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そらくま。

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「食べて応援」のめざましテレビ大塚キャスターが白血病に

2011-11-09 | 震災・原発 | By: sorakuma

フジテレビは6日夜、朝の情報番組「めざましテレビ」のメーンキャスター大塚範一さん(63)が急性リンパ性白血病と診断され、病気休養すると発表しました。

大塚キャスターが休養=白血病で抗がん剤治療へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111107-00000002-jij-soci

大塚キャスターは、3月以降、福島の『風評被害』を払拭するため、番組内で「食べて応援」のキャンペーンを行なっていましたといいます。

2chでは、大塚キャスターの番組での取り組みが調べ上げられていました。
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334 :名無しさん@12周年:2011/11/07(月) 14:26:59.38 ID:w1qlv+0K0
3月15日 東日本大震災 最新情報 大塚キャスター被災地報告
4月14日 福島県いわき市のアスパラとミニトマトをトッピングした野菜カレー
5月06日 福島県いわき市産トマト
5月09日 福島県産しいたけ
5月12日 福島県川俣シャモの親子丼
5月30日 福島の甘こうじ味噌を使って作った肉じゃが
6月16日 福島県産さやえんどう
6月29日 福島県産スナップえんどう
7月07日 福島県産のほうれん草、キャベツ、トマトを使った冷やし粥を試食。
7月13日 山梨県産の桃の日川白鳳と夢しずくを試食し、それらと福島県産の卵「平飼い地養卵」を使ったケーキも試食。
7月28日 福島県産のしんたまごを使った料理をスタジオで試食。
8月03日 福島県産のつるむらさきを使った料理をスタジオで試食。
8月18日 福島県産の「あかつき」と「あづましずく」を使った料理をスタジオで試食。
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番組内で「食べて応援」を実践する間、普段の食生活でも積極的に福島を「食べて応援」していたのかもしれません。
「食べて応援」を行なっていたことが、直接白血病の原因となったこと示す証拠はありません。
ですが、積極的に応援を行なっていた大塚キャスターが白血病に倒れたことは、一般視聴者にとって「食べて応援」という行為自体にリスクを感じさせる要因となってしまうことは否定できません。

セシウム137はかなり低量でも白血病発生率と深い関連性。
http://blog.goo.ne.jp/fgyneivf/e/cfcccac8482a59b8f192d076dda13143

英国では1970年台にセシウム137と染色体の異常との関連性が深いために、国が定めている安全値内であっても、10倍の白血病の発生率の増加をもたらした歴史があるといいます。

現在の福島産の食品は、セシウムの暫定基準値をほとんど大幅に下回っています。

市民放射能測定所検査結果
http://www.crms-jpn.com/mrdatafoodcat/food_grain.html

しかし、その基準値そのものにリスクがあるとしたらどうでしょうか。
500ベクレルどころか、その1/50、“1日”たった10ベクレルの食品をとり続けるだけでも、リスクがあるといいます。

1日10ベクレルの食事がもたらすもの
http://sorakuma.com/2011/10/08/4585

流通している食品に対し、11月8日より東京都は放射能検査を行う方針です。

都、500食品の放射能検査…豆腐やジュースも
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111107-OYT1T00889.htm

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1キログラム当たり50ベクレルを超えた場合は、ゲルマニウム半導体検出器でさらに精密検査を実施。検査結果は都のホームページで随時掲載し、国の暫定規制値以上が検出された食品は商品名も載せる。
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商品名が公開されるのは暫定基準値以上の食品だけなので、私たちが放射能に汚染された食品を手に取ってしまうリスクは変わりないかもしれません。ですが、検査結果の公開により、少なくとも私たちが食べることができる食品がどれであるかを把握することに繋がります。

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「食べて応援」を行なっていた大塚キャスターの他にも、福島産食材を積極的にとっていることを宣言していた芥川賞作家、柳美里氏がTwitterで、身体の変調を訴えていたのが以前話題になっていました。

