストロンチウムは一度取り付いた場所を離れることは決してなく、そこで短いベータ線を放射し続けるからです。

n-tv:事故を起こした原子炉の周辺地域がどれくらいの時間で再び清浄になったと言うことが出来るデータは存在しますか?

半減期というのは放射線の半分が消滅する期間を指すだけです。生物環境から放射性核種が完全に消滅する時期を想像するには、それぞれの半減期に10を掛けなければなりません。ストロンチウムとセシウムの場合はだいたい400年ということになります。つまり想像しうるあらゆる生物環境いたるところに低量の放射線が存在すると言うことです。もちろん地下水にも。

n-tv:汚染地域で生きること言うことを、どのように想像したらいいのでしょうか?

生きるですって? 何よりも人々は死んで行くのです。静かに死んでいきます。主に癌が原因ですが、あらゆる病気で人々は死んでいきます。ストロンチウムも大きく起因しています。例えばエネルギー交換が不可能となって心筋がやられます。ベラルーシーで行った診察は、子供達が2歳、3歳、4歳にして急性心不全で死んで行くことを証明しています。癌だけではないのです。腎臓不全、肝不全や多くは血液製造障害が原因で人々は死んでいきます。これらは「チェルノブイリ・エイズ」という名称で知られ、生き延びられるチャンスはほとんどありません。

n-tv:事故との共存が社会的に受け入れられることが最終的にあるのでしょうか?

外見上はあります。私はかれこれ20年に渡って定期的にチェルノブイリの周辺地域を訪れていますが、今でも現地の人々は事故のこと、自分達の将来のことについて語るのを嫌います。彼らは身を小さくして、死と共に生きています。死人を出さない家族はありません。若い人々、うんと若い人々が本来は老人にしかありえない病に侵されています。チェルノブイリでは、家を出た途端倒れて死ぬ若者がいます。急性の心不全です。20歳,25歳,30歳での心不全は決して珍しくありません。

n-tv: プルトニウムについてまだ話をしていません。もしも大爆発が起こったら環境に放出される可能性がありますね。

万一原子炉のひとつでも本当に爆発することになったら、私には想像したくもない惨事になるでしょう。プルトニウムはこの世で一番恐ろしい毒です。福島の原子炉の燃料の半分はプルトニウムを含んでいるという話です。ほんの少量でもプルトニウムが体内に侵入すると肺癌に発展します。これに対して人間の体はまったく無防備です。そしてこれは不治です。何十万という人々が命を落とすことになるかもしれません。

(Peter Poprawa によるインタビュー)
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