福島産食材食べまくり宣言してた柳美里(芥川賞作家)のTwitterがヤバすぎる
http://hibi-zakkan.sblo.jp/article/47771385.html

こちらについても、直接福島産食材を食べていたことが原因になっていたことを直接結びつけるものではありません。
それでも、セシウムを多く含む可能性のある食品を摂取することのリスクを感じざるをえません。
いくつかの産地で、一方はセシウムが検出されていないもの、もう一方はセシウムが検出されているものがあるとしたら、私たちはセシウムが検出されていないものを選ぶべきです。
国が決めた暫定基準値は、健康を守るための何らかの根拠があるわけではなく、長期的にセシウムをとり続けても安全であることを証明するような論文もありません。

少なくともその安全が何らかの方法で保証されるまでは、健康被害を生む可能性をリスクと判断し、できる限り回避していくことが望ましいと考えます。

『除染を全力で進める』政府と、除染を危ぶむ声

2011-11-09 | 震災・原発 | By: sorakuma

藤村官房長官は、福島大の行った原発避難住民調査のアンケートについて、「一日でも早く安心・安全な生活を取り戻せるよう除染を全力で進める」との政府方針を強調しました。

原発避難住民調査:「除染を全力で進める」藤村官房長官
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111109k0000m040030000c.html

一方で、様々な方面から除染やその効果を危ぶむ声も上がっています。

日弁連が除染で政府に意見書 環境浄化に限界、賠償に力を
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102001000307.html

日弁連は放射性物質の除染をめぐり、「放射性物質の量は減らず、場所を移動させるにすぎない。環境浄化には限界がある」とする意見書を政府に提出しています。

東日本大震災:福島の農地除染、懐疑的考え示す--ベラルーシ専門家
http://mainichi.jp/chubu/newsarchive/news/20111104ddq041040005000c.html

ベラルーシの国立放射線学研究所のアベリン所長は、「農地の表土を削って除染すると、土地の肥沃(ひよく)度が下がってしまい農地として使えなくなる」と述べ、農地の除染に懐疑的な考えを示しています。

放射性物質除染の効果限定的 福島で神戸大調査
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004570146.shtml

山内教授は「除染の効果は限定的。安易に期待させることで、住民をさらなる被ばくに導く」と警鐘を鳴らしています。

今中哲二氏:除染についてもいたずらに可能性を匂わせるのはやめるべき
http://sorakuma.com/2011/10/31/5073

京都大学原子炉実験所の今中哲二氏は、飯舘村後方支援チームの活動の中で、除染期間はおそらく数十年に及ぶこと、その費用が莫大にのぼる可能性があることを示しています。

荒木田岳氏:除染するほど、「住めない」と思う
http://sorakuma.com/2011/10/31/5061

福島で除染活動を行なっている福島大学の荒木田岳氏は、一朝一夕には除染は完了しないことを認識した上で、数十年先の除染を見据えた活動を続けています。

除染活動に実際に携わっている専門家が、それがいかに困難かを示す中で、政府は、それでも除染を進める方針を示しています。
それはあくまで避難住民のためであるとしていますが、それは本来避難させるべき人々の健康とトレードオフになってはならないはずです。

除染活動とは、本来非常に危険を伴うものです。

「放射能の除染」を行うということ、その危険性
http://sorakuma.com/2011/10/30/5037

Twitterなどでも、除染活動後に体調を崩している声をいくつも拾うことができます。
一つ一つははっきりとしたソースではありませんが、そういった声が無数に上がっていることは、少なくとも意識しておかなければなりません。

小出裕章助教:放射能汚染の時代を生き抜くには?

2011-11-08 | 震災・原発 | By: sorakuma

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は2011年11月5日、ニコニコニュースでの視聴者からの放送を交えたインタビューに出演しました。
直近で発生したキセノン検出や、メルトスルーがどこまで進んでいると考えられるか。
福島での環境に人々は適応できるのか、がれき焼却の影響はあるのか、など、私たちの視点での質問に小出先生がわかりやすく回答しており、非常に興味深い内容になっています。

全文書き起こし:「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」京大原子炉実験所・小出助教に聞く 全文

小出助教への質問内容
・福島原発の2号機での放射性キセノンが検出に対する東電の『臨界は起きていない』との発表、これについての小出先生の見解は?
・福島(第1)原発のメルトダウン、炉心溶融はどのくらいの深さまで到達しているか?
・チェルノブイリのように、人間も今までより放射性物質の多い環境に適応していくということも考えられるか?
・がれき処理の焼却による人体への影響は?また、拡散させる以外の処理方法は?
・小出先生自身への何らかの圧力や嫌がらせなどはあったか?
・小出先生自身として危険性を訴えるだけではなく、小出先生自身が廃炉に向けた取り組みをされる必要があるのでは。専門知識がある以上、専門家の責任ではないか。

小出先生は原子力発電所から排出された放射能に対し、次のように述べています。
『元々東京電力の所有物なわけですから、本来であれば東京電力にお返しするという、そういう筋の物なんですね。ですから、すべて東京電力に返すのが私はいいと思いますし、全国にばら撒いて埋め捨てにするなんていうことは到底やってはいけないことなのです。』

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カリウム40による内部被曝の比較を信じてはならない理由

2011-11-06 | 震災・原発 | By: sorakuma

先日のNHKの報道でもありましたが、内部被曝の影響が放射性物質であるカリウム40と比較されている場合があります。

この時、人体に含まれているカリウムと比較して、~ベクレルしかない…ので、ヨウ素による、あるいはセシウムによる内部被曝は安全です。と主張する番組であれば、それは少し注意して聞いておいたほうがいいかもしれません。

例えば、東大病院の放射線治療担当チームの3月のブログには、次のように書かれています。

福島原発における放射性被ばくの解説
http://tnakagawa.exblog.jp/15135529/

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カリウムは、水や食物などを通して、私たちの体の中に取り込まれ、常に約200g 存在します。その内の0.012%が放射能を持っています。すなわち日常的に360,000,000,000,000,000,000 個の“放射性”カリウムが、体内に存在しています。

“放射性”カリウムは、体内で1 秒間当たり6,000 個だけ、別の物質(カルシウムまたはアルゴン)に変わります。これを「崩壊」と呼んでいます。そして、崩壊と同時にそれぞれの“放射性”カリウムが放射線を放出します。これが内部被ばくの正体です。1 秒間あたり6,000 個の崩壊が起こることを、6,000Bq(ベクレル)と言います。
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要約すると、
人の体の中には莫大な量の放射性カリウムが存在し、それが1秒間に6000個の崩壊を起こしています。
崩壊を起こすときに放射線を発するのですが、その放射線が放出される数が6000Bqということになります。

このエントリでは、放射性ヨウ素を720Bq取り込んだとしても、日常的に内部被曝している放射性カリウムの6000Bqより少ないので、心配することはない、といっています。

本当にそうでしょうか。

よく知られている放射線核種の放射能の強さの違いは、半減期を比較することで明らかになります。

半減期 Bq/g
K-40  12.8億年  26万
Cs-137  30年  3.21兆
Cs-134  2年  47.6兆
I-131  8日  4600兆

半減期の短い放射性ヨウ素、I-131は、1gの量だけで4600兆ベクレル。
反面半減期の長い放射性カリウム、K-40は、1gの量で26万ベクレル。

つまり、半減期の短い放射性核種は、同じ質量でもより崩壊しやすく、放射線を集中的に放つことになります。
放射性カリウムは全身に存在するため、6000Bq存在しても全身でまばらに放射線が放たれます。全身での内部被曝は分散するため、細胞の自己修復によりその影響は薄いものとなります。

ところがその他の核種は、同じ6000Bq存在した場合でも、その質量は放射性カリウムより圧倒的に少ない量(放射線が一箇所に集中しやすい)となります。加えて、これらの放射線核種は、身体の特定の部位に集中するため、より一層集中的に放射線を放つことになります。

ヨウ素であれば甲状腺に集まり、集中的に甲状腺を被曝させます。
セシウムであれば、全身の筋肉に拡散しますが、ラットを使った実験では、唾液腺(甲状腺に近い)腎臓心臓などに顕著に分布することが明らかになっています※。
ラットによるセシウムイメージ|放射線衛生研究 より

放射線は全身に分散しても、細胞の自己修復により回復が可能ですが、一つの器官に被曝が集中した場合、その影響は大きいものとなります。
これら、身体の一点にとどまり、集中的に部位を破壊する放射性核種と、全身のどこかで放射線を出すかもしれない放射線核種を同列に考えてはいけません。

現在問題となっている、食品に含まれるセシウムからの内部被曝に関しては、日々10ベクレルの摂取量であっても長期的には問題となるというデータもあります。

1日10ベクレルの食事がもたらすもの
http://sorakuma.com/2011/10/08/4585

日本政府が定めた暫定基準値では、セシウムは500Bq/kgまで摂取して良いことになっています。
しかし、その基準は全面核戦争時の食物の汚染基準でもあります。

国の暫定基準値は全面核戦争時の食物の汚染上限
http://sorakuma.com/2011/09/24/4209

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国の暫定基準値の500Bq/Kgは全面核戦争に陥った場合に餓死を避けるためにやむを得ず口にする食物の汚染上限です。もしも放射性セシウム137が500Bq/Kgも含まれた食品を3年食べたら致死量に達します。全てが基準値ぎりぎりではないとしても重複内部被曝を考えれば政府の暫定基準値では10年後に半数以上の国民が致死量以上に内部被曝する可能性が95%を超えます。つまり暫定基準500Bq/Kg未満で安全宣言すると言うことは、その食品を食べた人が 10年後に半数は死亡してもかまわないと言っているのと同じだと言うことを忘れないでください。
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2012年4月には、食品に新たな規制値が設定されるといいます。
少なくともそれまでの期間、駆け込み需要のように汚染された食品を『処分』するために『流通』させようとする動きがあるかもしれません。今は暫定基準値以下であっても、新たに設定された基準では出荷できない食品は出てくるでしょう。

その食品を口にする事の意味を、あるいは流通させることの意味を私たちはよくよく考えなければなりません。

武田教授が、セシウムの毒性は青酸カリの2000倍である、として物議を醸した話がありましたが、これはさほど大げさな話ではないと考えます。武田教授の計算する致死量に達するよりずっと前に癌や心筋梗塞、免疫系の異常や腎臓、ホルモンの異常や各種発達障害としてあらわれるからです。

統計に数字があらわれていないからこれらの説を信じない、という方もいるかもしれませんが、その時は、おそらく手の施しようがないほどの事態に他ならないことを忘れてはなりません。

千葉県沖地震の発生状況について

2011-11-05 | 震災・原発 | By: sorakuma


防災科学技術研究所によると、千葉県で最近1ヶ月に発生した地震は視覚的にはこのようになります。
千葉県東方沖に、似たような震度の地震が集中していることがわかります。

Hi-net自動処理震源マップ|防災科学技術研究所
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/

発生した地震の詳細データを見るには、日本気象協会を情報源とした地震情報検索が便利です。

同様に、茨城を見てみると…

茨城は、千葉県東方沖の地震源と福島と茨城の境の地震源、そして、茨城沖の地震源に囲まれていることが分かります。

もうひとつ、神奈川県を中心に見てみると…

神奈川県や静岡県などでは、今のところ集中して地震が発生している様子はないようです。

地震が集中する場合、震源の深さも同じ位の地震がまとまって発生している様子が見て取れます。

NHKなどが千葉県東方沖地震について、念のため警戒をとしていますが、今回千葉県沖で発生している「スロースリップ現象」は、地殻歪みを解消するので、喜ぶべき現象である、という見方もあるようです。

房総沖のスロースリップ領域は、地震の空白領域|toshi_tomieのブログ
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52014439.html
エントリでは、過去に被害を起こした被害地震の分布図から、スロースリップが観測された領域は、大規模な被害をもたらした地震の記録がないことが説明されています。
これだけ地震が集中していると不安になるばかりなのですが、それがゆっくりと解放されている限りは、大丈夫…ということになるのでしょうか。
いずれにしろ、大きな地震に備えておくことや、地震が発生した時の自分や家族の行動をシミュレーションしておくことは無駄ではないので、準備だけは怠らないようにしたいと思います。

牛乳に含まれる放射性セシウムは?

2011-11-05 | 震災・原発 | By: sorakuma

牛乳には放射性物質のリスクがある…そんな懸念から、極力牛乳を避けている方もいると思います。
実際、その根拠の一つになっていたのが、以前、食の安全を考える放射線測定にて計測されていた215Bq/Lという市販の牛乳の計測値です。

今回、別のサイトにて、10月以降に、市販の幾つかの牛乳について、ゲルマニウム半導体検出器による放射能濃度測定結果が公開されていました。
わずかでも検出されたものについては、50,000秒もの測定を行った精密なものです。

メグミルク牛乳

http://securitytokyo.com/megmilk20111010.html

2011年10月10日測定
測定時間54,000秒
測定誤差 Cs ±0.03 Bq/kg
セシウム合計0.67Bq/kg
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ヨウ素131   不検出
放射性セシウム134 0.33 Bq/kg
放射性セシウム137 0.34 Bq/kg
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北海道 根釧牛乳

http://securitytokyo.com/konsen_milk.html

2011年11月3日測定
測定時間50,000秒
測定誤差Cs-137 ±0.033 Bq/kg
放射性セシウム合計 0.22Bq/kg
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ヨウ素131      不検出
放射性セシウム134  検出 0.0951Bq/kg
放射性セシウム137  検出 0.1250Bq/kg
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大阿蘇牛乳

http://securitytokyo.com/oasomilk.html

2011年10月11日測定
測定時間15,000秒
検出限界 Cs-137 0.16 Bq/kg
セシウム不検出
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ヨウ素131     不検出
放射性セシウム134 不検出
放射性セシウム137 不検出
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信州八ヶ岳野辺山高原3.6牛乳

http://securitytokyo.com/nobeyama.milk.html

2011年10月11日測定
測定時間18,000秒
検出限界 Cs-137 0.155 Bq/kg
セシウム不検出
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ヨウ素131     不検出
放射性セシウム134 不検出
放射性セシウム137 不検出
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さすがに九州産は安心のセシウム不検出。そして長野も不検出。検出された北海道産も、メグミルクも検出されたとはいえ、1Bq/kgにも満たない量となります。
メーカ側から、こうして具体的な数値や検査体制が公開されるようになれば、それが一番の風評被害の払拭に繋がるはずです。

仮に今より汚染状況が悪化し、何らかの形で汚染が避けられないものになったとしても、食品によってある程度の汚染の目安がわかっていれば、栄養素を計算するように、どれだけこの食品を食べて良いかの基準になるはずです。

理想的には、食品(とくに肉や魚など)のベクレル値が一品ごとに表示されているのが望ましいのですが、そうなるまではせめて、より汚染の可能性の少ない食材を選ぶのはやむをえないところです。

今は流通側の事情で食品の基準が決まっていますが、消費者側の視点に立った食品の基準やルールが設定されれば何よりだと思います。

『世田谷にはラジウムなど埋まっていなかった』という仮説

2011-11-04 | 震災・原発 | By: sorakuma


世田谷区で見つかった高線量地域からは、立て続けにラジウム226の瓶が発見された、というのが公式の見解となっています。

最初に世田谷で見つかったラジウム瓶は、歩道から数μSv/h、数メートルの距離から、放射線源としては600μSv/hのラジウム226が検出、そして今回地表から110μSv/hもの放射線を検出した地中からは、40mSv/hものラジウム226が見つかったといいます。

東京・世田谷区高放射線量検出問題 駐車場のアスファルトの下からラジウム入り瓶回収
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00210807.html

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東京・世田谷区のスーパーの駐車場から高い放射線量が検出された問題で、文部科学省は、スーパーの店内など新たに15カ所で、高い放射線量が検出されたと発表した。
文科省が作成したスーパー周辺の放射線マップによると、店内の商品棚の下で、毎時8マイクロシーベルト(μSv)が検出されたほか、駐車場では、毎時12マイクロシーベルトが検出されるなど、新たに15カ所で高い放射線量が検出された。
一方、文科省は2日、毎時110マイクロシーベルトが検出された駐車場のアスファルトの下から、ラジウムが入った瓶を全て回収した。
割れていた瓶の中には、茶褐色のラジウムの塊があり、透明なガラスは、ラジウムによって紫色に変色していた。
撤去後の放射線量が、毎時25マイクロシーベルトまで下がったため、文科省は、この瓶に入っているラジウムが原因と断定した。
—-

しかし、これだけ多数のポイントに、それぞれ高放射線量の汚染源が埋められることなどあり得るのでしょうか?

その答えは、柏で発見された57.5μSv/hの放射線源にあると考えます。
つまりは、雨水枡の破損、雨水からのセシウムの凝縮です。

破損した側溝から雨水が土にしみこんだため放射線量が上昇したのが真相だったといいます。

破損した側溝から雨水が漏れ、土がフィルターの役割を果たしたため放射線濃度が局地的に上昇しました。
集約されれば数十μSv/hもの線量を放つということです。
集約されなかったとしても、それだけの放射能を含んだ雨が日々降下していることになります。

柏と同様の事態が世田谷で起きていると考えるのは、それほど不自然なことではありません。

世田谷のスーパー地下に埋まっていて違和感がなく、放射線源となりうるもの。それは、破損した雨水管ではないかと考えます。
雨水管から漏れ出した雨水が付近の土壌に染み込み、土壌がフィルターのように放射性物質を集積した結果、高放射線量を放つ結果になった原因ではないでしょうか。

それに類する情報をネットで検索していると、10月の段階で同様の結論に達しているブログがありました。

[原発]世田谷110μsv(170μ)の現地を実際に計測してみて推測
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111029/1319828549

一部を抜粋すると…

—-
そろそろ問題視して報道して良いころでは…
「屋根と雨どい出口土壌が、大量の汚染水を一カ所の小さいフィルターで濾過処理するプラントと同じ働きをしている」
「だからどの家庭でも雨どい出口は1μsvは常にいっている可能性がある。」

明らかに、店舗建屋の雨どい直下が、飛び抜けて高い。
最高5.73μsvh。まだもっと高い数値は出そう。
その周辺はがくんと、2~1μに下がる、やる気のなさそうな途切れ途切れのカウントである。

翻って、世田谷のスーパーは大きな建物だ。
屋根も広ければ 雨どい排水管もぶっとい。
「はは~ん」と、普段から雨どい線量ばっかり測ってる俺には納得できた。

おそらく、
地下埋設の雨水配水管が、ここだけ壊れ、
水が下水道へ行く前に漏出してるのでは無いか?

雨水溝下水道へ配管してある…はずだが割れてたり詰まってるケースはたまに見かける。
しかも詰まってる場所があると、他の配水管の仕事が増えてしまう…つまりセシウムが濃くなる。

どちらかというと、セシウム濃縮プラントとして巨大だからと言うだけのような気もする。アレバやサリーと同じだ
—-

エントリ内には、実際に測定した結果、線量が高かったポイントの画像が載っていました。

柏では事実をありのままに報道し、世田谷区ではラジウムが埋まっていたことにした理由。
なぜ、ラジウムという原因物質が存在するとして報道したかについては、おそらくは地価の問題があるのではないでしょうか。

原因が過去に埋まっていたラジウムということになれば、原因物質が取り除かれれば、放射性物質の汚染はなかったことになります。
しかし、原因が福島第一原発由来の雨水によってもたらされたものであれば、その原因が取り除かれるのは容易ではありません。
雨水のたびに付近の線量が上がり、雨水が集積する場所では簡単に警戒区域レベルの放射線量に達することが公になれば、世田谷区の高級住宅街に住むような上位層であれば、そんな土地に住みたいとは思わないでしょう。

今は緩やかに地価が下がっている状態でしょうが、これが周知となれば、地価は大幅に下がるでしょう。
土地を持つ資産家、あるいは土地を担保にする銀行などは、そうなる前に、その土地を売り抜けたいと考えるはずです。

そもそも、110μSv/hの地点に埋まっていたというラジウム226についても不審なところが見受けられます。
朝日新聞の記事によると、半減期の短い鉛214やビスマス214が検出されているという点です。

世田谷・八幡山の高線量 地中に試薬の瓶(朝日)
http://www.asahi.com/national/update/1101/TKY201111010480.html
※記事から、鉛214、ビスマス214という記述が変更され、それぞれ鉛、ビスマスに変更されています。
不都合な点でもあったのでしょうか。

鉛214の半減期はわずか26.8分ビスマス214の半減期は19.9分のため、長く安定して維持できる核種ではありません。
ほとんど間を置かずに鉛210に変化していくはずです。

にも関わらず、半減期26.8分の鉛214や、半減期19.9分のビスマス214掘削した土壌から『見つかった』のはなぜでしょうか?
それだけ崩壊の速い核種であれば、長期間埋められていたのであれば、少なくとも鉛210にまで変化しているはずではないでしょうか?

11/08追記—-
コメントより転記させて頂きました。
ご指摘ありがとうございます。

ラジウム226も(物質の大きな出入りがない環境で)一定の期間が経過すると、ラドン222はもちろん、鉛214やビスマス214、ポロニウム218も崩壊数の収支が釣り合って、見かけ上ずっとそこに存在するようになるのです。

#正確には、供給源のラジウム226と同じペースでしか減らない。

だから、ラジウム226が存在する環境では、ラドン222以下の核種(特に鉛210より前の)が全て発見されます。その中で崩壊に伴って比較的強いγ線を放射する鉛214とビスマス214が最も簡単に検出されるのです。

鉛214やビスマス214(の崩壊からのγ線)が検出された、ということに不自然な点は何もないのです。
—-

まるで、土壌を掘削した際に、ラジウム226であることを関連付けておくために、娘核種である鉛214やビスマス214を配置したかのような、そんな印象さえ与えかねません。

おそらく、今後は地中の雨水枡や雨水管からの汚染の凝縮による高放射線量地帯は、それこそ数十μSv/h、あるいは100μSv/hを超えて、各地で見つかることでしょう。
その頃には、マスコミや政府は、それぞれの地区でラジウム瓶が見つかった、などという苦しい言い訳をすることはできなくなるはずです。
酸性雨ならぬ、放射性雨が首都圏に降り注いでいるという事実、それが私たちの生活圏に深刻な影響を与えかねないレベルであるという事実は、変えようがないのですから。

追記—-
ラジウム226の検出はスペクトルデータから明らかなのではないか、というご指摘を頂きました。(ご指摘ありがとうございます)
仰るとおりなのですが、仮に隠蔽することが目的であった場合、原因物質が先に持ち込まれた上で計測されるのではないか、と考えてしまいます。
柏の高線量がセシウム由来として公開された原因の一つには、一般市民のスペクトルデータ公開によって、隠しようがなくなってしまったことがあるのではないか、と。
反面、世田谷は、どちらも屋内や地中に原因があったため、何らかの操作が可能だったのではないか、と…
これは考え過ぎでしょうか…。

追記—-
今回発見されたいくつかの高線量ポイントが、一直線に並んでいることも気になります。
今線量ポイントに沿って雨水管などが配置されている…ということはないでしょうか?

ガンダーセン氏:子供の運動靴から高い放射性粒子が検出されている

2011-11-04 | 震災・原発 | By: sorakuma

子供の運動靴から高い放射性粒子が検出されている…。ガンダーセン氏が、そんな報告を行なっていることが紹介されていました。

ガンダーセン氏の報告:子供の運動靴から高い放射性粒子を検出|カナダde日本語
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-3019.html

カナダde日本語さんにより、概要が以下のようにまとめられています。

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マルコ・カルトフェン氏の学会での発表の概要は次の通り。
福島第一原発事故によって大量の放射性物質で汚染されたチリが放出されたそのチリを吸いこんだり、飲みこんだりすると、また外部被曝とは違った悪い影響を人体に及ぼす

核種の種類や濃縮度を調べるために空中や蓄積した放射性降下物などの環境メディアからフィールド・サンプルの採取を実施した。サンプルには、蓄積したチリ、表面を拭ったもの、使用済みフィルターマスク、使用済みエア・フィルター、汚れた靴、地表などが含まれる。

放射性物質は、使用済み自動車のエア・フィルターやスタンダード0.45ミクロン膜のエア・フィルターから採取された。土壌や蓄積したチリは、地表や室内の表面や使用済みの子供用運動靴から採取された。

日本のフィルターからは、セシウム134と137、そして各サンプル毎に3nCiTAという高いレベルのコバルト60が検出された。2011年の4月に日本で採取されたサンプルからは、アイオダイン131が検出されたが、半減期の短いこの核種は、その後のサンプルからは、検出されたなかった。

米国のエア・フィルターとチリのサンプルからは、4月にワシントン州のシアトルから採取されたエア・フィルターのサンプルを除いては、放射性物質は見つからなかった。

日本の子供の靴からは、高いレベルの放射性セシウムが検出された。(ガンダーセン氏は、動画で、子供が靴紐を触った後は、かならず手を洗うように助言している。

隔離された米国の土壌からは、8ナノキュリー/kgの放射性セシウムが検出されたが、その他のサンプルからは、放射性セシウムは検出されなかった。桁違いの放射能セシウムを含んだチリが、福島第一原発から約160キロ以上離れた場所で見つかった。米国の西海岸でも検出された。

ガンダーセン氏が最後に述べているように、これらの情報は政府からではなく、ネットを通して得られる個人の情報である日本の国民の健康はそっちのけで、福島の人々への賠償額を下げるため私利私欲のため、又、国益のために原発事故の被害を過小評価して発表する日本政府。彼らの情報が信頼できない今、私たちは自分たちでサンプルを採取し、その情報を公表し合って、現実を直視するしかない。政府が除染してくれるからなどと甘い夢を見ていたら終わりだ。除染作業はかなり難航している
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以前紹介した除染の実態についてでは、靴は特に重要な箇所でした。

「放射能の除染」を行うということ、その危険性
http://sorakuma.com/2011/10/30/5037

降り積もった放射性物質を踏んで汚染されてしまうケースが多いので、靴は特に重要な除染箇所。

テレビやマスコミでは、除染の危険性や、放射性物質に囲まれて暮らすことの意味を報道することなく、まるで除染を行えば放射性物質が魔法のように消えてなくなるとばかりに報道しています。

首都圏であっても、靴などはもっとも汚染の影響をうけやすい場所です。
ましてや、被災地においてはその影響はいかばかりでしょうか。

福島県では、小学生を守るために、『放射線を正しく知って行動しましょう』というパンフレットが作られています。
http://www.pref.fukushima.jp/j/02_web.pdf

子供向けのわかりやすさはあります。
ですが、放射線管理区域の水準を遥かに超えるような汚染地での生活を行う上では全く不足しているように思えます。


『直ちに健康に害はない…』そう言いつつ、使い捨ての耐放射能用装備で福島を訪れたとある大臣が、語らずとも全てを物語っています。